様々な「チ。」を描いた『チ。―地球の運動について―』ついに完結!
『チ。―地球の運動について―』は、「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載されていた作品で、様々なマンガ賞を受賞している話題作なのでタイトルを知っている方も多いのではないでしょうか? 地動説を信じる者たち通して”主観的な熱中”の尊さと危うさと、歴史的な思想対立を描いた歴史巨編となっています!
紀元前から続く地動説と天動説の歴史を紐解く
天動説と地動説と聞いて様々な有名人が登場しますが、中でも一番なじみがあるのはガリレオ・ガリレイの宗教裁判のエピソードではないでしょうか? 本作品はガリレオの時代よりも200年ほど前、まだまだ天動説こそが真理とされ、地動説を唱える者は異端者、魔女として扱われ、拷問の末殺される…。そんな時代を描いています。
『チ。―地球の運動について―』魚豊先生 1集・1話より
地動説と天動説の思想対立は紀元前から続いており、本作品の歴史的背景は、地動説を理論的に、合理的に信じる者が密かに真理を求めて研究を重ね、ガリレオに続く思想を固めていく様子が描かれています。
『チ。―地球の運動について―』魚豊先生 3集・15話より
命を捨てても曲げられない信念、世界を敵に回しても貫きたい美学。「これぞ」という信念を持ったアツイ人たちの魂の物語が、歴史の波に揉まれながら展開していきます。
大地、知性、そして血。
『チ。―地球の運動について―』魚豊先生 4集・22話より
タイトルの「チ。」から連想されるキーワードを想像してみると、様々な「チ。」が隠れているように思います。
言わずもがな、地動説を語る上での大地のチ。知りたい、不思議を解明したい、といった人間の知的好奇心に基づいた知性のチ。そして、この思想対立によって流れた人々の血のチ。
あなたはどの「チ。」が気になりますか?あなたなりの「チ。」を是非探してみてください!
第8巻で完結! 人々の「チ。」はどこへ向かうのか?
2022年4月に、ついに雑誌での連載が終了。「チ。」に沸き立つこの物語がどこへ向かうのか、その結末は? 宇宙や科学をテーマにしているので、「なんか、難しそう、理解できないのでは!?」と、思う方もいるかもしれませんが、数式や理論は最低限で思ったよりも読みやすい作品となっています。まずは、信念を貫く者の生き様に圧倒される第1集を是非、手に取ってみてください!
執筆:ネゴト / そふえ