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冒険を求めるあなたにピッタリ! 蒼穹を駆ける、女流飛行士、マリア・マンテガッツアの物語!!

1903年、ライト兄弟が世界初の動力飛行に成功。航空機は、「鳥のように自由に空を飛びたい」という人類積年の夢を叶えました。それから120年――。航空機は、いくつもの困難や悲劇、感動のドラマとともに発展してきました。

『女流飛行士マリア・マンテガッツァの冒険』は、航空機マンガの巨匠・滝沢聖峰が描く女性パイロットの物語。航空機黎明期の歴史を、極上の大人のドラマに仕立てています。

女性パイロットのマリアは、ヨーロッパからアフリカ、中東まで、自由に飛んでいきます。マリアの飛行機に乗るのは、ちょっとワケありのお客さんばかりで……!? ドキドキ・ハラハラの航空機アクションの世界へご案内します!

女流飛行士マリア・マンテガッツァの冒険 著者:滝沢聖峰

マリアは、どんな「積み荷」も運びます!

第一次世界大戦は、航空機のめざましい進歩と同時に、女性の社会進出をもたらしました。出征した兵士に代わって、それまで男性の領域とされていた仕事に、女性が足を踏み入れるようになったのです。

新時代の空を駆ける女性パイロット、その名はマリア・マンテガッツァ。舞台となるのは、20世紀初頭。欧米列強が世界を分割し、その利権をめぐって駆け引きを繰り広げていた時代です。第一次世界大戦が終わっても、各国は世界を股にかけたスパイ活動を続けていました。

イタリアにあるガリレイ航空サービスに勤務するマリア。彼女は郵便航空会社に所属しているのにもかかわらず、郵便物の配達はほとんど引き受けません。代わりに社長のガリレイから頼まれるのは、いつもワケありの「積み荷」の配達ばかり。

ある日、「東洋の星」という荷物の運搬を頼まれたマリア。依頼人の指示どおり、イランに向かいますが、そこにいたのは反革命派のロシア人貴族・アレクセイでした。マリアは、彼のイギリス亡命を助けることになりますが……。

赤毛のかわいいレッド・バロン!

第一次世界大戦の撃墜王、ドイツのマンフレート・フォン・リヒトホーフェン。乗機を鮮紅色に塗装していたことから、「レッド・バロン(赤い男爵)」の異名で知られています。

第一次大戦の記録が映画化されることになり、マリアは飛行スタントに参加することになりました。集められたのは、苛烈な西部戦線の空を彩った戦闘機たち。その中に、レッド・バロンの乗機となったフォッカーDr.Iを見つけてマリアは大興奮です!

赤く輝く三葉機(三枚翼の航空機)――。そのスタントを任されたのは、元英国陸軍航空隊のクレイトン大尉です。彼は大戦中の思い出として、レッド・バロンとの格闘戦を語りますが、それが嘘だったことがバレてしまいます。

「負傷のため、戦争に間に合わなかった」と語るクレイトン。クレイトンに「真の格闘戦」を体験させるため、マリアはフォッカーDr.Iに乗り込んで、空戦の相手を務めます。大戦中のマリアは、撃墜王の愛称になぞらえて「赤毛の男爵」と呼ばれた凄腕パイロットだったのです。

父を探して、空を飛び続けるマリア

マリアの愛機は、複葉単発機のデハビランドDH-9a(途中から変更)。その垂直尾翼には、父の搭乗機にマーキングされていたのと同じ「ハートマーク」が描かれています。マリアにとって父親は、初めて空を飛ぶ楽しさを教えてくれた人でありました。

マリアは、いつも「同じところを飛んでもつまらない」と郵便飛行の仕事を断っています。しかし彼女が空を飛ぶ真の目的は、英国情報部の諜報員で任務中に消息を絶った父親を探すことでした。

同じルートを規則正しく飛ぶ郵便定期便――それでは父親の探索にはなりません。マリアは危険を承知で、ワケありのフライトを引き受けていたのです。父親との思い出を胸に、マリアは今日も大空へ飛び立ちます。

女性パイロットが活躍した航空黎明期

航空黎明期には、たくさんの女性の女性パイロットが活躍していました。女性初のドーバー海峡単独横断飛行を成し遂げたハリエット・クインビー。リンドバーグに続いて、女性初めての大西洋単独横断飛行に成功したアメリア・イアハートなど……。

滝沢聖峰は、「マリアも彼女たちに負けないくらい活躍してほしいものです」とコミックスのあとがきに記しています。男顔負けの心意気で、命がけの飛行を続けるマリア。その後部座席に乗って、あなたも空の冒険に出かけてみませんか。

執筆:メモリーバンク / 柿原麻美

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