『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』芸能人と結婚する「一般女性」になりたい女子たちの闘いと失敗の記録
「プロ彼女」という言葉をネットで知った人も多いでしょう。彼女たちは、芸能人やスポーツ選手と付き合い、結婚する「一般女性」になるべく、日々熾烈な闘いを繰り広げているのです。
「プロ彼女」になるための条件とは? 『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』を読むとそれがそう簡単なものではないのがわかります。
有名一流大学のミスコンファイナリストの京香は、「シンデレラ」になるべく、芸能人と繋がれる場所をいつも探していました。ある日の合コンで、やたら男性陣(全員芸能人)のウケがいい地味ダサ女子・美織を見つけ、「子供っぽい」「地味すぎて全然わかんなかった」と軽くディスったのが京香の運の尽き。美織はとんでもない「プロ彼女」スキルの持ち主だったのです。
『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』
©︎hina・acca/コアミックス 3話より
狙った男を絶対に離さないため、美織は「プロ彼女」の流儀を駆使するのです。彼女がロックオンしているのは人気俳優・和沙。
『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』
©︎hina・acca/コアミックス 4話より
物理的な牽制だけでなく、感情を隠しながらもさりげない言葉で相手をグサリと刺すことも忘れません。
『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』
©︎hina・acca/コアミックス 4話より
美織がちょっと天然マウントをすれば、ライバルの女子は勝手にボロを出して堕ちてゆきます。清楚でいいところのお嬢様に見える彼女でしたが、実は貧乏な家庭で育っていて、結婚で一発逆転シンデレラ=成り上がりを狙っているのです。
そんな彼女が、実家が太い「生まれながらのヒロイン」に宣戦布告され、過去のトラウマをくすぐられたり、次々と先手を取られます。彼女は冷静に「プロ彼女」でいられるのでしょうか。
『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』
©︎hina・acca/コアミックス 5話より
整形して憧れのアイドルに近づく女、出演者と特別な関係になれたと勘違いしたドラマスタッフ、ラウンジで裏口就職しようと企む女子大生…本作に出てくるプロ彼女たちは、芸能人との結婚で、自分に欠けているステイタスを埋めたいという欲求が見え隠れします。彼女たちは、相手から時間やら金やらを奪ってばかり。
だからでしょうか。彼女たちのほとんどは、結婚までこぎ着けず失敗に終わります。その原因は、いくつも仕掛けられた「罠」にはまってしまった点。マウンティングしたくなる欲求や、ライバルや知人のリークの可能性などなど。派手に飾り立ててはいけないし、中身も決して調子に乗ってはいけない。要は「自我」を出してはいけないのです。
野心を隠し通せる女子のみがたどり着ける境地だといえますが、芸能人と結婚したい女子たちは、そもそも自己顕示欲にあふれたタイプばかりなので、そこをクリアするのはかなり難しいのではないでしょうか。だからこそ、結婚までこぎつけられたプロ彼女は、その忍耐力と精神力こそがまったく「一般」ではなく「プロ」レベルなのです。