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Twitter発からアニメ化の「尊い」ラブコメ 『先輩がうざい後輩の話』で大人だってニヤニヤしたい

――今日も「マンガ好き」のマスターの元に、迷えるお客がひとり。

お客:マスター、大人になっちまったオレでも楽しめる、「甘々なふたり」が出てきてこっちがニヤニヤできるマンガってない? 

マスター:――あるよ、あんたにピッタリのマンガ。

「何コレ最高じゃん」なシーンと関係性にビビッときちゃって、ついつい読んでしまう。

社会人のふたりの距離感が絶妙でニヤニヤしたくなっちゃうのが『先輩がうざい後輩の話』だ。

先輩がうざい後輩の話 著者:しろまんた

Twitter発からアニメ化の「尊い」ラブコメ

お客:へー、『先輩がうざい後輩の話』か。コレって人気なの?

マスター:――Twitterから始まって単行本、アニメ化もされたよ。

社会人のおっきくて熊みたいな先輩とちっちゃくて猫みたいな後輩のニヤニヤしちゃう物語が『先輩がうざい後輩の話』。

Twitterから始まったふたりの物語は話題を呼び、「次にくるマンガ大賞2018」でWebマンガ部門の第1位、「WEBマンガ総選挙2018」にて8位を獲得、2021年秋にアニメ化された人気作。

しろまんた先生が描く、可愛く愛嬌あるキャラクターたちのやり取りと関係性は、こちらがニヤニヤしてしまうし、クスリと笑ってしまうシーンもある。登場するそれぞれのキャラクターたちの組み合わせを楽しみつつも、見守りたくなり、ついついページを読み進めてしまう作品だ。

ツンツンしちゃうけどまんざらでもない

ちっちゃくて猫のようにツンツンしがちな後輩の双葉。おっきくて熊のような先輩の武田。双葉は、子ども扱いしてくる先輩をうざいと感じながらも、そのやさしさやたくましさにまんざらでもなかったりする。

そんなふたりを中心に、同僚で高嶺の花の桜井とゲーム好きの風間、双葉の友人でスポーティー褐色の夏美、桜井の弟で可愛い系の優人、掴みどころない不思議系のモナ、元ブラック企業勤めの奥寺、マッチョな双葉のおじいちゃんなど、個性豊かな人物たちが登場する。

それぞれの関係性や個性から、様々なことが巻き起こりながらも、双葉と武田のまわりはにぎやかに微笑ましく物語が展開していく。

ニヤニヤできる条件を考察してみる

お客:「甘々なふたり」とは言ったけど、イチャイチャを見ていると寂しくなるときあるじゃん…独り身としてはさぁ。そういうのだと読んでられなくなっちゃうんだけど。

マスター:――独り身のあんたでも、ニヤニヤできるよ。「尊い」ってやつだから。

作品の魅力を語る前に、ニヤニヤできる条件について考察してみたい。これは個人的な考えではあるが、ただ仲が良いカップルだからと言って、見ている側がニヤニヤできるわけではない。ぶっちゃけてしまえば、過剰なラブラブは寂しさや虚しさを感じさせ、嫉妬の感情すら呼び覚ますことがある。

彼女や彼氏がいない事を悲しくなってしまうようでは、没入感も得られないし、楽しい読書体験にはならない。何よりツラい、ツラみである。

読んでいる側がニヤニヤできる条件というものが存在しているはず。その条件は距離感と関係性ではないだろうか。

千差万別ある関係性や距離感、それぞれに対する我々の評価や感想を定義づけするのは少々むずかしいが考えていこう。

恋愛において、またはその前の段階で、もだえるようなキュンや尊さを感じるのはどこであろうか。それは彼女や彼氏になる前の、探りあいやせめぎ合いから発生するように思える。

探りあい、せめぎ合いとは、互いの関係値が確定していない「カップル未満」であるからこそくる、一歩近づくための攻防である。自分のことが好きなのか、それは恋人になれるほどのものなのか。そういった腹の探りあい、もしくは発展させたいと思うがゆえの、関係性をジャンプさせるアクション。

互いに意識しているが、素直にはなかなかなれない。そんなところから発生するギャップ、ほんのわずかなスキから生じる「正直な想い」の発露。

周りから見れば、早くくっついちゃえと思えるような関係。明らかに好き同士なのに踏み出せない、もどかしくも愛おしい距離感と関係性にこそニヤニヤできるのではないだろうか。

ふたりを応援したい。そんな感情が起こるものこそが、ニヤニヤできる条件なのかもしれない。

大人だってニヤニヤできる社会人ラブコメ

『先輩がうざい後輩の話』は、そんなニヤニヤできる条件を満たしてくれる。恋愛でありがちなストレスのかかる「すれ違い」はなく、クスリと笑ってしまう展開へと繋がっていく。ずっと見ていたくなる、「尊い」とすら感じさせる距離感と関係性、そんな「ふたり組」が登場することがこの作品の魅力なのだ。

お客:コレはいいよマスター!! おんなのこたちにもウケが良さそうだし、コレをきっかけに仲良くなれば、オレにも彼女ができちゃうかも〜。ぐへへ。

マスター:本当に「ぐへへ」なんて言う奴はじめて見たよ。その何でもモテに繋げようとするとこ…あんた、このマンガの土方みたいだな。

お客:イケメンってことか、褒めてもなにも出ねぇぜマスター。

マスター:すっごいポジティブ。

ニヤニヤ、時にキュンとしながら、ふたり組を応援したくなってもっと読んでいたくなる。おっきくて熊みたいな先輩とちっちゃくて猫みたいな後輩を中心に、にぎやかなキャラクターたちが登場する『先輩がうざい後輩の話』をぜひご覧ください。

―帰宅中の電車内―

お客:(ん、可愛い女性キャラの「ちょっと恥ずかしい」イラスト集もあるのか。買っといて後でこっそり部屋で見よう。)

「先輩がうざい後輩の話」のみせるのがはずかしいらくがき 著者:しろまんた

ちょっぴりセクシーな女性キャラの姿が収録された『「先輩がうざい後輩の話」のみせるのがはずかしいらくがき』も配信されています。気になっちゃうあなたは、ぜひ「こっそり」とチェックして見てください。

執筆: ネゴト / カリス魔王TK

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