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『彼女、お借りします』こんなの好きになる!”プロの彼女”水原千鶴という女の子

プロの物語って、なんでこんなに面白いんだろう。

役者、アスリート、ミュージシャン…自分には縁遠い世界だとしても、プロの仕事に触れるたび、自分も彼らのように頑張らなきゃ!と何度も勇気をもらってきました。そんな筆者が『彼女、お借りします』の作中で出会ったのは”プロの彼女”。

聞き慣れない世界のプロではありましたが、プロの彼女として生きる女の子・水原千鶴には人の心を動かす魅力がありました。

彼女、お借りします 著者:宮島礼吏

もう帰りたい

『彼女、お借りします』のヒロイン・水原千鶴は、レンタル彼女の事務所に所属する女の子です。レンタル彼女とは、女性とデートがしてみたい、デートの予行練習がしてみたいなどの悩みを解消してくれる有料サービスのこと。つまり…”プロの彼女”ですね!

レンタル彼女として千鶴を指名したのは木ノ下和也。人生初の彼女にフラれた勢いでレンタル彼女を利用した平凡な大学生です。彼はなんとなく憎めない、ピュアな人物でした。

寂しさを紛らわすためとはいえ、お金で彼女を買ってしまった和也。デートの序盤で漏れ出た感想は「帰って寝たい…」でした。勢いでやってしまったことへの反省、形は違えど筆者にも身に覚えがあり恥ずかしくなってきます。ちょっと帰りたくなってきました。

やがてこの時の共感は、千鶴というプロの仕事に感化されて薄れていくのですが。

インターネットにスレが立つ

本作のヒロインであり、レンタル彼女の千鶴は誰もが認める美女。女優?アイドル?と言いたくなるような顔立ちは、インターネットで「水原千鶴に虜のスレ」が立つほどでした。

そんな千鶴と和也がデートをしたのは水族館。千鶴は魚に詳しくない様子でしたが、和也が解説しながら歩いて回ると「初めての水族館が和也君とで良かったぁ」と褒める千鶴。これが常套句だったとしても、キュンとせずにはいられません。

2回目のデートは少し遅れて登場する彼女ですが、その理由は和也の好きそうな髪型を作っていたから。これは怒れない…。

デート先には再び水族館が選ばれましたが、今度は和也が感心するほど魚の知識を勉強してきました。

実は初デートで千鶴に低評価をつけていた和也。そんな彼のためにもここまで熱心に仕事する千鶴は、まごうことなきプロでした。そこまでする!?と言いたくなる努力の鬼。感服です!

そんな完璧な千鶴でも、動揺するような出来事だってあります。それは彼女として、和也の家族に紹介されたときのことでした。

それでも彼女はプロであり続けられるのか

2回目のデートが終わりに近づいた頃、和也の祖母が倒れたとの知らせが入りました。

動揺していた和也は思わずそばにいた千鶴を連れて病院に駆け込みます。幸い祖母に大事はありませんでしたが、そこで話題になったのは千鶴について。

祖母を安心させたいために、和也は千鶴を自分の彼女だと嘘をつきました。

レンタル彼女を本当の彼女だと家族に紹介する人はよくいるそうなのですが、ここで予想外だったのは、和也の祖母と千鶴の祖母が友達だったこと。

2人に筋の通った嘘を着き続けるために、千鶴は千鶴で和也を自分の彼氏だと紹介しました。顧客の恋人のフリをするならまだしも、千鶴自身まで家族に彼氏を紹介するのは異例の出来事。そんなことして大丈夫!?

レンタルという枠を超えた嘘を抱えてしまった2人。はたしてこの関係はどうなっちゃうの…!?

それでも千鶴はプロであり続けられるのか、それとも…。水原千鶴の行方をぜひ見届けて欲しい!

執筆: ネゴト / 星月まふゆ

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