『社畜ですが神様に求婚されました』完結記念! ツクルノ女渦先生インタビュー
イケ神様×平凡な社畜のマリッジストーリー『社畜ですが神様に求婚されました』がついに完結。作者のツクルノ女渦先生にお話を伺いました。
――自己紹介をお願いします。
我が名はツクルノ女渦(じょか)。異世界『迷いの森』に住まいしBLが大好きなクリエイター系Vtuber兼商業漫画家(本人は百合)である。
主にYoutubeとTwitterにて活動中じゃ。
此度の連載は『編集部NGギリギリまで裏側を見せていくBL漫画連載企画』こと『ツクルノ連載物語』という一つの大きな企画としても描かせていただいておりますじゃ。
また、我が活動方針につき、こういった場でも普段の口調となることをお許しいただきたい。
――描き始めたきっかけ、デビューのきっかけを教えてください。
わしは約4世紀前はただの空想が大好きな人間だったのじゃが、魔女狩りに遭った際に悪魔と契約を交わして今の姿(キメラの魔女)になってのう。
その後にジャパンのオタク文化にドハマりし、まるで運命かのようにイラストや漫画を描き始めたのじゃ。
デビューのきっかけになった担当編集のK殿との出会いは別途漫画にして描いておるゆえ、そちらをご覧いただけたら幸いじゃ。
―――本作執筆のきっかけを教えてください。
わしが「ハピエンなら途中はなんぼ辛くてもいいよね!」というタイプの、どちらかというと闇のオタクゆえ、本作『社畜ですが神様に求婚されました』のネタに至るまでは、かなり暗くて重いBLを練っていたのじゃ。
しかし担当編集殿と話し合っていく中で「今、多くの方々が求めているのは闇よりも光ではなかろうか?」という結論に達し、『癒し』がテーマで、社畜が神様に求婚されて幸せになっていく物語を執筆するに至ったのじゃ。
Ⓒツクルノ女渦/BLfranc
Ⓒツクルノ女渦/BLfranc
――完結した今の心境を教えてください。
「走り切ることが出来たな」という気持ちと、「今まで追ってくれたリスナー殿、読者殿、どうもありがとう」という気持ちがまぜこぜになっておるよ。
正直まだ「終わった」という実感がないゆえ、今後わし自身が神婚(『社畜ですが神様に求婚されました』の略)ロスに陥るやもしれぬ(笑)。
――完結した今、キャラクターたちに声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか。
誠殿へ:今後も正しく怒り、正しく愛し、あなたが正しいと思う優しさと思い遣りで沢山の人々を助けていってください。 必要な時はあなた自身のことを助けることも忘れずに。
稲衛様へ:あなたは本作の中の他の神とは大分違った在り方をしていましたが、そのこと自体に引け目感じていたり、疑問に思うことは一度もありませんでした。そのまま気高く、美しく、優しいままのあなたでいてください。いい加減むっつりな事も認めてください。
純田くんへ:幸せになってぇぇぇえぇぇ……!!
細井戸くんへ:これからの人生は、きっと好転していくばかりかと思います。今度はパワハラモラハラではなく、思い遣りを周囲に振りまいていって、そして愛されてください。
八咫烏へ:いつ告白するんですか?
天照様へ:いつ気づくんですか?
――描いていて楽しかったシーンなどあれば教えていただきたいです!
神婚には稲衛様が創り出す異空間が登場するのじゃが、満開の桜が咲き乱れる中に神社の境内があり、夜空には満月が浮かび、そしてそこに温泉や鳥居、石灯籠の通路があるあの異空間は、毎回描いていてとても楽しかったのう。
Ⓒツクルノ女渦/BLfranc
――本作を一言で表すとすればどんな言葉ですか。
世界で一番優しいBL。
Ⓒツクルノ女渦/BLfranc
――作品のアイデアを思いつくときはどんな時ですか。
時と場所を選ばぬのう。降りてくる時は降りてくるし、こないときは本当にこない。
ただ例外があって、担当編集殿との打ち合わせの時じゃ。
あれだけポンポンとアイディアが出て拡張してゆく時間は他に無い。
――作品を作る時に、最初に始めることは何ですか。
キャラクターの詳細なプロフィールの作成と、ビジュアルの作成じゃな。
それを先にやっておいたほうがストーリーの妄想の捗り方が違うのじゃ。
――キャラクターを描くときに気を付けていることなどありますか。
目元が特に美しくなりますように、と念じながら描いておるよ。
あとはしっかりとキャラクターたちの心情が伝わる表情を描くようにも努めておる。
――キャラクターを描くときにどこの部分から描きますか。
ラフの時は頭頂部から後頭部の丸い部分からが多い。
ペン入れの時はおでこのラインから描くことが多いぞ。
――休日、気分転換にすることはなんですか。
Youtube配信じゃな!!
――今ハマっていること(もしくはモノ)を教えてください。
賛否両論はあると存じておるが、画像生成系を含めてAIで遊ぶことにハマッておりますじゃ。
ここから先の未来にあるのはAIによるクリエイターの淘汰ではなく、共存であることを強く信じておるよ。
あとは、心理学系の雑学や知識を仕入れる事!
――好きな漫画・作品はありますか。
最近はもっぱらキングオージャーとガンダム水星の魔女にハマッておりますじゃ。
日曜日が楽しくて仕方ないのじゃ。
――今後書いてみたいジャンル、カップリングなど教えてください。
BLはもちろんなのじゃが、百合作品も描いてみたいのう。
あとは、闇のオタクとしての力が発揮出来そうな重めの作品とかじゃな。
――他のBL作家さんに聞いてみたいことなどありますか。
皆様方はどんな絵の練習をされていらっしゃるのじゃろうか……切実に知りたいのじゃ……
――最後に、読者へのメッセージをお願いします!
本作は『編集部NGギリギリまで裏側を見せていくBL漫画連載企画』として、連載が始まる前からタイトル決めや表紙案の決定など、多くの場で皆の力をお借りし、また、毎週金曜日には『定期進捗報告会』として原稿の進捗やわし自身のことも沢山見守ってもらってきた。
その作品である『社畜ですが神様に求婚されました』が無事に最終回を迎えられたのは、ひとえに皆のおかげでもある。
いかがだったじゃろうか。 『作品』だけでなく、『作品の外』の物語も楽しんでいただけたじゃろうか。
あなた方の長い人生の中で、この作品とこの企画と共に過ごした時間が、少しでも良いものになっていることを願う。
どうもありがとう。