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『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』生き残るのはネコか人類か。ネコへの愛と人類の存亡をかけたハルマゲドンから目を離すな!

ある日突然、ネコに接触するとネコになってしまうウイルスが世界的に蔓延。人々は逃げまどうことしかできず、状況は日をおうごとに悪化。人類の滅亡さえ脳裏をよぎります。そんな中、ネコ好きな主人公たちは違った意味で絶望していました。こんな世界ではネコを自由に愛することができない、と。

『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』は、人類の存亡とネコへの愛を両天秤にかけた逃避行をどこまでも大真面目に描いたニャンデミックアクションマンガです。

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット ホークマン(原作)/メカルーツ(作画)

『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』のあらすじ

きっかけは品種改良によって特異的に生まれた一匹のネコ。そのネコは人間に接触することによって、その人間をネコに変えてしまうウイルスを持っていたのです。その上、ネコになった人間も同様のウイルスを保有していました。

人類は現在の何倍もネコを愛しており、ネコに対して警戒心を持つものなどいません。結果、ごく短期間で世界中にウイルスが拡散され、世界はネコに支配されてしまったのです。

主人公たちもやはりネコを愛しています。人類の脅威となってしまったネコたちに恐怖しながらも、ネコを愛でたい、ネコとたわむれたいという気持ちにもウソをつくことができません。そんな心の奥底の欲求と戦いながら、ネコとともに生きることができる世界を夢見て、逃避行を続けてゆくのです。

名作SFやミステリーをもじったサブタイトル

『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』は破天荒な内容の反面、本格SFや本格ミステリーを思わせる高尚な雰囲気をただよわせています。それを補足するかのように、サブタイトルにはさまざまなSFやミステリーへのオマージュが仕込まれています。

たとえば第1巻サブタイトルである「すべてが猫になる」は森博嗣先生の『すべてがFになる』からでしょう。また第2巻のサブタイトル「猫は無慈悲な夜の女王」はロバート A ハインライン先生の『月は無慈悲な夜の女王』のオマージュと思われます。

その他、1話ごとについている小タイトルもそれぞれ名作SF小説などのオマージュになっています。オマージュ元を探し、そんな作品たちに触れてみるのも面白いのではないでしょうか。

「生きる意味」を問いかけつづける修道的教本

ネコに触られるとネコになってしまうウイルスの蔓延。それは確かに非常に恐ろしいパンデミックです。

しかし、逆に考えればすべてを投げだしネコを存分に愛してしまえば、今すぐにでも心から愛しているネコそのものになることができるのです。それでも人間というちっぽけな器に収まり続けることに意味があるでしょうか。

そう、主人公たちは心からネコを愛しているからこそ、自分自身が人間として生きてゆく意義に真正面から向きあわなければならないのです。

就職するとき。受験するとき。結婚するとき。人生をかけた選択というのは結構あるものです。自分にとって大切なものはなんなのか。生きるとはどういうことなのか。そんな問いかけをしたこともあるでしょう。

この『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』を読むことでネコとはなんなのか。人間とはなんなのか。生きるとはどういうことなのか。そんな普遍的な問いかけを追体験し、悟りの境地に一歩近づくことができるのではないでしょうか。

まだまだ既刊は少なくすぐに追いつける!

『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』は2022年2月22日の「ネコの日」に第2巻が発売されました。人類とネコの戦いは急展開をむかえておりますが、これから追いつくのにまだまだ遅くありません。

ネコを好きなあなたも、ネコにはあまり興味のないあなたにも、ぜひ読んでほしい一作です!

執筆:ネゴト / たけのこ

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