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『霧尾ファンクラブ』友と共に推しを推せるこの幸せ

誰しも人生で1度は理由もなく好意を抱いてしまう憧れの存在、いわゆる「推し」を心に抱いたことがあるのではないでしょうか。推しの幸せが自分の幸せ。推しと同じ空間で吸える空気こそ至高。そう信じて愛を注いだあの日々こそが宝物。

そんな推しへの愛情が痛い程に伝わってくる作品が、地球のお魚ぽんちゃん先生による女子高生2人の青春グラフィティ『霧尾ファンクラブ』です。

霧尾ファンクラブ1巻
霧尾ファンクラブ 地球のお魚ぽんちゃん(著)

正反対な2人の共通点

クールな見た目でドライな印象の三好藍美(みよしあいみ)と、穏やかでコミュニケーション力が高くクラスでも愛されタイプの染谷波(そめたになみ)。クラスメートであるという以外には特段、何の接点もなさそうな2人。

そんな2人にはある共通点があったのです。それは「クラスメートの霧尾くんのことが好き」ということ。そう、2人には想いを同じくする「推し」が存在するのです。霧尾くんのことを思うがあまり、頻繁に脳が誤作動を起こしているかのような言動もしばしば。愛は盲目というやつでしょうか。

推しの為ならどこまでも

一見、恋敵ともなりえそうな2人ですが、霧尾くんの熱狂的ファンと化した藍美と波は霧尾くんの推しポイントについて常に熱き議論をぶつけ合います。その関係性はもはやライバルというよりも「同志」という言葉がしっくりきます。2人の掛け合いは時に微笑ましく、そして概ね気持ち悪いのです。

本作を読み進めていく中で私達は悟ることでしょう。コレはあの頃の自分なのだ、と。そしてまだ推しと呼べる存在に出会えていない方にとっては、「いつかアナタもこうなりますよ」という予言の書ともいえるでしょう。

イタいくらいに推しが好き

霧尾くんへのほとばしるLOVEを惜しみなくさらけ出す藍美と波。そこには眼の前のライバルに負けじと覚悟を持って推しへの愛を吐露する姿が垣間見られます。

それはまさに「推し」という神にも近しい存在への忠誠を誓った瞬間です。推しに魂を捧げることこそ自分が産まれた意味であり為すべき天命であり存在証明なのです。

剥き出しのライバル心こそ愛

人を好きになることは、時に苦しさをも伴います。その苦しみを分かち合い、ときにぶつけ合える存在を友と呼ばずしてなんと呼びましょう。

推しへの愛は時空を超える。そんな2人の凸凹した友情を媒介に、夢中になって周りが見えなくなっていたあの時の自分を振り返ってみてください。きっと五臓六腑に染み渡る藍美と波の偏愛ぶりを楽しむことが出来ますよ。

執筆:ネゴト / もり氏

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