連載開始から15年!いよいよクライマックスを迎える『宇宙兄弟』名シーン集~夢の叶え方~
2007年より「モーニング」(講談社)にて連載開始され、15年を迎えた『宇宙兄弟』は、2023年1月現在(既刊42巻)で累計3100万部(電子含む)を超える大ヒット作。
本記事では、「夢のような話」では終わらせない!現実世界で夢を叶える方法を教えてくれる…かもしれない『宇宙兄弟』の名シーンをご紹介します!
支える者がいてその上に立つ者がいる
『宇宙兄弟』には様々な宇宙産業に関わる人々が登場します。宇宙飛行士として名前が残る人はほんの一握りであっても、宇宙飛行士を宇宙に送り出すために、何千何万という人々が一つの目標に向かって邁進している様子がありありと描かれています。
そんな、宇宙飛行士と支える人々を表現したシーン。
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 8巻 #74より
いつかは「何者かになりたい」「歴史に残るような偉業を成し遂げたい」漠然とそう思っている人がいるとすれば、その何者かを支えるポジションもまた、高揚感を伴う素晴らしい役回りではないでしょうか。
夢を先陣切って追いかける人といることで、レアな瞬間に立ち会える。自分も同じ夢を持てる。自分だけでは実現できないような大きな夢が描ける。支える側も十分オイシイポジションだと私は思います。
ここにいたんだ 誘ったら喜んでついて来てくれそうな連中が…
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 4巻 #37より
夢を1人で持ち続けるのは難しい。自分の夢でも誰かの夢でもいいけれど、その夢を馬鹿にせず応援してくれる仲間を見つけることは、夢を持つことよりも難しいのではないでしょうか。大きくて自分では抱えられない夢であればあるほど、同じ夢を共有できる仲間に出会えることは奇跡に近い。だからこそ、同じ夢を持ち語り合える仲間の存在は大切だし、もし見つかったら鬼に金棒になること間違いなし!夢の実現へ二歩も三歩も進められると思うのです。
本気でやった場合に限るよ 本気の失敗には価値がある
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 11巻 #107より
「どんな経験も無駄では無いと思いたい」「回り道をしただけだ この経験はきっと役に立つはずだ」そうやって自分をごまかしたくなるけれど、現実は正直です。適当にやったことに価値なんてないんです。
いや、そうじゃないんだ。本気でやった。でもダメだった。そんな失敗には最大限の賞賛を!失敗に種類があることに、気づいていない人は案外多いのではないでしょうか。
俺の敵はだいたい俺です 自分の”宇宙へ行きたい”って夢をさんざん邪魔して足を引っ張り続けたのは 結局 俺でした
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 11巻 #107より
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 11巻 #107より
夢を持つことは疲れます。いつも今以上の努力をしていても、手応えなんて無く失敗の連続。忘れて無かったようにしたくても、頭から離れない。そういう動いても結果がでない自分と戦っている人は多いのではないでしょうか。
動いてしまえば道は拓けると分かった上で行動できている人はほんの一握り。動けない自分がデフォルトだと受け入れてしまっている人にはそんな原理原則は届かない。「自分が自分の足を引っ張っている」「誰かのせいではない」そこに気づいた人とそうでない人の差はとてつもなく大きいと思うのです。
紫さんが舞台で活躍できるのは 誰よりその準備ができているから
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 38巻 #357より
本番に実力以上の結果が出るなんて無理ゲー。それこそ、マンガや映画の世界でしかありえないんじゃないでしょうか。特に技術や瞬発力が必要な分野であれば尚のこと。その目を見張るパフォーマンスの裏には人知れず積み重ねた本気の努力と膨大な時間が隠れています。
そう思うと、イヤイヤやっていたり、義務感だけでやっていることでそれだけの努力も時間もかけられない。結局やりたいことしかできないと思うのです。
命を預かる技術者の気持ちを知れというのなら あんたは命をかける側の気持ちを知ってくれ
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 12巻 #113より
宇宙産業で働く人々の仕事ぶりや宇宙飛行士を送り出す想いや責任にも焦点が当たったこの作品は、宇宙飛行士は任務中に死んでしまう可能性があるというシビアな世界を描き、技術者もその責任を背負っています。
どんな仕事にも多かれ少なかれこの手の責任はつきまといます。でも自分には関係なさそうだったり、相手の顔が見えなかったりすると、簡単に軽視しがち…。
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 11巻 #106より
「要するにパラシュートってのは愛で開く」夫や恋人を思えばこそ、パラシュートをたたむ手にもその想いが宿るのかもしれません。そして、自分のやった仕事の影響を受ける相手の顔が思い浮かばないようでは、自分の命を預けられないでしょうし、本当の意味での強いチームはできないのではないでしょうか。
個人の願いが集まって…”みんなの夢”ってよべるようになったら それはきっと叶うわ
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 12巻 #117より
うまくいくプロジェクトとそうでないプロジェクトの違いってなんだろう。ラッキーパンチでたまたまうまくいったなんてことはありえないとよく思います。端から見るとうまくいっていて、うまくいっている理由が分からないなら、それは自分が部外者で傍観者だから。
そのプロジェクトが”みんなの夢”になっているなら、それは渦のように周りを巻き込んでいる…。きっとそれは渦の中にいる人には分かるはず。
胸を張れ!自分の”年”なんて忘れよう 私の夢は年をとっていない
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 3巻 #27より
「もう○○だから無理」年齢を理由にして夢を遠ざけてしまうのは簡単です。夢を持ち続け行動し、ある程度の結果が出つつあるのであれば、その事実は現実なのだから自信を持っていいと思えるシーンです。正しい努力と失敗を繰り返すことで、手応えを感じたからこそ、その年までやってこれたのだから。目標に届かなかったとしてもその分野を選んだことは間違いじゃない。
夢は”現実”に変えていこう
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 20巻 #190より
『宇宙兄弟』の第1巻は2025年からスタートします。日々人が日本人初の月面着陸者になる記者会見から始まるこの物語は、まだ現実世界でも同じ時を歩んでいない未来の話です。
2023年に現実世界で選ばれた2人の宇宙飛行士候補が、近い将来宇宙に、そして月へ旅立つと思うと、この作品が日本における宇宙開発のちょっと先を描いた物語だということを感じてしまいます。
この作品は、とてつもない大きな夢を、実現していく方法を教えてくれます。夢は特別な選ばれし者だけのものではなく、誰でも夢を持てるし、その夢を実現していく方法も無数にあることを、何度も繰り返し語っています。
いよいよクライマックスを迎える『宇宙兄弟』を是非オンタイムで最後を見届けましょう!そして、かつて持っていた夢をワクワクしながら現実にする方法を『宇宙兄弟』と一緒に探してみませんか!?
『宇宙兄弟』©小山宙哉/講談社 20巻 #190より
執筆: ネゴト / そふえ