連続企画・あの人の推しマンガ 第1回~IT業界・スタートアップ業界編~
あの人はどんなマンガを読んでいるのか?って気になったこと、誰にでもあると思います。
電車の中で隣に座った大学生が一心不乱に読みふけっているのは「何だろう?」
クラスでいつも輪の中心にいる一番の人気者がオススメしてるマンガって「何だろう?」
心を開いてほしい憧れの人が休み時間になると読んでいるあの本は「何だろう?」
人の興味を覗きたい、そんな知的好奇心を満たす。それが『あの人の推しマンガ』です。
様々な業界の著名人にアンケートを取って推しマンガを伺う本企画、第1回は、IT業界・スタートアップ業界の若き巨人の皆さんに教えて貰いました!
あなたの『推しマンガ』、教えて下さい!
アル株式会社代表取締役社長 古川健介
▼プロフィール
アル株式会社代表取締役。
学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。
新規事業担当を経て、2009年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社nanapi)を創業。2014年にKDDIグループにジョインし、Supership株式会社取締役に就任。2018年から現職。
会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。
普段読む雑誌 、好きなジャンルなど
ジャンプ、スペリオールなど。異世界転生ものなども好きです。
推しマンガ
スタートアップ業界のことについてとても詳しく説明されており、かつ漫画としてのスピード感や爽快感があり、めちゃくちゃおもしろいです。画も素晴らしい。
邦画をいじりたおす異色の漫画。主役の二人の関係性もおもしろいし、ギャグ漫画としても最高峰クラスにおもしろいです。映画の魅力をここまで言語化する作者さんの研ぎ澄まされた感性がすごい・・・。
ハードボイルドな殺し屋と小学生の女の子の身体が入れ替わるというものですが、ギャグ漫画としても、爽快感のある漫画としてもすごく良いです!最近のイチオシです。
ONE MEDIA / CEO 明石ガクト
▼プロフィール
2014年6月に新しい動画表現を追求するべくONE MEDIAを創業。
トヨタ自動車やソフトバンクなど、ナショナルクライアント向けにTikTok等のSNSプラットフォーム向け動画コンテンツを企画制作し、マーケティング活動を支援。最新の著書『動画大全』(SBクリエイティブ)は韓国・台湾でも出版決定。
YouTube Works Awards 2022 クリエイターコラボレーション部門代表審査員、TikTokクリエイティブアワード 2023 代表審査員を歴任。
普段読む雑誌 、好きなジャンルなど
アフタヌーン系、ジャンプ系、異世界転生、SF、剣戟アクション、ガンアクション、デスゲーム、頭脳バトル、お仕事モノ、登山マンガといったジャンルを読むことが多いです。
推しマンガ
前世で連続殺人者だった男が異世界に転生し、女神から他の転生者の「殺人」を依頼される話。このジャンルにおいて大体の場合、主人公には「チート級」に強いギフト(能力や環境)が与えられるのが定番だが、この作品において主人公には倒すべき相手の「情報」しか与えられない。無理ゲーにしか思えない状況をシリアルキラー的な思考で攻略していく様が、頭脳バトルモノやデスゲーム的な要素を持っていて一粒で三度美味しい作品。
殺し屋と女子小学生の身体が入れ替わってしまう、使い古された設定をあえて面白くしていく大武ワールドの真髄を感じる作品。ハードボイルドな殺し屋の中身は少女漫画が大好きな女子小学生で、その女子小学生が持ち前の頭脳でフィリップ・マーロウ顔負けのハードボイルドな台詞を吐いているという構造が面白すぎる。作者の過去作『ヒナまつり』と同じユニヴァースであることも示唆されており、これからの展開から目が離せない。
異世界に定期的に召喚され、その都度問題を解決していくストーリー。物語が進行するにつれ異世界を悩ませる問題のベースが、現実社会における様々なこと(ブラック企業、麻薬戦争、宗教対立)とリンクし始め、いわゆる「ゆる教養」としてもオススメできる秀逸な作品。
株式会社バルクオム代表取締役CEO 野口卓也
▼プロフィール
1989年生まれ。
10年以上のebookjapanユーザーで、蔵書数は11,500冊(ほぼマンガ)。
普段読む雑誌 、好きなジャンルなど
週刊少年ジャンプ、週刊ヤングマガジン、週刊ヤングジャンプ、スペリオール / 毎日ebookjapanの新作とランキングを確認し、少年・青年向けの作品はできるだけ読むようにしています。
推しマンガ
日本のメジャーカルチャーとなった「お笑い」をテーマに、若者のまっすぐな成長・青春譚を太く貫いている。個性あるキャラクターたちで収拾がつかなさそうなところだが、お笑いの「技術」を言語化できていることが確かなリアリティを与えている。
「間取り図」を媒介として謎を解き明かす、ありそうでなかった新感覚ミステリ。ちょっとした違和感がありそうだと思いながらも読み進めていくと、想像を上回ってくる闇と真実。ページをめくる手が止まらない!原作の持つすさまじいパワーを見事にマンガで表現してくれた傑作になることが約束されている作品。
現代的な都会の生活でも、のんびりとした平和な田舎でもない生き方がある。北海道で狩猟をして暮らすクマ撃ちのチアキ。普段は行き過ぎなくらいの天然であるが、山に入り、とくにクマを追いかけるときのチアキは殺される覚悟を持ちながら因縁のあるヒグマを追い続けている。新たな視点で死生観を見直せる、令和のマタギの物語。
キャラアート株式会社代表取締役会長 保手濱 彰人
▼プロフィール
悟りを開くために日々頑張っている人。
仏道と経営の融合を目指しています。
弘法寺「仏道学院」五期生。
活字が大の苦手なため教科書が読めず、高校時代は学年最下位の成績ながら、漫画を読むだけで成績がアップする方法を編み出し、東京大学理科1類に現役合格。今も月100冊は漫画本を読んで精進中。
現在は日本の漫画やアニメの素晴らしさを世界に広げるべく、キャラアート株式会社を経営。
新刊『武器としての漫画思考』を2023年12月に発刊!
普段読む雑誌 、好きなジャンルなど
漫画をコミックスで読む派なので日常で読む雑誌があまりなく…敢えていうなら、モーニングなどの社会派の漫画が多く載っている雑誌が好きです。
推しマンガ
夢を追うことの熱さとそれによる人間的成長を描いた、いま一番激アツの青春漫画。思い悩みながら前を向いていく子供たちや大人の心的描写が素晴らしいだけでなく、とにかくリング上での実際のアイススケートの迫力ある描写が素晴らしい。毎巻ごとにクライマックスを迎える作りになっており、胸が痺れ続けるその展開に目が離せません。そして何より、心温かな人々の交流をベースとして、世の中に希望が持てるハートフルな内容になっています!
作者さんの豊かな人間味に想像の及ぶ作品です。
いま一番熱いと言っても過言ではない文筆漫画。大手企業に勤めながらも心が死んでいった主人公が、本来の自分を取り戻し「相当に異常な」自身の文豪としての才能を発揮していくというストーリー。
文学界は甘くない。昔と違って娯楽が溢れる現代に、どのように目に留まってもらえるようにするのか。それにはこれぐらいの「狂気」と突き抜けるぐらいの没頭が必要。
良識を求めるパートナーの女性と、決して世の中的には良しとされない主人公のこだわりの対比が分かりやすく、「それでも」自分の生き方を肯定してくれる視点を描いている。良識に縛られた現代人の心を解放してくれる物語である。
“「常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションである」アルベルト・アインシュタイン”
ギャグ漫画は簡単ではない。全体のストーリーとキャラクターの動きで魅せれば良い通常作品と違い、漫才のように1話1話で多くの山と谷、ツッコミどころを用意し続けないとならないからだ。
人の笑いのメカニズムとは「心理的安全性に立脚した意外性」にあり、時代によって大きく変遷するため、今の時代の空気感を如実にキャッチし続ける必要もあることが更にハードルを高めている。
そんな中で「サチ録」は、今もっとも成功しているハートフルコメディと言うことができる。
子供の行動を天使と悪魔が加点と減点で評価するという設定が、リアルタイムに多角的視点を与え、ギャグ漫画の必須要件を必然的に満たしている。更に一人一人が「キャラ立ち」してあまりに魅力的。
長く続いて欲しい作品である。
編集協力=ネゴト