『ルリドラゴン』ジャンプに突如として生まれたいやしのドラゴン
『ルリドラゴン』は、ほのぼのした高校生活のなかにちょっとだけドラゴンのスパイスをきかせた日常コメディマンガです。「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」第1位も獲得し、今、一番目が離せないマンガと言ってもよいでしょう。
唐突にはえたツノにかかわらず彼女の日常ははじまってゆく
ある朝、主人公の青木ルリが目覚めると頭に二本のツノが生えていました。慌てて母親に問いかけると、実は父親は龍だと告げられます。種族を超えた出生の秘密に動揺しながらも、今日もいつもと同じように彼女の学校生活が始まります。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第1話より)
最初はツノが生えただけだと思っていましたが、どうやら受け継いだドラゴンの性質はそれだけではなかった模様。少しずつ明らかになっていくドラゴンの能力がルリを悩ませます。しかしそんな急激な体質の変化は、むしろルリと、その周りの人々との関係性を少しずついい方向に変えていくのでした。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第1話より)
とにかくルリちゃんがカワイイ!
『ルリドラゴン』の最も推せるポイントは主人公、青木ルリがかわいいということに尽きます。
ツノが生え、出生の秘密を知らされても、とりあえずいつものように登校してしまう大胆さ。ドラゴン体質を実感するにつれて、だんだん学校に行きたくなくなる繊細さ。でも友達に迎えに来てもらったら、半泣きになりながらもやっぱり行ってみようと心変わりする切りかえの早さ。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第2話より)
目標に向かって突進する強い熱意のようなものに溢れているわけではなく、どちらかというと流されることも多いです。友達に対する愛情や、「スタバに行ってみたい」といった高校生らしいちっぽけな欲求も存在しています。そんな色んな感情のどれもが無理なく共存し、さまざまな表情となって描かれます。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第4話より)
ドラゴンと人間のハーフという目立つ資質を持ちながらも、どちらかというと「陰キャ」気質で、あまり肩ひじはらない普通の女の子。そんな主人公のころころ変わる表情のゆたかさが、作品全体を通じた心地よさに繋がっていると言ってよいでしょう。ぜひともルリちゃんの魅力を堪能していただきたいです。
ほぼ毎ページにわたる「口(くち)」に対する異常な愛情
『ルリドラゴン』で、主人公の青木ルリはやたらと口を開いています。笑っては口を開き、モノを食べては口を開き、驚いて口を開く。ほとんど開きっぱなしです。口こそがチャームポイントと言っても過言ではありません。あまりにかわいいので口を開いているコマを数えてみました。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第2話より)
扉絵も1コマと数えると単行本1巻の全コマ数は658コマ。そのうちルリちゃんが口を開いているコマは、なんと242コマもあります。もちろん背景や他のキャラが描かれているコマもある中で、主人公が口を開いているコマだけで半数にせまる勢いです。
それだけでも恐るべき愛の大きさですが、それだけにとどまりません。口が描かれているコマのうち八重歯だけであっても「歯」が描かれていることが確認できるものが95コマ。そのうち歯並びまできっちり確認できるものでも51コマもあります。
(『ルリドラゴン』©眞藤雅興/集英社 第1巻 第6話より)
これは全体の7.5%程度にあたり、ほぼ見開きにひとコマはルリちゃんの歯並びが確認できるレベルです。これだけ見せられて魅力を感じるなというほうが無理というものです。
ルリちゃんの日常は続いてゆく
『ルリドラゴン』のルリちゃんというゆるいヒロインの威力は絶大です。そこにはまるで森林浴をしているようなリラックス効果があります。慌ただしい日常にちょっとした癒しを求めている人はぜひ手に取っていただき、ルリちゃんのきれいな歯並びを確認してみてください!