『ひかえめに言っても、これは愛』ガリ勉JKとヤンキーの漢気溢れるガチ恋に胸キュン必至!
なぜかこの作品から漂うのは漢気…! ガリ勉JKと、喧嘩無双なヤンキー。どこにも漢気なんて感じられそうにない設定なのに、そこには確かにあるんです。
漢気、それは「男らしい性格や考え方」という意味。「男らしい」がジェンダーの観点から死語になりつつある今、男女問わずカッコイイって思える王道のヒーローここにあり!
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武士のようにかっけーリサと、恩義を忘れないヤンキー
「人生は自力」がモットーの高校生 天川理沙は、ひたすら計画的に勉強を進め、勉強以外はノイズと言い切りそうな一匹狼です。人に頼ることができず、いつもたくさんの荷物を持ち歩いています。有言実行のリサは誰にも頼ることなく、「しっかり者」を演じているうちに、そのまましっかり者になってしまった、他人とうまく関係を築けない不器用なタイプです。
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 1巻/第1話より
ある日、雨の日の公園で、傷だらけになって転がっているヤンキー・大平禅をたまたま助けたら、禅から恩返しがしたいとつきまとわれることに…! 最初は全く相手にしなかったリサが、どんなピンチな時にも駆けつけてくれ、自分への好意を隠さない禅に次第に惹かれていく青春ラブストーリーです。
漢気が溢れるリサと禅の協力関係の先には?
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 1巻/第1話より
「何があっても絶対助け合う味方が、この世界にいてくれるってすごくね?」
リサと禅の協力関係は、恋愛要素がカケラも無い一つの約束から始まりました。
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 1巻/第2話より
友情や愛情というよりはもっと硬質的で直接的な絶対の味方。あらゆる窮地を一緒にくぐり抜けてきた戦友が交わすような約束。このラブ要素なしの約束が、恋愛偏差値ゼロのリサには丁度よく、禅もそれを見透かしたようにリサのペースに合わせて距離を縮めていきます。
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 1巻/第2話より
禅の真っ直ぐな言葉と溢れんばかりの好意に、惹かれない女子がいるのでしょうか!?
どこまでもお堅いリサの塩対応に、笑いを誘われることも間違いなし!
リサの高校の友人も家族も出てこない。この人間関係の狭さが語るモノとは
リサの何でも自力だけでなんとかしようとするところや、頑なに他人を頼らない様子は、読む人にもどかしさと心苦しさを与えます。
リサの持つ「しっかり者でいたい、いなきゃいけない」という自分自身を縛る呪縛、「自分だけで生きていけるだけの強さを持たなきゃ!」という自身の中の奮闘。それは誰しもが抱えうることだからです。リサの人生はあなたの人生のすぐ隣にあるものなのです。
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 1巻/第2話より
心の中の奮戦や空転はいつしか「頼れない」が「頼らない」になってしまう。そうやって、素直に頼れず「人生は自力」「あなたはあなた。私は私の人生を生きる」を体現していたリサが、禅が仲間を家族のように大事にしている様子を目の当たりにして、禅が仲間のことで悲しむ姿は見たくないと、禅以外の他人との関わりにも変化が生まれ始めます。
それこそ孤軍奮闘、たった一人で優等生をしてきたリサからすると、禅が周囲から愛され、頼られる様子は物珍しかったに違いありません。一人を選んでからは、誰かと関わることを極力してこなかったリサ。自分の中から湧き上がる衝動に戸惑いつつも、初めて感じる熱を大切にしたいとそっとココロに刻むのです。
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『ひかえめに言っても、これは愛』©藤もも/講談社 2巻/第8話より
タイトル通り、ひかえめに言っても、「愛」以外は考えられないくらい、お互いを思い合う2人…。思いが重なってもまだまだ不器用なリサが、人生初の恋愛と自身の乙女心とどう向きあっていくのでしょうか。恋愛ベタだからこその思い切りの良さが飛び出すリサの言動から目が離せない、そんな作品となっています!
執筆:ネゴト / そふえ