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特集 メイクのパワーを感じるマンガ

ジェンダーレスな時代になりつつある今、メイクをしたくない女性はしなくてもいい、逆にしたい男性はしてもいいという自由な雰囲気になってきました。そんな時代だからこそでしょうか、メイクや美容にパワーがあることを伝えるマンガが増えてきています。

数年前、結婚情報誌の「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というコピーがありましたね。そんな感じで「メイクをしてもしなくてもいい時代に、私はメイクをしたいのです」という気持ちになる作品を集めました!

メイクには「ご自愛」パワーがある『だから私はメイクする』

なぜあなたはメイクをするの? という問いの答えを見つけた女性たちと凄腕美容販売員・熊谷さんとの交流を描くのが『だから私はメイクする』です。

だから私はメイクする 漫画:シバタヒカリ/原案:劇団雌猫

男ウケは悪くても完璧なメイクで人間離れした美しさになりたい、ネイルでいつも推しのコンサート会場を脳内再生していたい、自分の力を最大限発揮させるための時短美容。表面的にはそれぞれの理由でメイクをする彼女たち。メイクを他人にあれこれ言われて凹むこともある。

彼女たちが自分のしたいメイクをするのは、メイクは自分を大切にする「愛」=「ご自愛」だからなのです。美しく整った自分を鏡で見ると、気持ちよくなれる、自信がつく、落ち着く…これは全部メイクの「ご自愛」パワーなのです!

男性もメイクでよりよく生きるパワーを手に入れられる!『僕はメイクしてみることにした』

お次は、昨今では当たり前になりつつあるメンズメイクについての一冊。メイクの世界に足を踏み入れた平凡な男性が主人公の『僕はメイクしてみることにした』です。

僕はメイクしてみることにした 著:糸井のぞ 原案:鎌塚亮

顔の疲れを感じるようになった38歳のサラリーマン・一朗は、ドラッグストアで化粧水を選ぼうとしますが、自分の肌に合う商品がまったくわからず困惑します。これまでも洗顔くらいはしてきたけれど、それは美容ではなかった!? 美容オタク女子から正しい洗顔の仕方を教わり試してみると、違いは歴然。

ちょっぴり気恥ずかしさはあるけれど、スキンケアアイテムの使用感や違いがだんだんわかってきて楽しくなる一朗。ケアをすればするほど結果が出るのにもやりがいを感じ、どんどんコスメの沼にハマり、メンズメイクにもチャレンジする彼が得たのは、自分と向き合い、よりよく生きるパワーなのです。

メイクで自分の「好き」を取り戻すことは何歳になってもできる『はなものがたり』

メイクのパワーを享受するのに年齢は関係ありません。続いては、独り身になったおばあちゃんがメイクで自分の「好き」を思い出す『はなものがたり』です。

はなものがたり 著者:schwinn

長年連れ添った夫が亡くなったはな代さんは、一人きりの時間を持て余していました。そんな時、商店街の化粧品店で同年代の女性店員にメイクをしてもらい、美容に目覚めます。

昔は夫の目が気になって華やかな服やメイクはためらっていたし、自分より夫や子どもの好きなものをまず選んできた人生だったけれど、もうこれからは誰にも遠慮しないで自分の楽しいことをして過ごしていこう、と自分の人生を取り戻してゆくはな代さん。メイクは何歳になっても心をときめかせてくれるし、自分の美しさを教えてくれるパワーがあるのです。

安全に美しくなれる現代のコスメは、18世紀から見ると奇跡のようなもの『ラ・マキユーズ~ヴェルサイユの化粧師~』

続いて、現代のコスメがいかにパワフルなものかがわかる作品をどうぞ。化粧品会社の開発担当のアラサー女子が、女性たちが美しさを競っていた18世紀のフランスにタイムスリップする『ラ・マキユーズ~ヴェルサイユの化粧師〜』です。

ラ・マキユーズ~ヴェルサイユの化粧師~ 漫画:みやのはる 原案・監修:堀江宏樹

18世紀のフランスでは、毒性のある成分でも美しく見えるならば平気で肌につけていました。主人公が出会った、異様なほどに真っ白な肌で、玉虫色に輝く赤い口紅を塗っていた婦人。どこか体調が悪そうなのは化粧品のせいでした。

現代で私たちが当たり前に使っているコスメはどんなにプチプラでも、主人公のような開発者が研究を重ね、安全性と美を両立させています。18世紀の人々からすると、今のスキンケアもメイクアップ製品もすごい奇跡のようなもの。この作品を読むと、開発者の技術と願いが込められている手持ちのコスメに感謝したくなります。

同じコスメでも使い方次第で激変するパワーを秘めている!『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』

ここまで読んで「メイク欲」が高まってきた人もいるのでは…でも、「今っぽい顔」を作るには最新コスメを使わないといけないって思い込んでいませんか? ラストは、自分のメイクをアップデートしたくなる作品『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』です。

メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた 著:吉川景都/著:BAパンダ

「顔面迷子状態」だった吉川さんは、小学校からの幼なじみで現役美容部員のBAパンダさんに、新しくコスメを買わなくても今持っているアイテムの使い方次第で顔が激変することを教えてもらいます。よくわかるのは、このアイシャドウパレットの使い方。

メイク歴が長くなると、自分的王道パターンを毎日続けてしまいがち。でも、一つのパレットでも日によって塗り方を変えていいんですよね。BAパンダさんは、基本的に「今持っているアイテムをどう活用するか」というところからコツを教えてくれるのでありがたい。その提案パワーに敬礼! です。

メイクをしている人もしてない人も、メイクが私たちに与える影響やパワーをビシビシと感じられる五作品。読めば明日からメイクが楽しみになるかも!

執筆:ネゴト /大槻由実子

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