奪うのは腐った大人の心 怪盗団が醜い欲望を奪い去る!! 『ペルソナ5』
「欲望」それは誰しもが大なり小なり抱えるもの。しかし、時として醜く歪んだ他人の欲望が、牙を剥くこともある。それがどうしようもない困難となって立ち塞がった時、あなたは抗うことができるだろうか?
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
『ペルソナ5』(ぺるそなふぁいぶ)は自分の中に眠る「ペルソナ能力」に目覚めた主人公たちが「心の怪盗団」として、腐った大人たちを改心させていく物語だ。
世界で人気の『ペルソナ』シリーズ
不思議な力「ペルソナ」に目覚めた少年たちが、腐った大人の歪んだ欲望を盗み改心させる。理不尽な困難や運命に反逆する物語が『ペルソナ5』だ。
原作は大人気ジュブナイルRPGゲーム『ペルソナ』シリーズのナンバリング第5作目であり、2018年にTVアニメ化。原作ゲームは国内にとどまらず海外でも人気を博し、今年の10月21日には『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』のリマスター版が最新機種で発売された。
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
シリーズ作品ながら、それぞれ独立した物語となっており、他の作品を知らずとも単独で楽しむことができる。
漫画を担当するのは『ノイン』、『僕のまわりの宇宙人』の村崎久都先生。
東京を舞台に高校生たちが不思議な力を駆使して、事件を解決していくピカレスク・ジュブナイル作品だ。
我は汝、汝は我
主人公の男子高校生、来栖暁(くるすあきら)は人助けをしたことで、逆に傷害の罪を着せられてしまう。転校を余儀なくされた彼は単身で、親の知り合いが営む喫茶店の屋根裏に住むことに。
突如スマホに現れた謎のアプリ「イセカイナビ」で、精神世界へと行けるようになった彼は、戦うための反逆の力ペルソナに目覚める。
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
しゃべる猫(?)のモルガナの助言で、腐った大人たちの欲望を盗めば、改心させられることを知った暁は、同じ力に目覚めた仲間たちと共に駆ける!!
そうして心の怪盗団として活躍する彼らは、腐った大人を改心させていくが、やがて大きな陰謀と対峙することになっていく。
欲望の盗み方
作中には警察の及ばぬところで罪を犯し、大きな欲望を持つ腐った大人たちが登場する。警察にはしっぽを出さぬ腐った大人たちを改心させるのが、主人公たち「心の怪盗団」だ。
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
歪んだ欲望を持つ者の精神世界には「パレス」が存在している。パレスはいわば欲望の城であり、攻略側から見ればダンジョンとも言える。
パレスには欲望の元である「オタカラ」が存在しており、このオタカラを奪うことで、欲望は消え去る。欲望が消えることで、どんな悪人であっても罪の重さに耐えられず、その罪を告白してしまう。つまり改心してしまうのだ。
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
オタカラは、予告状を受け取らせることで初めて実体化する。盗まれると認識させることで実体化させるのだ。予告状を送り、そして盗む。このシステムがまさに怪盗団らしいところと言える。
スカッと成敗 理不尽な運命に反逆せよ!!
主人公の暁をはじめ、登場人物たちは居場所を悪い大人たちに奪われてきた。そんな彼らが抗い反逆し戦う。
現実と向き合うことで壁を乗り越える。孤立した立場から信頼できる仲間たちを経て、徐々に好転していく。
『ペルソナ5』©ATLUS ©SEGA ©︎村崎久都/小学館
そんな様子が軽快でスカッとする物語だ。原作ゲームを知らなくても知っていても、楽しく読ませる作りとなっている。
世界で大人気の『ペルソナ5』のコミカライズ、シリーズファンも納得して推せるピカレスク・ジュブナイル作品をぜひお楽しみください。