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『黄泉のツガイ』1巻1話目から全力疾走!一緒に走り切る爽快さを味わって

「月刊少年ガンガン」にて連載中の『黄泉のツガイ』はハガレンの愛称で親しまれている『鋼の錬金術師』の荒川弘先生による新作バトルアクション漫画です。2022年6月に単行本第1巻が発売されました。

黄泉のツガイ 著者:荒川弘

私は2022年の新作を69作品読んだのですが、読了後に興奮さめやらぬままもう一回読み返した作品は『黄泉のツガイ』だけでした!

今回はこれから本作を読む方へ鼻息荒くなるポイントを3つご紹介します。

1巻から息つく間を与えぬ怒涛の展開

物語はとある山の集落から始まります。そこで約400年ぶりに夜と昼を跨いで産まれた男女の双子、ユルとアサ。

妹のアサは「おつとめ」をするべく村の奥にある牢に閉じ込められていますが、兄のユルが毎日アサの元へ通って外の様子を話すなど、仲睦まじい兄妹として日々を過ごしていきます。

そんな穏やかな日々がある日一転!謎の集団に村が襲われ、なんと自分こそが本当のアサだという子が現れます。

ここからユルの運命は大きく動き出していくのですが、本作は第1話から予想を超えた展開が待っています。これ以上はあらすじを語らないので、ぜひその驚きを体感してください。

本作は、いわゆるプロローグやナレーションによる状況説明は一切せずに物語が走りだします。そのため読者は「どういうこと!?」と困惑をする場面もあるでしょう。しかし、すぐに「なるほど!」と気付かせてくれる展開がやってくるので、物語に置いてきぼりになることはありません。それどころか、すぐに「どういうこと!?」という展開が再びやってきます。

まるで目の前に人参をぶら下げられている馬のように、読む手を止めることができなくなるスピード感こそ本作の魅力と言えるでしょう。

愛らしいツガイとキャラの濃い主たち

ツガイというのは「番」と書き、二つ組み合わせて一組になるものを言います。本作では人間を主とする「ツガイ」と呼ばれる守護霊のような存在が登場します。ユルには村の守り神だった左右様がツガイとなり、運命を共にしていきます。

左右様は体格がゴツめなツガイですが、ツガイによって容姿は様々。まるでお化けのようなツガイから、犬と猫、兎と亀のような可愛らしいツガイまで登場します。このバラエティ豊かなツガイたちの活躍もみどころです!

さらに、これらツガイの主たちも個性強めなキャラクターとして続々と登場します。登場人物が多いと読み手としては胸やけしやすいですが、荒川弘先生らしいギャグシーンを随所に織り交ぜることで作中に強弱が生まれ、混乱もなくスッと読み進めていけます。

単行本に仕掛けられたお楽しみも健在

荒川弘先生の作品と言えば、単行本の巻末に収録された描き下ろしの4コマ漫画が定番です。作中の状況を無視したコミカルな内容で本作も読者を楽しませてくれます。

さらにカバー下にも遊びを入れてくれるのが荒川弘先生のスタイルですが、今回は毎巻キャラクターデザインや場面設定等の資料が公開されています。

細部までこだわりの詰まった設定を知ると、もう一度本編を読み返したくなりますよ。もちろん電子書籍の単行本に4コマと資料、どちらも収録されていますのでご安心くださいね!

誰が味方か敵か、先の読めぬ展開は続く

2023年2月に単行本第3巻が発売され、ユルが置かれた状況はだいぶわかってきました。しかし誰が真実を語っているのかは未だわかりません。誰が味方か敵か、予想しながら読みつつも、きっと荒川弘先生に良い意味で裏切られるんだろうなと期待しています。

執筆: ネゴト / Micha

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