『私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?』発売記念! あまつ昊先生 独占インタビュー
新鋭・あまつ昊先生のデビュー作『私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?』1巻がついに配信開始。これを記念して、ebookjapan限定であまつ昊先生の独占インタビューを公開いたします!
――自己紹介をお願いします。また漫画家を目指したきっかけ、デビューの経緯を教えて下さい。
はじめまして、あまつ昊(そら)と申します。
もともとは趣味でキャラクターデザインやイラストを描いていましたが、あるアニメ作品との出会いをきっかけに、漫画で物語を創作するようになりました。
それから数年、ジャンルを変えながら活動を続ける中でアルファポリスの編集者様からお声をかけていただき、『私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?』のコミカライズでデビューしました。
――小説『私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?』のどんなところに魅力を感じていますか?
逆境にめげず、自らの力で道を切り開いていくヒロイン・レイフェルのたくましさです。
優れた才能を持ちながらも驕ることなく、その能力を誰かのために差し出し続ける芯の強さがとても印象的で、心惹かれました。そんな彼女だからこそ周りに良き縁が結ばれるのだろうと感じています。
またヒロインとヒーローのふたりが緩やかに思いを育んでいく恋愛模様も、大変可愛らしくて胸が弾みます。
読み進めるごとに先の展開が楽しみになる、非常に魅力的な作品です。
©火野村志紀・あまつ昊/アルファポリス
――主人公レイフェルの健気さや前向きさが読者の間でも話題です。あまつさんが考える彼女の一番の魅力とは?
やはり前向きさと逞しさでしょうか。
薬学をはじめ多くの教養を身につけているからこそ、身一つで家を飛び出しても前を向いて進んでいけるのだと感じます。
自分よりずっと年下なのに立派に生活する彼女には、頭が下がる思いです。
――読者から「早く元婚約者や家族のざまぁが見たい!」という声も届いています。レイフェルを虐げた悪役たちを描く際に工夫している点や楽しさを教えてください。
悪役を悪役らしく描けているようで、ホッとすると同時にとてもうれしいです。
悪役といえどそのシーンでは彼らが主役ですので、はたから見れば滑稽な言動も大真面目な表現にできれば、と思っています。
とはいえ作画中は「こんなことをして後から痛い目見るのになぁ」と生暖かい目になってしまいますね(笑)。
©火野村志紀・あまつ昊/アルファポリス
――1巻に収録される第1話から第6話の中で、特に注目してほしいシーンはありますか?
第6話では、ヒロインと悪役それぞれの視点が描かれています。対照的なエピソードが一度に読めるのでお得感があり、私自身も楽しみながら描きました。モブ薬師たちのキャラデザインを考えるのもとても面白かったです。
――コミカライズを手がける際、特に楽しいと感じる瞬間は?
コミカライズに限った話ではないですが、自分の中で「ここは決めシーンだ!」と思う場面を描くときが一番ワクワクします。
例を挙げるなら、第1話でレイフェルが「この家の薬を作ったの、全部私ですよ?」と毅然と言い放つ見開き部分。作品タイトルをセリフに盛り込む演出はさまざまな作品で目にしてきており、「どれもカッコよくてインパクトがあるな」と強く印象に残っていたので、取り入れる許可をくださった原作の火野村先生には感謝の思いでいっぱいです。とても楽しく描かせていただきました。
また原稿を提出した際に担当様からいただく感想も次への活力に繋がっています。
「ここを面白いと思ってくださったのか!」という発見があるのも楽しいです。
©火野村志紀・あまつ昊/アルファポリス
――今後の展開で注目してほしいポイントを教えてください。
第7話からはレイフェルの周りで新たな騒動が巻き起こります。その困難にどう立ち向かい、乗り越えていくのか、注目していただけるとうれしいです。
また、アーロンを取り巻く環境の変化も見ものかなと思います。
――漫画を描くとき、特に意識していることや大切にしている作業はありますか?
このシーンでキャラがどういうアクションや表情をしているのか、という部分は気を配るようにしています。小説からそれを読み解き、表現に落とし込むのはコミカライズならではの醍醐味だと感じています。
時折、興が乗ってオーバーな表現になってしまうので、担当様に軌道修正していただくこともあります(笑)。
――本作が初めての商業連載となりますが、連載前と連載後で生活にどんな変化がありましたか?
めっきり家からでなくなった気がします。
最近は宅トレなどの動画も豊富ですし、秋頃に猫さんをお迎えしたこともあって、用事がない限り自宅の番人と化しています。
それを不便に思わない自分が恐ろしいですね。
――休日の気分転換方法を教えてください。
趣味で創作をしたり、近所に住む妹、甥っ子との外出が気分転換になっています。
目的がないと超インドア人間になるので、外に連れ出してくれる家族の存在には日々助けられています。本当にありがたいです。
――影響を受けた作品や好きな漫画を教えてください。
古舘春一先生の作品がとても好きです。
中でも『ハイキュー!!』はぜひ紙媒体で読んでいただきたい素晴らしい作品です。
ある日突然、妹に婚約者を奪われ、屋敷を追い出されてしまった貧乏男爵令嬢レイフェル。彼のため、家族のため、薬師として懸命に働いてきたレイフェルを実家の両親は迎え入れず、さらに虐げようとする。
――あぁ、もう我慢の限界です。
実家を飛び出し、一人で新しい人生を始めようと決意したレイフェルだけど、とある村で薬師として働くうちに、秘められた才能が発覚して――!?
天才薬師のチートすぎるセカンドライフ、開幕!