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【推しマンガ】驚愕の結末がヤミツキになる! 話題のミステリ小説のコミカライズ版!!

#真相をお話しします
#真相をお話しします 結城真一郎/原作/もりとおる/漫画

シリーズ累計発行部数50万部突破(2024年6月時点)! 結城真一郎の『#真相をお話しします』は、令和最強のベストセラー小説です。衝撃の結末が待ち受ける極上のミステリを、コミカライズ版で読んでみませんか!?

居酒屋で触れ合う男女、閑静な住宅街に住まう裕福な親子、大学時代の仲間との同窓会――。ありふれた日常風景の裏側には、目に見えぬ“歪み”が潜んでいます。その蓄積が大きなひずみとなって、恐ろしい事件を巻き起こすのです。

Z世代の若者を中心に、大ブレイクしたハイテンポな謎解きストーリー。そのコミカライズ版では、マンガの1コマ1コマにスリリングなヒントが散りばめられています。あなたは全ての伏線を回収し、事件の真相を暴き出すことができますか!? 新感覚の謎解きエンターテインメントを紹介します!!

ミステリ界の新星・結城真一郎の注目作

結城真一郎は、東京大学法学部出身の小説家。2018(平成30)年、『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞してデビューしています。2021(令和3)年には「小説新潮」(新潮社)に掲載された『#拡散希望』で、第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。この受賞は、平成生まれの作家が達成した初めての快挙となりました。

『#真相をお話しします』は、結城真一郎による読み切り作品を集めたオムニバス形式のミステリ・シリーズ。2022(令和4)年には本格ミステリ作家クラブ主催の第22回本格ミステリ大賞に、翌年には書店員の選考による第20回本屋大賞にノミネートされるなど、各方面から高い評価を得ている作品なのです。

2023(令和5)年、本作のコミカライズ版が新潮社のWebマンガサイト「くらげバンチ」で連載されました。作画を担当したのは、新鋭の漫画家・もりとおる。本作が彼の商業デビュー作となりますが、原作が持つキャラクターの魅力やテンポの良さを、軽やかな筆致で見事に描き切っています。

そして2025(令和7)年4月25日、『#真相をお話しします』の実写映画が公開されることが決定し、大きな話題を呼んでいます。トリックが緻密に組み上げられたミステリを、ぜひ劇場映画でもお楽しみください。

今回はコミカライズ版の第1巻から、「ヤリモク」というエピソードを紹介します。本作の主人公は、42歳妻子持ちの男性。しかし32歳独身と我が身を偽り、マッチングアプリで若い女の子を呼び出すのに成功しました。

女の子と連れ立って、夜の街を彷徨う男――。その頭に、愛娘・美雪の姿がよぎりました。男には大学3年生になる娘がいます。彼がマッチングアプリを使って女の子と会っていると知ったら、娘はどのように思うでしょうか。

ワンナイトラブの相手は愛娘に瓜二つ!?

「こんなパパをどうか赦(ゆる)して…」。男は、体目当てのいわゆる“ヤリモク”でした。彼がマッチングアプリで知り合った女の子のニックネームはマナ。彼女が娘の美雪と瓜二つの顔をしていたため、男はデート中に罪悪感にさいなまれています。

そうは言っても、男はマッチングアプリを使い慣れている様子です。「こういうことするの 何回目?」。マナの問い掛けに、男は「7回目、かな」と答えています。

マッチングアプリで出会い、一夜限りの関係を結ぼうとする男女。男は刺激的な会話のやり取りに応じながらも、あざとすぎるマナの姿を見て不愉快になります。愛娘の美雪が、自分と同じような中年男性を相手に同じことをしていたら――と考えると、自然とため息が漏れるのです。

マナとデートをしていると、男のスマホに妻からメッセージが届きました。「美雪は今日も かなこちゃんの家に泊まるって」。それは、娘の美雪が外泊するという連絡でした。

この夫婦の間には、大きな心配事がありました。男の妻は、美雪の部屋でブランドもののショルダーバッグを見つけたと言いますが、その価格はなんと26万8000円。大学生がアルバイト代で買える代物ではありません。さらに美雪が「失くした」と大騒ぎしたピアスも、10万円近くする高級品でした。

最近の美雪は、外泊や朝帰りばかり。さらに、しょっちゅうスマホをいじっています。美雪がマッチングアプリを使った“パパ活”をしているのではないか――娘を疑う妻の言葉を聞いて、男は激しい怒りを覚えます。幼い頃の美雪は、父親を慕う純情な娘でした。そんな彼女が“パパ活”をするなんて、信じたくもありません。

マッチングアプリに潜む危険性

「ねえ」。マナに呼びかけられて、男はハッと我に返りました。彼はマナに誘われて、彼女の部屋に上がり込んでいたのです。

マナの部屋がきれいに片付いていたため、男は小さな違和感を抱きます。若い女の子が住む部屋にしては、あまりに殺風景過ぎたのです。

マナは慣れた様子で寝間着に着替えて、男にシャワーを浴びるように勧めます。マナとのデートは、お持ち帰り一直線の完璧なコースとなりました。あまりに上手くいきすぎていることも、男の違和感を増幅させます。しかしここまで来たら、男として本懐を遂げなければなりません。最大の仕事を前に、男は自らを奮い立たせようとします。

男とマナを繋ぐ架け橋となったのは、マッチングアプリのTiAmoでした。このアプリの利点は、デートまでの手軽さにあります。日程、店選び、席の予約まで、このアプリが調整してくれるのです。

男はアプリの登録プロフィールを見て、相手のタイプを類推していました。紹介文が長くて細かい女の子は、“真剣な出会い”を求めているためお断り。自分の写真を多く掲載している子は、面倒な性格が多いので減点です。男が独自の検索方法で探し出したマナは、実際に会ってみると期待した通りの積極的な女の子でした。

マッチングアプリは便利ですが、問題点があるのも事実です。登録されている写真やプロフィールに偽りがあるケースも少なくありません。さらに結婚詐欺やデート時の盗難、恐喝、暴力などの犯罪に巻き込まれるリスクも否定できないのです。現にマッチングアプリを悪用した連続殺人事件が起きて、世間を賑わせていました。

何度も読み返したくなる、中毒性の高いミステリ!!

シャワーを浴び終えた男は、期待と不安を胸にバスルームの扉を開けます。すると見知らぬ若い男が部屋にいて、男の財布を漁っていたのです。この後ストーリーはどんでん返しが続く展開となり、読者を恐怖のラストに導きます。今までに体験したことのない驚愕の読後感を、ぜひ体験してみてください。

「原作を読んだ時のドキドキや背筋がゾワっとする面白さ、そして謎が明かされた時の爽快さを漫画という媒体でも体験してもらえるような作品にしたい」。『#真相をお話しします』コミックスのカバー袖に掲載された著者紹介では、マンガ家・もりとおるのコメントが掲載されています。

その意気込みのとおり、コミカライズ版では現代日本のリアルとミステリの技が融合した原作の魅力が存分に引き出されています。あちこちに伏線が仕掛けられた本作は、何度も読み返したくなる中毒性をもっています。コミカライズ版とともに、原作小説や劇場映画も楽しんでくださいね!

執筆:メモリーバンク / 柿原麻美 *文中一部敬称略

映画「#真相をお話しします」公式サイト

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