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『岩元先輩ノ推薦』巻き起こる不可解な現象の謎を解け! 異能者を導く一人の少年による耽美和麗怪奇譚!

月刊「ウルトラジャンプ」にて現在絶賛連載中の椎橋寛先生による『岩元先輩ノ推薦』。

本作の主人公は、各地で巻き起こる怪異の謎に立ち向かうミステリアスな男子学生・岩元胡堂。

そして彼を取りまく異能集団・栖鳳中学の面々の活躍を描く大正耽美浪漫奇譚として、今マンガ好きの間でも話題となっている作品です!

岩元先輩ノ推薦 著者:椎橋寛

怪奇現象の謎を解く少年…その真の目的とは?『岩元先輩ノ推薦』あらすじ

時は大正。一九一〇年代のこの時代に、奇妙な任務を幾度も遂行した少年がいました。

彼の名は岩元胡堂。大日本帝国陸軍直属・栖鳳中学の三年生である彼は、学園の長の命に従い、全国各地の奇妙な怪異を調査するべく、津々浦々へと赴いています。

黒い雪の降る村、無数の鎌が刺さった縁切りの木、湖の屍人伝説…。様々な噂の元へ足を向け、調査を遂行する岩元。

彼の真の目的は単純な問題の解決だけではなく、その怪異を起こす原因ともなりえる人々の異能を見極める事にありました。

これまでに多くの異能の人間を探し出し、自身が所属する能力者の集う学園へと誘ってきた岩元。彼がこの「推薦」へと尽力しているのは、誰あろう彼自身も異能を持つ恐れられた人間でもあったからでした。

大勢の異能者を従えた彼は、そしてこの学園は。少しずつ戦時機運高まるこの国で、一体どこへと向かっていくのでしょうか。

その力は厄災か救済か? 人と違う「能力」を生かすため岩元先輩は異能者を導く

本作の一番の見どころは、やはり主人公である岩元を始めとした個性豊かなキャラクター。そして彼らを取り巻く、実に多彩な異能についてでしょう。

彼岸花の形をした発火現象を操る岩元に、幻覚作用のある黒い鱗粉を振り撒く青沼、そして髪を依り代とした獣を飼う天羽。

この他にも雨や蟲を操る異能者など、その能力は人によって実に千差万別。ですが彼らの能力は往々にして、普通の一般人からすれば不気味で恐怖の対象にもなる力ばかりです。

ですが「毒と薬は紙一重」とはよく言ったもので、人と違うその能力は正しい使い道をすれば、自分自身を守る力や大勢の危機を救う力ともなるはず。

同胞でもある大勢の能力者を、理不尽な運命から救いたい。その思いこそが、岩元が彼らを救うべく尽力する原動力ともなっているのです。

しかし本作の舞台ともなる時代・大正はまさに国の変革期。

ご存知の通り先々に巻き起こる世界的な大戦や戦争に向けて、海の向こうの大国と同等に渡り合うために。この国も軍機的機運がじりじりと高まりつつある、そんな不安定な時代です。

普通とは違う、強大で不可思議な能力を持つ人々。岩元を始めとした彼らもまた、そんな時代の激動の流れへと少しずつ巻き込まれていくことになります。

異能を持つ彼らには一体、今後どのような運命が待ち構えているのでしょうか。

大正×軍服が堪らない!? 椎橋先生の迫力ある美麗作画が存分に発揮された和風怪奇譚

そしてもうひとつ、この物語の魅力となっているのはやはり椎橋先生による神作画!

迫力のあるタッチと、怪異モノであるストーリーとの相性も抜群の、ややおどろおどろしさを感じさせる怪しげな雰囲気。

そんな椎橋先生ならではの美しい和風作画は、話題作『ぬらりひょんの孫』でも存分に堪能していた方もきっと多いことでしょう。

ホラーテイストの妖怪のみならず、耽美的でどこか退廃的な雰囲気を漂わせる美しい少年キャラクターにも、先生の絵柄の魅力が大いに発揮されています。

独自の能力、そしてそれに由来する過酷な生い立ち。岩元先輩の力を借りつつ、その過去を乗り越え自分の居場所を掴み取ろうとする彼ら。

そんなキャラクターたちへ深い愛を持つファンが、きっとこれから続々と増えていくのではないか。今後大きなムーブメントも予感させるような、魅力的な作品ですね。

執筆: ネゴト / 曽我美なつめ

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