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『静かなるドン』徹底特集!! ー主人公大解剖ー

極道のサラブレッド近藤ファミリーとは!?

昼間は下着メーカーに勤めるサラリーマンが、夜はサングラスの大物ヤクザに大変身! “静かなるドン”こと近藤静也は、スーパーマン的キャラクターです。昭和と平成に渡って、悩み多き現代人の変身願望を叶えてきました。義侠心あふれる主人公の魅力と、彼を輩出した極道の名家を紹介します。

近藤静也(こんどうしずや)
本作の主人公。幼少期から人形の服を作るのが好きで、大人になってからは中堅の下着メーカー・プリティに就職しています。会社では企画デザイン部に配属され、念願のデザイナー職に張り切りますが、新鮮組総長である父親・近藤勇足が急逝。跡目争いによる流血を避けるため、静也が新鮮組総長の座をついでいます。ただし、堅気のサラリーマン生活の継続が条件。こうして、昼も夜も働く兼業生活が始まったのです。

ドンの昼の顔
近藤静也は、夜は泣く子も黙る大物極道。しかし、会社ではただの平社員です。下着メーカーのプリティでデザイナーとして働くも、そのセンスはイマイチ。仕事ができないうえに、極道との兼業が災いして、遅刻や居眠り、無断欠勤が絶えません。さえない風貌もあって、会社では上司や先輩の格好のイジメの対象に……。そんな静也をかばってくれた先輩の秋野明美に、想いを寄せるようになります。

ドンの夜の顔
両親の命令で、幼少期から武道の特殊な訓練を受けている近藤静也。小柄な体格ですが、服の下には鍛えられた肉体を隠しています。静也は、会社の仕事を終えると白いスーツの極道に変身。さらにサングラスで目を覆い、会社の同僚にも正体を隠しています。穏やかな性格ですが、近藤家に代々流れる野獣の血を受け継いでいます。静也の怒りが沸点に達すると、暴力的なキャラクターに変身して全てを破壊するのです。

近藤家のルーツ
警察の捜査官に「狂気と暴力の家系」と言わしめた近藤家。そのルーツは、江戸時代末期に清水次郎長(じろちょう)と張り合った、甲州・黒駒の勝蔵の用心棒だといいます。東海道一の大親分と張り合ったことから、天下無双といわれていました。さらに近藤静也の祖父は、戦後「アメ横の殺人鬼」として恐れられ、現在の新鮮組を築いた人物でした。

近藤勇足(こんどういさみあし)
新鮮組二代目総長であり、近藤静也の父親。幕末の新選組局長であった近藤勇と、「勇み足」という言葉を掛けたネーミング。『静かなるドン』連載開始と同時に、鬼州組系長州会によって殺されています。遺影姿でドラマに登場しますが、子どものようにペロペロキャンディをなめるマヌケな写真。しかし全盛期は酒に酔っては、粗暴な本性を現わしていました。

近藤 妙(こんどうたえ)
近藤静也の母親。息子の静也と同じく、サングラスがトレードマーク。ダイナマイトの原料・ニトログリセリンで戦うことから、「ニトロのお妙」の異名を持っています。「壺振りのお妙」と呼ばれる関東一の女博徒でもありました。鬼州組に夫を殺されて以来、新鮮組を維持するため奔走。静也に会社勤めを辞めさせて、極道に専念してほしいと思っています。

近藤静子(こんどうしずこ)
近藤勇足が、愛人に生ませた静也の異母妹。静子の生母は、女児を生んで跡取りレースから外れた悔しさと、彼女の教育に悩んだことから育児を放棄しています。残虐な性格と脅威の身体能力を持ち、鑑別所に出入りを繰り返しています。男に惚れっぽい性格で、鬼州組七代目・白藤龍馬を敬愛。不死身の暗殺者・岡羅異蔵をパートナーとしています。

極道の血の系譜

新鮮組総長として、東日本の実権を掌握している近藤ファミリー。いずれも個性的なキャラクターばかりで、ファンを多く獲得しています。近藤家伝来の野獣の血が繰り広げる、アクションの名シーンを紹介します。

執筆:メモリーバンク

©新田たつお/実業之日本社

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