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『あの夏とボクらの初恋』さみしさを抱えたふたりが紡ぐ清々しいほどにまっすぐな青春BL

あの夏とボクらの初恋』は高校生ふたりの恋が爽やかに描かれるボーイズラブ(BL)作品です。

さみしさを抱えるふたりが出会い、笑顔を取り戻していく姿が印象的な本作。BLに馴染みがない方にもおすすめしたい作品です。

あの夏とボクらの初恋 原作:ツカモトマユミ 作画:サクラジャム

この記事では、ebookjapanのオリジナルBLレーベル「BLfranc」で連載中の『あの夏とボクらの初恋』の魅力をお伝えします!

梅雨空の下で出会ったキミとボク

明るく頼れる高梨時生(たかなし ときお)は、とある田舎の高校生。たったひとりで飼育部を守る頑張り屋さんです。

ある雨の日、時生は見知らぬ学生と雨宿りをすることに。目と目があったその瞬間、どこかさみしそうな彼の瞳から目が離せなくなっていました。

その「雨宿りのキミ」の名は、如月雨音(きさらぎ あまね)。時生のクラスにやって来た季節はずれの転校生です。

音楽家の両親の元、高校生ピアニストとして活躍していた雨音。芸術に長けたエリート校からやってきたと噂のニューフェイスに、クラスメイトは興味津々。しかし雨音は初日から何故だかつれない態度です。

誰も、何も決めつけない時生の優しさ

有名人のそっけない態度に、転校を揶揄するクラスメイト。陰口を叩く彼らに向けた時生の言葉が印象的です。

「鳥やって空飛ぶのに木に止まって休むやん?それが如月の今かもしれんし」

そっと相手に寄り添う言葉。その人の気持ちはその人のもので、見えてるものだけが全てじゃないと教えてくれるようなシーンに読み手まで救われるようです。

偶然聞いていた雨音もまんざらではないようで。これをきっかけにふたりは近づき始めます。

キミがくれる初めてが嬉しくて

寮の部屋が隣同士で縁がつづく時生と雨音。さらに、時生は飼育部に雨音を誘います。これまで、音楽以外を許されなかった雨音の窮屈な生活は、時生のお節介によって彩られていきます。

飼育部の動物たちと触れ合ったり、寮では一緒に料理をしたり。田舎に越してからというもの、雨音にとって初めてのことばかりです。のんびりとした時間を過ごしているうちに、 固かった彼の表情がだんだんとほぐれていきます。

時生を介してクラスメイトとも打ち解けられた雨音。それを見ていた時生の中にむくむくとわく嫉妬心。このとき彼は、雨音への恋心に気づきます。

素直になれない時生の事情

普段から明るく見える時生も、胸に閉じ込めているものがあります。それは、再婚した両親への本音です。

ふたりの幸せを願いながらも、どこか疎外感を感じる時生。人を思いやる彼の言葉はこういった経験からくるものなのですね。

だからこそ、似たような感情をもつ雨音から目が離せなくなります。何だってしてあげたいし、それを素直に喜ぶ顔に惹かれたんですね。

少しずつさみしさを吐き出す雨音と、その明るさとは裏腹にまだまだ内に秘めている時生。その心を解すには雨音との関係が鍵となるはず。その辺りが今後の見どころとなりそうです! 

キミとボクのこれから

梅雨空のようにモヤモヤとした時生と雨音の胸の内。いつの日か真夏の向日葵のようにキラキラと輝きますようにと願わずにはいられません。清々しいほどに真っ直ぐなふたりの心にふれたらきっとあなたも癒されちゃいますよ!

執筆: ネゴト / みっちー

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