自分で自分を檻に閉じ込めないで!『やわ男とカタ子』を読んで、自分自身を解放してあげてみよう
「女は愛嬌」と言われた時代があったように、結局のところ女はかわいいほうが得。かわいくないと損するかもね…と、思い込んで自分で自分をマイナスな方向に引っ張っていってはいないでしょうか?
気持ちはよーーーーくわかります。私も子どもの時から身長が高く、現在165cm。ヒールを履くとさらにデカくなるから怖くて履けないし、ガタイの良さで強く見られたことも、「デカイ」と陰口叩かれたことも、小さい子に憧れて猫背になったこともありました。
時間が経ち、いつの間にやらその呪縛からは抜け出していたものの、昔の私を見ているようで苦しく、でも応援したくてたまらなくなった作品があります。
それが、「FEEL YOUNG」で連載中の『やわ男とカタ子』です。
『やわ男とカタ子』あらすじ
自分にひとつも自信がなく、いつも自虐ネタに走ってしまうネガティブでガードの硬いアラサー喪女・藤子。
合コンで知り合ったきれいな顔のオネエ・小柳にボロクソに説教された挙句、「喪女を脱却させてあげる!」と宣言されるところから物語は始まります。
これは、こじらせにこじらせた女がジェンダーを超越したオネエによるリハビリを通して、自意識を克服していくラブコメディです。
「私なんか」を1万回唱えたところで何も変わらない
藤子は自分が喪女である原因を「見た目」だと思っています。
その理由のひとつは、親友の久美。久美は「かわいい女の子」という言葉をそのまま具現化したような、ピンクやレースの似合う女の子。久美と一緒にいると必ず男性は久美ばかりを見て、自分のことは見ていないということを何度も経験してきました。
そんなこともあり、「久美みたいなのが女の子で、私に女という免許はない」と思い込んでいる藤子。周囲がいくら「そんなことないよ」と言っても「いえ分かってるんです、私なんか…」と続く。
自分を自分という檻の中に閉じ込めて、そこから出てこようとしないのが、藤子という女性。読んでいると「ここまで意固地にならなくても!」と思いつつ、どこか自分にも身に覚えがある気がしてくるのです。
さて、話を戻します。
喪女である原因を「見た目」と言った藤子に対して、小柳は「残念ハズレ!見当違いもいいとこ!正解は性格ブスだからでーす!」と言い放ち、説教を垂れてくれます。
『やわ男とカタ子』1巻/第1話より
©長田亜弓/祥伝社フィールコミックス
そうなのです。実際、藤子みたいに意固地でいるとたとえ美人でも愛されない!!!!
とどのつまり、「私なんか」を1万回唱えても、何も変わらないのです!!!!
藤子改造計画、始動!!!
出会ったばかりの藤子にはっきり物を言う小柳ですが、言いっぱなしではありません。
「あたしが変えちゃう。あんたは変われる」と宣言し、藤子改造計画に名乗り出ます。
『やわ男とカタ子』1巻/第1話より
©長田亜弓/祥伝社フィールコミックス
まずは外見から!と美容室に行ったり、服を買いに行ったり。もちろん見立ててアドバイスもしてくれます。
さらに内面の改造…というかサポートをしてくれるシーンも。藤子が悩んで叫んで気持ちを吐き出した時でも受け止め、寄り添ってくれるのです。(小柳さん、私も一人欲しいわ…)
外見も内面も変化し、様々な経験をする中で藤子がどう変わっていくのか、そして恋するのか?小柳さんとの関係は…?まだまだ続きが気になるアラサー女性の成長譚、ぜひご一読を!