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『トリリオンゲーム』破天荒な天才と素朴なギークが資産総額1兆ドルに挑む起業ドラマ

原作・稲垣理一郎、原画・池上遼一による『トリリオンゲーム』は、中学校時代の友人同士のハルとガクの二人がタッグを組んで、資産総額1兆ドルを目指して起業する物語です。

「このマンガがすごい!2022」オトコ編8位にランクイン、さらにマンガ大賞2022にもノミネートされ、ますます注目が集まっています!

トリリオンゲーム 原作:稲垣理一郎 作画:池上遼一

ハルとガクの出会い

天賦のコミュ力を持つワガママ男ハルと、地味で素朴なエンジニアのガク。

中学生の時に、ガクが不良に絡まれていたところをハルが助けたことをきっかけに、二人は出会います。監視カメラの死角であることを確認してから不良をタコ殴りするハルの計算高さに舌を巻くガク。しかし、この時ハルも、監視カメラの制御画面にいとも簡単に侵入するガクの腕に目を見張ったのでした。

トリリオンダラーを稼いで全てを手に入れると断言するハルのワガママに、ガクは問答無用で巻き込まれ、二人はタッグを組んで起業することに。ですが、何をする会社かは、全く決まっていません。

そんな中、ハルは適当にそれっぽい事業計画書を作成し、とりあえず資金調達をスタートさせるのでした。

ぶっ飛んでるから面白い!

ユニコーン企業という言葉をご存知でしょうか?

一般に「評価額が10億ドルを超える創業10年以内の未上場のスタートアップ企業」のことを言います。ユニコーンという伝説の生き物になぞらえるほどなので、この条件を満たす企業は世界にもほとんどありません。

口八丁のハルは、ガクの経歴を詐称し、人力でやっているサービスをAIだと言い切り、爆速で事業を拡大していきます。ハルの言動は常識をはるかに超越していました。

LinkedInの創業者リード・ホフマンはスタートアップについて「崖の上から飛び降りながら飛行機をつくるようなもの」と表現しています。飛び降りながら飛行機を組み立てるなんて、普通のやり方でやりきれるとはとても思えません。

ありえない方法で他者を陥れ、他人の信頼を使って自らの価値を高めていくハル。ですがハルは、勝つためにオタ芸も覚え、ホストに転身もできる人物です。

常識外れのハルが、自分の能力の限界を決めずに、あらゆることに挑戦し目標に向かってばく進していく姿は潔く、誰よりもかっこよく感じます。

人を信じる力が原動力

仲のいい者同士の起業は必ず破綻すると指摘され、ハルは「ガクとの友情パワーがすごすぎるから絶対に壊れない」と言い切ります。二人で貯金を持ち寄って集めた最初の起業資金20万円は、ハルによってガクが使うための高級な椅子代になりました。

初めて人を雇う時、優秀な人と真面目な人とどちらを採るべきか迷うガクに、ハルは言います。

「少数精鋭は結局、一緒にやりてえ奴かどうかだ」

ガクのエンジニアとしての実力を見た時から、ハルはガクを自分と組む一番大事な存在、ずっと一緒にやっていきたい人物だと思ったのではないでしょうか。無理難題をふっかけながらも、ハルはガクに期待し、ガクが働きやすいような環境を整え、ガクが少しでも楽になるように汚れ役を買って出ます。

『トリリオンゲーム』は起業の裏側を見せる波乱万丈のビジネスマンガでありながら、ハルとガクという性格が真逆な二人の友情を描いた物語でもあるのです。

違うからこそ引き立て合う二人

ハルはガクのできないことができますし、ガクもハルにはできないことができます。自分のすぐそばに、圧倒的に自分を信じ、期待してくれる人がいること。それがお互いの力を限界以上に引き出す原動力となっているのかもしれません。

そういう意味で、もしかしたら本当の最強コンビは稲垣先生と池上先生の二人なのかもしれませんね。

二人はどうやって1兆ドルを稼ぐのでしょうか。

ぜひ一緒に、若き起業家たちのチャレンジを体感してみてください!

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