趣味と生きる マンガから学ぶ人生のリズム【ゆるキャン△ & mono編】
趣味と生きる。趣味って実はとても大事なものだと思うんです。なんでかっていうと、毎日忙しい現代人の「人生のリズム」をととのえてくれるものだと思うからです。
趣味→日常→趣味→日常みたいに。なんだかリズムがついている感じがしませんか?
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
ところで趣味って、どんな風に見つけてどんな風に楽しめばいいのでしょう? そこで今回はあfろ先生が描く『ゆるキャン△』と『mono』からヒントをもらうことにしましょう。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
作品に登場する「4つの趣味の世界」から趣味の意味とその見つけかた、楽しみかたについて一緒に考えてみることにします。
アウトドアの世界
何気なく使われるアウトドアという言葉、なんだかハードなイメージがありませんか? アクティブに動いて、土まみれ泥まみれみたいな。
実はアウトドアを日本語にすると野外活動という意味です。『ゆるキャン△』のなでしこや千明、あおいちゃんたちが所属しているのも、野外活動サークルですよね。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
とすると、たき火やキャンプもアウトドアですし、外ごはんやピクニックなどもアウトドアなんですね。なんだか土汚れが付くようなハードなイメージでしたが、そんな事もないみたいです。
アウトドアの良さは「外」という事でしょう。家に部屋、建物は居心地の良い空間ではあります。私も自分の部屋や家に居るのが大好きです。怖いものもないし、必要なものは全て揃ってますからね。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
けれど、外にしかないものもあります。どこまでも広がる空の吸い込まれるような青、綿菓子のような白い雲、燃えるように赤い夕焼け、綺麗に瞬くお星様たち。吹き抜ける風は、エアコンにはない心地良さ。滝の音、川のせせらぎ、ざばーっと鳴る波の音、りーりーと鳴く虫たちの声。
似たようなものは部屋でも楽しめます。でも体の全身で、五感の全てと心の奥まで感じることができるのは、やっぱり「外」なんですよね。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
外に出るのはおっくうだし、天気が変わったり、なんだか思い通りにいかない事もあります。それでも、家の中じゃ感じられない体験がそこにはあって。癒されたり、勇気づけられたり、なんだか楽しかったなぁ〜って感じられるんです。
ちょっと「外」で空を見てみる、深呼吸してみる、お腹が空いたらご飯を食べてみる、そんなとこからはじめてみてもいいかもしれません。それだって立派なアウトドアなんです。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
撮影の世界
カメラで写真を撮る。最近はスマホのカメラで気軽に撮影できますよね。
思い出や記念に撮ることも多いですよね。『ゆるキャン△』のなでしこやリンちゃんもよく撮影していますね。きれいな景色、かわいいわんこ、色々と撮影していて、彼女たちの楽しさが伝わってくるようで微笑ましいです。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
では、撮影する理由は何なのでしょうか?
撮影して見せた方が手っ取り早い、そういうこともありますよね。言葉だけより撮影した画像や映像があった方が伝わりやすい、「百聞は一見にしかず」とも言いますし。
けど、それだけではないですよね。きれいなもの、素敵なもの、かわいいもの、そんな物をシェアしたい。今、自分が見ているものを知ってほしい。そんな気持ちもあるかもしれません。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
そう考えると撮影というのは、手軽にはじめられる「自己表現」かもしれません。今見ている景色を切り取る。流れ続ける時間の、一瞬の出来事や風景をそこに留める。
自分が見て感じた幸せをシェアする。そしてその中には、自分という視点がある。自分という視点がとらえた世界を誰かに見せることができる。
『mono』のさつきちゃんも、カメラを構える牧ノ原先輩を撮影していました。きっと彼女から見える先輩の姿を、表現し伝えたかったのかもしれませんね。
きっと「楽しい善意」からはじまる自己表現が「撮影」なのでしょう。
『mono』©あfろ/芳文社
でも、誰にも見せなくたっていいんです。そこにあった時間や風景を留める。それは思い出や記録にもなります。自分が感じた気持ちを呼び覚ますきっかけにもなります。
そう考えると、ちょっとしたタイムマシンみたいですね。あたたかいひだまり、きらきらとさざめく木々、雄大な山や海、そしておいしいごはん。あの時の気持ちを呼び覚ましてくれる、思い出せる、そんな素敵なタイムマシン。
出かけた先で一枚。慣れてきたら「自分が見ている何気ないもの」を撮ってみるのもいいかもしれません。最初はオートで、ちょっと慣れたらマニュアルで。ちょっと背伸びして良いカメラを買っちゃうのもありかもしれませんよ。新しいカメラを買うと撮影したくなるものです。
『mono』©あfろ/芳文社
気軽にスマホでパシャリから、はじめてみるのもいいかもしれませんね。「趣味っていうほどじゃないけど」そんなところから趣味ってはじまっていくんです。
さて、どうでしょう、そろそろやってみたい事、趣味になりそうなものが思い浮かんできていますか? 何だか楽しくなれそうな事見つかりそうでしょうか?
まだという方も安心してくださいね。焦らず肩の力を抜いて、もう少しマンガからヒントをもらっていきましょう。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
グルメと料理の世界
さて『ゆるキャン△』といえば、キャンプご飯。定番のカレーから、美味しそうなお鍋料理、手軽なコッヘルパスタなど、なでしこ達が作ってますよね。
旅先でのグルメ巡りなんてのもやっていて、読んでいるこちらもだんだんお腹が減ってきます。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
では料理の話からしていきましょうか。
外での料理はちょっと大変なので、具材をあらかじめ切っておくなど、工夫が必要だったりします。あ、もちろん衛生面には注意してくださいね。あらかじめ調理済みの物を現地で調達するなど色々考えておく必要があるかもしれません。
家で作ってみてから外でやってみるというのがオススメです。今はレシピをネットで調べることができますから、結構気軽にチャレンジできます。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
料理は、レシピの手順通りに作り、味見をきちんとすればまず失敗しない。というのが私の自論。私、昔は職場にチームで泊まり込むことがあって、食事当番をやっていたんです。へったぴでしたけどね。それでもネットレシピのおかげで何とかなっていました。
料理には、もちろん技術が必要なものもありますが、そこはそれ、「文明の利器」を使えば大体乗り切れます。でもたまに乗り切れないものもあります。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
まずは家で料理をつくってみる。すると何が必要か、何が手間か、わかってくると思います。これはお外だと大変だなとか、ちょっと難易度上がるなとか、そんな感じで。道具を準備しておこうとか、対策も立てられるので「まずは家で」がお勧めですよ。
さて、お次はグルメ。自炊ばかりが料理じゃない! というわけでグルメ巡りなんてのも楽しそうです。『ゆるキャン△』でも、地元の名産を使ったスイーツ、ここでしか食べられない串料理や、ご当地カレーなど、美味しそうなものがたくさん登場しますよね。あと、やきそばとか。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
事前に情報を集めておくのもありですし、現地でお店を探してみる、なんてのも楽しいですよ。予約が必要なお店もあったりして、ダメでした〜なんてのも思い出になったりするものです。
私も旅先で、かき氷屋さんが人気店すぎて予約が必須だった、なんてこともありました。次行く時は予約していこうと友人と涙のリベンジを誓いました。とまあ、そんな感じで、それがまた旅のきっかけとなったりするはず。
なんか旅の話になってきてしまいましたね。ともあれ、グルメ巡りもきっと楽しいですよ。旅とは言わずコンビニスイーツ巡りとか気軽なところから楽しんでみても良いかもしれませんね。
お腹が減ってきましたね。そろそろ次の話題にいきましょう。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
旅の世界
旅、見慣れた町を少し離れて別の土地へ。いつもと違う場所に行くというのは、不安もちょっとあるけど、ワクワクして楽しいものです。
旅の良さは日常から離れる、少し距離をおく事に意味があると思うのです。非日常を楽しみながら、日常についても想いを巡らせる。
あえて距離を取ることで見えてくるものもきっとある。
何はともあれ、友達や家族と行く旅は楽しいものです。普段できない体験をすることで楽しくなる、そして体験を共有できるのが何より嬉しかったりします。
『mono』©あfろ/芳文社
日常から離れるという視点で行けば、ソロの旅も決して悪くありません。
『ゆるキャン△』のリンちゃんは、ソロの旅を楽しんでいますよね。観光地に寄ったり、景色を楽しんだり、カフェでのんびりしたり。キャンプ場で静かに読書をしたり、物思いにふけってみたり。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
日常から離れるからこそ、にぎやかな家族、友達や仲間が大切で愛おしいという事に気づけたりします。普段は騒がしかったり、鬱陶しいとすら感じてしまったりするけれど。
離れるからこそ、気づけることもあるんですよね。もちろん一緒に行くのも楽しいですよ。みんなでワイワイ行くのも良い。
久しぶりの友人との旅も楽しかったりします。だんだんと大人になると、友人達と会える機会も少なくなってきます。毎日のように会っていた友人と、年に数回しか会えなくなるのは、よくあることです。
お互い仕事をはじめて忙しかったり、休みが合わなかったりすると、なんだかんだ会えなくなる。でも、そんな友人達と再会して旅するのも良いものです。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
友人達と再会することで、過去の自分とも再会する。学生の頃の思い出や想いが、自分を再確認させてくれる。映画『ゆるキャン△』でもそんなお話がありましたよね。
私も先日、2年ぶりくらいに友人達と再会し、あれやこれやと周りました。日帰りだったので、旅というにはミニマムでしたがとても良かった。思った以上に楽しかったんだなと日常に戻ったからこそ感じます。また行きたいなぁ、そのために頑張ろうと思えちゃいます。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
そうやって旅が目的になっていくんですよね。趣味とは、手段が目的にすり替わったものと誰かが言っていました。あれは誰だっただろう。
ともかく、趣味ってそんなふうに、だんだんとはじまっていくんですよね。
趣味でととのう人生のリズム
普段はできないこと、やってみたいことを見つけてはじめてみる。なんとなくやっちゃうことを、時間をとってやってみる。アウトドア、撮影、グルメや料理、そして旅とか。ともかく、日常からちょっと離れて楽しむ。するとそれがだんだんと趣味になっていく。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社
趣味を楽しむことで、前より少しだけ「日常」が変わって見える。
趣味を楽しむことで「人生のリズム」がととのっていく。
せっかくですから、何かはじめてみませんか? 少しの勇気で、一歩踏み出してみてください。その「はじめて」で世界はきっと広がっていきますよ。
趣味にならなくても大丈夫、理由もなくて大丈夫、なんとなくでいいんです。人生のきっかけは、だいたい「なんとなく」なんですから。
『ゆるキャン△』©あfろ/芳文社