マンガ好きライターが厳選! 2022年マンガ10大ニュース
マンガ好きにとって2022年は「激動」と言える1年だったのではないでしょうか。誰もが待ち望んだあの作品の連載再開、世間の話題をさらった話題作や多くの読者に長年愛され続けた人気作が遂に完結など、マンガ好きにとって話題に事欠かなかった2022年の10大マンガニュースをマンガへの偏愛に溢れたライター陣が厳選!衝撃と感動の1年を本記事で振り返って参りましょう!
1.人気作、話題作が堂々完結!
いよいよ完結の時を迎えた名作がとにかく多い1年だった、と記憶に刻まれているマンガ好きの方も多いのではないでしょうか。そんな1年を代弁してくれる象徴的な作品が15年の長きに渡り連載された、競技かるたを題材にした『ちはやふる』でしょう。

最終50巻が発売された2022年12月13日には全国の朝日新聞に全10種類の全面広告が掲載されたことも記憶に新しい『ちはやふる』。かるたの魅力に惹きつけられた登場人物達の想い。最高の物語を見せ続けてくれたこの15年間に感謝しかありません。
その他にも16年に渡り連載された人気野球マンガ『ダイヤのA』、明治時代の北海道を舞台に描かれる『ゴールデンカムイ』も8年間の連載に幕を閉じました。


また、累計発行部数6500万部を突破し、アニメ化や実写映画化など、多くのファンを生んだ『東京卍リベンジャーズ』も5年半の連載を駆け抜け、堂々完結となりました。

一時代を築いた作品達が完結し、マンガ業界の転換期を迎えたかのような、一抹の寂しさと、今後の新たな作品の台頭を期待せずにはいられない2022年でした。
2.ファン歓喜!あの不朽の名作達が堂々のカムバック
マンガ好きを熱狂と興奮の渦に巻き込んだ、いつまでも色褪せないあの名作達が帰ってきた喜びに包まれました。 2016年の連載完結から6年、そして前作のアニメ放映から約10年の時を経て遂に最終章「千年血戦篇」がアニメ化した『BLEACH』。総監修を原作者である久保帯人先生が自ら務め、原作ファンの歓喜に包まれました。

また、高橋留美子先生による『うる星やつら』も約40年振りのアニメ化。原作マンガの連載開始は1978年というレジェンド作品を世代を超えて新作アニメとして楽しめる喜びを一言で表すなら「嬉しいっちゃ!」と言ったところでしょうか。

そして2022年12月3日には監督・脚本を原作者である井上雄彦先生が自ら担ったことでも話題となった映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開。原作ファンの歓喜の声はまたたく間に日本中を席巻しました。
原作の懐かしさと、オリジナル要素が絡み合いより楽しめる、そんな名作達が映像作品としてカムバックしたことは非常にホットな話題でした。
3.『HUNTER×HUNTER』3年11ヶ月ぶりに連載再開! 世間が冨樫フィーバーに包まれる
2022年5月24日に突如マンガ家、冨樫義博先生を名乗るTwitterアカウントが開設され世界中が興奮の渦に包まれました。
果たして本物?いや、そんなバカな、でもどうやら本当に本物の富樫先生だ! とファンによる連載再開の期待が高まる中、遂に待望の瞬間が訪れます。

2022年10月24日発売の「週刊少年ジャンプ」47号にて、実に3年11ヶ月振りの連載再開! 最新コミックス37巻も2022年11月4日に発売され、長い時を経て物語が再始動したことは近年のマンガ史を振り返ってもトップクラスの出来事と言えるでしょう。
2022年10月28日からは画業35年を迎えた冨樫義博氏のルーツに迫る展覧会「冨樫義博展 -PUZZLE-」が開催。2022年下半期は冨樫ワールド1色に包まれたと言っても決して過言では無いほどの衝撃でした。


4.マンガ原作の実写化の勢いは2022年も止まらない!
毎年、原作マンガファンの期待と不安を炙り出す(?)実写化ニュースは2022年もホットでした。
とりわけ世間に大きなインパクトを与えた作品が「このマンガがすごい!2022」オンナ編第2位にも選ばれ、シリーズ累計50万部を突破と読者の高い支持を得ている『作りたい女と食べたい女』です。

料理を作ることが好きな女性と、料理を食べることが好きな女性が出会う本作。女性同士の恋愛や、時に息が詰まりそうになる現実をも丁寧に描いています。現代を生きる私達へ問いかけてくるメッセージには、様々なことを考えさせてくれる、深みのある作品です。
また、2006年にもドラマ化された『クロサギ』が14年振りに再ドラマ化されるというニュースも話題に!

2023年にはよしながふみ先生による男女逆転大奥を描いた『大奥』や、2022年4月にアニメ化も果たした『舞妓さんちのまかないさん』の実写ドラマ化も発表され、さらには大人気ダークファンタジー『鋼の錬金術師』の舞台化も決定。実写化の勢いは更に増している!と印象付けられた1年でもありました。


5.映画「ONE PIECE FILM RED」大ヒット!!
全世界のコミックスの累計発行部数5億1000万部を超える『ONEPIECE』の劇場公開作品「ONE PIECE FILM RED」の興行収入が185億円を突破! 2022年8月6日の公開初日から瞬く間に大ヒットを見せ、その勢いは天井知らず。劇中歌である「新時代」は国内外で70冠に輝くなど『ONEPIECE』同様に世界中のファンを大いに沸かせました。

6.『キャプテン翼』の世界が現実に! サッカーW杯日本代表がドイツ&スペイン撃破!
熱狂の内に幕を閉じたサッカーカタールW杯2022。過去最高のインパクトを誇った日本代表の活躍に、とあるサッカーマンガを思い浮かべた人は少なくなかったのでは無いかと予想します。

そう、それはまさに連載開始から40年を越えた今も尚多くの読者から愛される『キャプテン翼』の出来事が現実になった瞬間でした。
作中では何度となく日本代表と激闘を繰り広げるドイツ代表との現実世界でも負けたら終わりの真剣勝負。日本サッカー黎明期から日本をW杯で優勝させると宣言していた『キャプテン翼』の主人公、大空翼の言葉を実践するかのように、過去に優勝経験を持つドイツやスペインを撃破した姿は圧巻でした。
そしてサッカー日本代表の活躍を契機に『キャプテン翼』にも注目が集まるというマンガとリアルスポーツがお互いに影響し合う奇跡の瞬間を体験できたことは2022年のハイライトの1つと言えるでしょう。
7.2022年は原画展が大豊作!
2022年はとにもかくにも、近年ここまでビッグタイトルが目白押しな年があっただろうか、というくらいには原画展が大豊作の1年でした。
冨樫義博展、『金色のガッシュ!!』と雷句誠原画展、矢沢あい展、大ベルセルク展といったレジェンド作家の面々による原画展開催は胸熱が過ぎます。更には2022年完結作品である『ゴールデンカムイ』展にTeNQ×『チ。―地球の運動について―』展という強烈な個性を放つ作品の原画展も開催され、さながら原画展フィーバーの様相を呈しています。


原画から作品の放つエネルギーを全開で感じられる贅沢な時間。足を運んで見ることで更に作品世界を堪能できる素敵空間を何度でも味わいたくなりますね!
8.『ベルセルク』待望の連載再開
2021年5月に急逝された大人気ダークファンタジー巨篇『ベルセルク』の作者、三浦健太郎先生。未完のまま連載がストップしていた本作を、三浦健太郎先生のアシスタントを努めていたスタッフが再集結し、連載を再開するという異例の決断が下されました。

本格長編ストーリーマンガを原作者である三浦健太郎先生不在の中で再開することは、簡単に決められることではなかったことは想像に固くありません。監修を務めるのは三浦先生の親友でありマンガ家の森恒二先生。三浦先生の意思を継ぎ、連載再開という勇気ある決断をされた製作陣の皆様への感謝と『ベルセルク』の続きがまた読める! という喜びを多くのファンが噛み締めたマンガ好きの心を揺さぶるニュースでした。
9.『チェンソーマン』連載再開&アニメ公開!
藤本タツキ先生による、少年誌らしからぬ激しい描写と衝撃の展開の連続で大反響を呼んだ『チェンソーマン』待望の第二部が2022年7月13日より「少年ジャンプ+」にて連載を開始となりました!

更には2022年10月11日にアニメ放送も開始。『チェンソーマン』の世界を映像で堪能できるという現実。アニメを手がけるのは『呪術廻戦』や『ドロヘドロ』などを手がけるアニメーションスタジオMAPPA(マッパ)です。
映像美もさることながら、エンディング曲が毎話ごとに異なるという贅沢過ぎる仕様も反響を呼びました。視聴者の想像を軽々と超えてくる怒涛の展開に、頭の整理が追いつかない程のビッグでホットなニュースを届けてくれました。
10.マンガ家の赤松健先生が参議院議員に当選
2022年は政治関連でも大きなマンガニュースが飛び込んできました。『ラブひな』『魔法先生ネギま!』の作者、赤松健先生が参院選に出馬し見事当選を果たしました。歴史上初のマンガ家国会議員の誕生です。


日本が世界に誇るマンガ、アニメ、ゲーム文化の発展や、クリエイターの権利問題など、ご自身の豊富な経験を生かしての活躍を期待したいですね!
また、赤松健先生が定期的にTwitterで『赤松健の国会にっき』という1Pマンガを公開しており、政治家を目指そうとした理由や、国会議員の様々なお仕事を紹介して下さっています。マンガで分かりやすく政治家のお仕事や仕組みを理解することができるので、未読の方はぜひチェックしてみてください!
2023年のマンガ界はどんな年?
振り返ってみると様々な話題に溢れていたなとひしひしと感じた2022年でしたね。そして2023年にはどんなマンガにまつわる話題が待ち受けているのでしょうか? マンガを愛する皆様が更に興奮するようなビッグニュースが沢山登場して、さらにさらに盛り上がれる、そんな1年を期待したいですね!