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『夜明けの唄』治癒の力を持つ従者と短命で無愛想な戦巫子 宿命と恋が絡み合う骨太BLロマンス開幕!

ユノイチカ先生の『夜明けの唄』は、命を削りながら島を守る戦巫子と、その人を助けたい男の子の物語です。商業BL作品としては初コミックスとなるユノイチカ先生が、満を持して紡ぎ始めたBL作品の新境地ともいえる作品!美しく眼福な描写に目を奪われ、シリアスで奥行きのある設定に引き込まれ、時々垣間見えるコミカルなシーンに癒やされる…そんな作品となっています。

夜明けの唄【単行本版(電子限定描き下ろし付)】 著者:ユノイチカ

あらすじ

黒い海からくる化け物と闘うたび、命が蝕まれてゆく戦巫子のエルヴァ。それを知った少年アルトは憤り、エルヴァが救われる術を探しながら、そばにいることを誓います。

アルトがエルヴァの元で過ごすようになって8年──。アルトは精悍な青年へと成長します。ともに過ごす日々で降りつもった恋心を、そっと胸にしまったまま…。一方、数年の命と思われたエルヴァは、何故かアルトと過ごすうちに回復の兆しをみせ、他の巫子たちが命を落とす中、生き長らえ幼い少年の姿のまま26歳を迎えたのでした。

避けられない運命と謎に振り回される骨太のファンタジー

化け物が棲まい島民を島に縛り付ける「黒い海」、幼少期に突如髪の色が白く変わり、島の守り神としての任に就く「戦巫子たち」の存在、エルヴァたち戦巫子を育てる謎だらけの「修道院」、そしてなぜか黒い海の穢れが平気で癒やしの力を持つ「アルト」。

奥行きのあるファンタジックで複雑な設定と世界観ですが、詰め込みすぎず少しずつ積み上げられていく巧みなストーリー展開で、するりと彼らの世界に入り込むことができるから不思議です。

愛おしさが溢れる、恋愛偏差値の低い2人が織りなす切ないラブストーリー

幼い頃から巫子として生きることしか選択肢がなく、海辺の小さな小屋に一人住み、島民からも不気味がられ、避けられて一人で生活してきたエルヴァ。そして、エルヴァと出会う前に母を亡くし、伯母の家にたった一人で引き取られたアルト。

不遇な境遇も相まって、人並みの恋愛をしてこなかった不器用さを絵に描いたような2人の心の距離は、お互いを誰よりも大事にしているのに、本人にはうまく伝えられない…。端から見ていると焦れったく感じるかもしれません。

初恋の甘酸っぱさを思い起こさせるピュアでゆったりしつつも、確実に進んでいく2人の関係。BL色は控えめなので、過激な展開が苦手な方にぜひおすすめしたい作品です。

執筆: ネゴト / そふえ

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