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【推しマンガ】海外映画が好きな人にオススメ! 魔法ファンタジー×ガン・アクションの最強タッグ

海外映画の影響もあって、ガン・アクションはマンガの人気テーマの一つ。『ブレット・ザ・ウィザード』は、『GUN SMITH CATS』で本格ガン・アクションを手掛けた園田健一による作品です。

舞台は1960年代のアメリカ。ギャングのカジノに単身乗り込み、荒稼ぎをする男がいました。主人公の名前は、ブレット・ザ・ウィザード。かつて、一世を風靡したマジシャンですが、ある事件を契機に本物の魔法を使う“魔法使い”になったのです。

さぁさ皆さんお立ち会い、マジックショーの始まりです。魔法の銃で戦うアクションマンガ、拍手喝采でお迎えください!

ブレット・ザ・ウィザード 著者:園田健一

作者の魅力が凝縮したアクションマンガ

園田健一はマンガの作品の他に、キャラクター設定の仕事でも知られています。かわいい美少女キャラクターの作画を得意とし、1980~90年代にかけて、『ガルフォース』、『バブルガムクライシス』といったアニメ作品を手掛けています。

『ブレット・ザ・ウィザード』には、主人公の相棒役として謎の美少女・ティティアリスが登場。不思議な能力を発揮して、物語を盛り上げます。ガン・アクションに名車、そして美少女……と、園田健一の十八番(おはこ)がそろい踏みしたのが本作なのです。

1960年代、アメリカの黄金時代。街には、テールフィンが付いた派手な車があふれていました。それは、アメリカの豊かさとパワーの象徴……。しかし、辺りを照らす光が強ければ強いほど、そこにできる影は濃いものになっていきます。

この時代、裏社会では数々のギャング・グループが台頭。悪事を働いて、我が物顔でのさばっていました。中でもジム・リーランドの一家は、非合法な闇カジノを運営して大金を荒稼ぎしていたのです。

そんな彼らに、魔法銃で戦いを挑む男が現れます。男の名は、ブレット・ザ・ウィザード。その相棒であるティティアリスは、彼が魔法の指環で契約した妖精の少女です。ブレットは、ティティアリスの千里眼でカードを透視。いかさまポーカーをして、リーランドのカジノを荒らします。

魔法の銃のルーツとは……!?

ポーカーで連勝するブレット・ザ・ウィザード。やがて彼は、カジノのオーナーであるジム・リーランドに“サシの勝負”を願い出ます。

VIPルームに通されたブレットは、宿敵リーランドと対面。ブレットの姿を見たことのあるギャングが、彼の正体を暴きます。ブレットは、かつてエンターテインメントの世界で一世を風靡した“スター・マジシャン”だったのです。

ブレットは、隠し持っていたスミス&ウェッソンM10の銃口を、リーランドの顔に向けます。38口径、6連発のリボルバー(回転式拳銃)。リーランドは、その装弾数より多い数の“手下”が控えている……とブレットを脅します。

しかしブレットのM10は、ただの拳銃ではありません。銃身の溝に呪文が刻み込まれた魔法銃だったのです。

リーランドも、ブレットと同じく魔法銃の使い手でした。新しい魔法銃を手に入れるため、ティティアリスを人質に取ってブレットを脅迫。彼の銃身に魔法を刻み込んだ、職人の名を明かすよう迫ります。

ブレットの隠しダマとは!?

ティティアリス絶体絶命のピンチに、ブレットは腰のモノを引き抜きます。それに反撃しようと、リーランドはブレットから奪ったM10を撃ち放ちますが、放たれたのは通常の弾丸ではありませんでした。

この魔法銃の銃身に刻まれていたのは、発射された弾丸が「動く人間に反応して飛ぶ」ように命ずる呪文だったのです。

ブレットの腰のモノが拳銃だと誤解し、瞬時に3発を撃ったリーランド。放たれた3発の魔法弾は、動く標的を探して空中をさまよいます。

「お前らは 動いた瞬間に穴があくぜ」。ブレットの言葉に対抗して、リーランドの部下が拳銃を引き抜きます。しかしその瞬間、動作に反応した魔法弾が彼の頭を撃ち抜きました。

リーランドとその部下は、身動きできず硬直してしまいます。その隙を突いて、ブレットはリーランドの手から自らの拳銃を奪還。さらに、リーランドがコレクションしていた魔法銃、スミス&ウェッソン ニューモデル3を奪い取ります。

ブレットがカジノ荒らしをしていた目的は、リーランドが持つ魔法銃の入手ルートを探ることにあったのです。しかしリーランドも、魔法銃を奪われて黙っているわけがありません。

銃の種類によって、魔法のギミックを設定

「動け!」。リーランドの命令とともに二人の部下が駆け出して、残っていた魔法弾に撃ち抜かれました。魔法弾が撃ち尽くされたことで、リーランドは反撃を開始します。

部下の男たちは、どうしてリーランドに捨て身の忠義を尽くしたのでしょうか。ドラマの展開にともない、彼が持つ魔法銃の秘密が明かされていきます。

著者の園田健一は、銃の造詣が深いことで知られています。本作では、世界の名銃が続々と登場して、新たな魔法の効力を見せてくれます。このギミックが、ドラマにスリリングな展開をもたらすのです。海外映画さながらのハードアクションと、魔法ファンタジーの掛け合わせ。ぜひお楽しみください。

執筆:メモリーバンク / 柿原麻美

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