不良×お嬢様の青春恋愛物語! 『薫る花は凛と咲く』偏見を乗り越え距離を縮める二人をきっと応援したくなる
とある女の子が気になる男の子と出会い、徐々に関係を縮めていく…。胸キュン要素満載の王道な恋愛漫画もいいですが、「たまにはひと味違う恋愛漫画が読みたい!」と思う方もいるはず。
そんな人に今オススメなのがこちら、三香見サカ先生による「薫る花は凛と咲く」! 先生初の連載作である本作の主人公は、明るく芯の強い女子高生・薫子に惹かれていく男子高校生・凛太郎です。
名門お嬢様女子校に通う薫子と、いわゆる底辺男子校に通う凛太郎。住む世界のまったく違う二人が、少しずつ距離を縮めていく様子は初々しさ&微笑ましさ満載!
読み進めるうちに彼らの恋路を応援するだけでなく、登場人物の彼らがどんどん好きになる。そんな爽やかさと優しさに満ち溢れた、心温まる青春漫画ともなっています。
笑顔に惹かれる彼女は住む世界の違う人だった…
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
主人公の紬凛太郎は、底辺男子校・千鳥高校の2年生。体格の良さや目つきの悪さ、そして金髪の外見から、他人に怖がられ因縁をつけられるのも日常茶飯事という男の子です。ですが彼自身の本当の性格は、非常に温厚で優しく寡黙。しかし同時に自分が見た目によって他人から誤解されることを諦めているような、大人びた一面もある高校生でした。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
ある日いつものように、実家のケーキ屋さんで母親に店番を頼まれた凛太郎。その際ひょんなことから、店に常連として通う女の子・和栗薫子と知り合います。図体も大きく人から畏怖されがちな自分を見た目で判断せず、まっすぐに向き合い笑顔を見せてくれる。そんな薫子に対し、凛太郎も次第に好印象を抱いていくのです。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
ある日気まぐれに朝早く登校した凛太郎は、ふと窓から見える隣の校舎に目を向けました。彼が通う千鳥高校の隣にあるのは、名門お嬢様女子高と名高い桔梗高校。
住む世界の違う男女が通う、両高校の関係性は最悪。犬猿の仲というよりは、桔梗高校が一方的に千鳥高校を見下しているような状況です。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
誰もいない教室でぼんやり薫子のことを考えていると、凛太郎の視界の隅で、普段は一部の隙もなく締め切られている桔梗高校のカーテンがちらりと動きました。それについ興味を惹かれて凛太郎が目をやると、窓の向こうにあったのは薫子の姿。彼女はなんと自分たちが敬遠する、桔梗高校の同級生だったのです。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
互いに敬遠し合う高校に通う事が発覚した二人。それでも薫子は変わらず凛太郎へと朗らかに接し続け、彼女のひたむきで素直な一面に、凛太郎もまた少しずつ惹かれていきます。
交流を深める中で、次第にそれぞれの学校の友人をも巻き込む関係性となっていく二人。本来ならば相容れるはずのない存在である凛太郎と薫子。互いの学校への偏見がある中で、彼らはどのように距離を縮めていくのでしょうか。
互いを誠実に思いやる二人…優しさに溢れた彼らの恋路&友情を見守りたい!
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
本作の一番の見どころは、やはり薫子への恋心に揺れていく凛太郎の変化です!
たくさん美味しそうに食べる姿が微笑ましい。楽しそうに笑う顔が見たい。偶然会えると嬉しくなる。彼女の一言一言で、自分の沈んだ気持ちが晴れていく。
未だ「誰かを好きになる」という感情を知らなかった凛太郎が、ちいさな心情の変化を丁寧に積み重ね、薫子への想いに少しずつ気づいていく。読んでいるこちらも胸が温かくなるような姿に、気づけば彼の事をきっと応援したくなるはず。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 1巻より
同時に、素直で心根の優しい薫子が凛太郎に惹かれるのもまた、彼がとても優しく誠実な人柄であるからでしょう。
二人がお互いのみならず、周囲を取り巻く友人たちをも大事に想う気持ちが伝わってくる各エピソードも必見。優しい人を取り巻く人たちもまた、優しい人であると実感するような。とてもみずみずしく微笑ましい青春を送る彼らを、ずっと見守りたくなってしまいますね。
『薫る花は凛と咲く』©三香見サカ/講談社 2巻より
紆余曲折を経て晴れて恋人となった二人ですが、両者が通う学校同士の溝はなかなか埋まらないまま。様々な偏見とも戦いながら、それでも彼らは着実に、自分たちを応援してくれる仲間を増やしていきます。
高校生として充実した日々を過ごす二人には、学生ならではのイベントもたくさん!今しかない青春を楽しむ彼らの姿に、あなたも元気をもらってみてはいかが。