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『ローズ ローズィ ローズフル バッド』主人公は冴えない40歳の漫画家!? じわじわと魅力味わう大人のゆるキュン漫画

漫画家40周年を迎えてもなお、読者をドキドキワクワクさせてくれる作品を生み出すいくえみ綾先生の『ローズ ローズィ ローズフル バッド』は、少女漫画を書く夢を持ち続ける40歳の漫画家、神原正子(かんばらしょうこ)が主人公。コミカルなキャラクターで人気を博した「ファブ郎」を書くこと十数年、本当は少女漫画が書きたいけれど、胸キュンが足りていない現実を生きる正子の仕事と恋のお話です。

ローズ ローズィ ローズフル バッド 著者:いくえみ綾

冴えない40歳の主人公正子の魅力は!?

1巻の表紙には眉間にしわが寄った主人公の正子。物語のはじまりもすっかり落ち着いてしまった生活を送る正子からはキラキラとした主人公感はありません。少女漫画が書きたいはずの主人公だし、そもそも少女漫画のはずだけど、大丈夫?と不安になる読者を尻目に、マイペースな正子の物語は進んでいきます。

恋愛が始まりそうな場面でも気がつかない。自分のキュンにも気がつかない。恋の話より高級寿司で頭がいっぱいで、引っ詰め髪のせいで前髪が降りてこなくなっても、正子は拗ねたり卑屈になったりはしません。

不器用で鈍感だけど、素直で自分に正直。かっこいい40代とはちょっと違うけど、自然体で無理せず生きている正子がどんどん可愛らしく見えてきて、昔からの大好きな友人のような気持ちに。

不思議な正子の魅力は読者だけではなく、いろんな人に伝わっていきます。

安定? それとも動くとき?悩めるアラフォーはどうする!?

「神原さんは落ち着いちゃってるんだよね」

編集長にそう言われてしまう正子。十数年描き続けている「ファブ郎」との日々は刺激とは程遠い落ち着いた日々です。

「足りないのは現実だ」

恋愛漫画のネームを見た担当の堂垣(どうがき)にそう指摘され、ほふぇ?となってしまう正子。

そんな正子の現実も少しずつ変わっていきます。ドラマ制作会社の鷹野怜(たかのりょう)と息子の廉(れん)親子との出会いと交流で、正子が憧れの少女漫画の舞台に立つお膳立てが整います。

安定した落ち着いた日々も悪くない。でも恋愛漫画を書きたい正子は行動すべき!?

悩めるアラフォー正子はついに動くのか!動かないのか!

やっぱり仕事が好き!

この漫画には正子以外にも働く大人の女性たちが登場します。
正子の漫画家仲間で友人でもある加奈山茅絵(かなやまかやえ)、鷹野の元妻である蘭子(らんこ)。彼女たちはみな働く女性で、仕事が大好きという共通点があります。

とあるきっかけでついに恋愛漫画のネームが進みます。久しぶりに漫画を書くことに没頭する日々に、「あぁやっぱり漫画を書くのが好き」だと自覚する正子。

いくつになっても好きだと思える仕事ができることは幸せです。
アナログ故に手が痛くても書き続ける正子の姿に勇気づけられます!

正子の仕事と恋の行方は?

読者の方がじれったくなる正子と鷹野(父)の2人ですが、大人の恋愛は焦らなくてもいいのかもしれません。漫画を書くことに集中するあまり未読スルーをするし、恋愛スキル0の勲章をもらうほどマイペースな正子と、仕事をバリバリこなすイケメン鷹野(父)がどうなっていくのか、今後の展開が気になります!

一方仕事では、心の中に持っている「物語」を漫画へと引き出すことができた正子は、夢だった恋愛漫画を書き始めます。

不器用で仕事と恋愛の両立が難しい正子。今後の仕事と恋の行方がとても気になる本作。

正子がどんな生き方を選んでいくのか、一緒に見届けませんか。

執筆: ネゴト / Ato Hiromi

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