『推しのご飯担になりました!?』推しがいる全ての人に捧げる!おいしいご飯で繋がる推しとファンのグルメコメディ
もしも推しが隣に引っ越してきて、一緒にご飯を食べることになったら……?
そんなオタクが一度は妄想するであろう夢のシチュエーションから始まる奇跡をなつき凛先生が描く『推しのご飯担になりました!?』。
『推しのご飯担になりました!?』 ©なつき凛/双葉社
若手男性アイドルグループ「genuine」に所属する葉井瑛人を推す活動(応援活動)をしながら一人暮らしをする男子大学生・納田一途。ある時引っ越しの挨拶にきた隣人がなんと推しである葉井で……!?
本作は、食を通してつながるアイドルとファンのドタバタな日常をコミカルに描いたグルメコメディマンガです!
おいしいご飯で繋がる推しとファン
主人公の納田一途は、「genuine」のファンクラブ会員証が届いた記念に推しである葉井の好物コロッケを作っていました。そこへ突然の来客が。扉を開けるとそこには、推しである葉井瑛人がいたのでした。
『推しのご飯担になりました!?』 ©なつき凛/双葉社
なんと一途の隣の部屋に葉井が引っ越してきたと言うのです。まさかのご本人登場に一途は言葉を失います。
葉井にアイドル活動している自分のことを知っているか聞かれるのですが、一途はそれを否定。推しに認知されたくないといった繊細なオタク心から、葉井のファンであることを隠してしまいます。
その後一途が作ったコロッケを葉井本人と食べるという夢のような展開に。このコロッケをきっかけに一途は葉井の食生活を支えるご飯担当になるのでした。
推しとファンは友達になれるのか…!? 迫り来る推しにオタクはドキドキしっぱなし!
美味しいご飯を通して繋がる推しとオタクというテーマで描かれている本作。アイドルとファンといった独特な関係性をコミカルに表現しています。
持ち前の明るさと愛嬌を振りまきながら、自然と一途の懐に入っていく葉井。葉井好みのご飯を作る一途に絶対的な信頼を置いており、自分にご飯を作って欲しいと無邪気におねだりするなど、一途と友達になりたい一心でどんどん距離を詰めていきます。
『推しのご飯担になりました!?』 ©なつき凛/双葉社
一方、一途はプライベートでもアイドル感満載の葉井を前に感情がジェットコースター状態に。目まぐるしく変化するオタク心のギャグ表現がなんとも面白いです。
『推しのご飯担になりました!?』 ©なつき凛/双葉社
一途のオーバーなリアクションは単純に笑える表現として描かれているのですが、葉井がゲームの攻略対象のように描かれている様子などから、一途がプライベートな葉井と会えている事実をそれほどまでに現実離れした夢のような出来事だと捉えているようにも感じます。
一途と友達になりたいと願う葉井に対して、あくまでファンとして関わろうとする一途。それぞれの立場から思いがすれ違う様子にも注目です。
主人公の推し活から垣間見えるリアルなアイドルオタク事情
夢のような日々を送る中、一途はSNSで仲良くなった有名なファンからイベントのお誘いメッセージが届きます。しかし一途は自分が参加してもいいものかと葛藤。
『推しのご飯担になりました!?』 ©なつき凛/双葉社
イベントやライブは肌で推しを感じられる唯一無二の機会ですが、初めて参加する時に不安はつきもの。そんな推し活動を始めたばかりの人が経験するであろうリアルな悩みが描かれています。
他にもイベント参加した時の感動や推しへの愛をファン同士で共有できる喜びなど、推し活動の醍醐味も本作を通して味わえます。推しが隣人になるといった一種のファンタジー要素がある一方で、推しがいるオタクの日常がとてもリアルに描かれているのも本作の魅力の1つです。
推しとファンの関係の終着点とは……
2022年5月19日に発売した最終巻の2巻では、葉井がアパートに引っ越してきた理由など1巻で気になっていた謎が次々と明かされていきます。そして推しとオタクの関係もついに終着点へ。
読んだ後、やっぱり推しのいる生活っていいなぁと改めて思える素敵な作品です。ぜひ彼らの行く先を見届けてください!