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『税金で買った本』新刊配信記念! 麒麟・川島明さんインタビュー

税金で買った本 原作:ずいの 著:系山冏

ヤンマガ:川島さんは作品のどんな点に惹かれたんですか?

川島:単行本から入ったんですが、本屋さんで見つけたときに背表紙が目を引いたっていうのと、やっぱり図書館側から見た図書館の話っていうのが興味を引きましたね。本の修理の話(2冊目『恩讐の彼方に』)みたいに、実際、うちの子供が図書館の本を破っちゃったことがあるんですよ。正直にそのまま持って行ったんですけど、家の本を直すときはセロテープを使っていたので、勝手に補修して返すのは迷惑なんだなって勉強になって。あと、匂いの話(5冊目『絶対できる!片付け』)が自分としてはすごく良かったんですよ。エピソードとしてもなんかリアルで、匂いっていうマンガではなかなか伝わりにくいところを真に迫る感じで描写していて。そこからハマりました。

ヤンマガ:他にお好きなエピソードは?

川島:図書館で充電する子の話(4冊目『エコ節電の教科書』)はいいですよね。あれは実際にもファーストフードや居酒屋で問題視されている行動ですけど、実際いくら浮くのかっていうことは誰も言ってなかったのが、ちゃんとそこを計算してツッコんでいて。これを読んでそういう行動を止めた人もいっぱいいるやろうなって思いました。物語として図書館あるあるをずっと描いていくのかなと思ったら、それだけじゃなくて、図書館を通じての背景の人間ドラマも描いていて。そこも面白いですよね。

ヤンマガ:川島さん自身、普段の生活で図書館を利用されたりはしますか?

川島:小学生のときはよく行ってました。貸出カードが好きやったんですよね。カラオケの履歴を見るのも好きなんですけど(笑)、その本を借りた人たちの人生が感じられて、こういう人たちの手を渡って来ているんだなと思うと、それこそ『税金で買った本』みたいなドラマがあって。大人になってからは子供が出来て一緒に行くようになりましたね。それでまた図書館に興味が出てきたタイミングで、ちょうどこの作品に出会ったんですよ。

ヤンマガ:じゃあ、実際に図書館で本を借りられたりも?

川島:基本的に借りるのは子供の本なんですけど、それを一緒になって見たりはしてますね。子供の本って言うても書いてるのは博士みたいな人なので、詳しいし分かりやすいんですよ。子供が今、虫が好きで、ハエ取りグモだけで一冊の本になってたりするんですけど、立派な目があるって分かったり、天敵も多いって知ったり、気いついたら夢中になって読んでますね。ネットでも調べられるんですが、本だとふいにページをめくってもプロが書いた面白さがあって。そういう本と出会えるのも図書館やからかなって思いますね。

ヤンマガ:読み聞かせのエピソードもありましたが(12冊目『三びきのやぎのがらがらどん』、13冊目『三びきのやぎのがらがらどん 大型本』)、川島さんもお子さんに読み聞かせをされたりしますか?

川島:めちゃします。すごい面白いですよね、あのエピソードは。読み聞かせってすごい技術が要るんですよ。どこで盛り上げる、どこでページめくるって。我々の仕事でも大喜利でどのタイミングでフィリップを出すかとか、その文字の書き方とか言い方とかめちゃくちゃあるんですけど、読み聞かせに共通していて、石平くんが悪戦苦闘してる様なんかもリアルやなと思いましたね。『税金で買った本』もぜひ図書館に置いて欲しいですね。図書館におけるルールやマナーをマンガで知れるわけじゃないですか。『アメトーーク!』で紹介したときもお子さんがいる方からの反響がすごかったんですが、子供がもうちょっと大きくなったら僕もぜひ読ませたいです。

ヤンマガ:図書館に置いて、子供にこそ読んで欲しいヤンマガ作品!

川島:子供が読むような媒体で連載していてもいいはずなのに、これがヤンマガだっていうのが逆にめちゃくちゃいいんですよ。それこそめちゃくちゃ荒れてる高校で唯一治安を守っている図書室みたいな存在じゃないですか(笑)。エロとバイオレンスの中でひとり優等生がいると、どっちも締まるなっていう。そういった意味でのギャップもすごく自分の中で刺さっていて、ひとつくらいはこういう存在がないと。ヤンマガの良心の部分を見ましたね(笑)。

ヤンマガ:他にお好きなヤンマガ作品について、ぜひ聞かせてください。

川島:今一番楽しみにしているのは、『ザ・ファブル The second contact』(南勝久)ですね。ファブルと知らんと絡んでくるヤツとか、陽子ちゃんの酒自慢であるとか、読んでいて楽しい要素がいっぱい入っていて、ホンマにずっとワクワクできるじゃないですか。それでいて実はそこまでの悪人もいなかったりして、また帰ってきてくれてすごい嬉しいです。

ヤンマガ:電子書店で川島さんオススメの作品が展開されますが、そちらでもヤンマガ作品を多数取り上げていただいてるんですよね。

川島:その中でも『パッパカパー』(史村翔・水野トビオ)なんかは電子書籍でしか読めないですからね。学生時代、マンガも競馬も好きなのにお金はなくて、それでも競馬マンガだけは知識が入るから全部買い集めてたんですよ。その中でも『パッパカパー』が大好きで。いや、馬券買いでどんどん堕ちていく人間の話で、ひどいマンガなんですよ(笑)。でも競馬に負けたあとに読むと、コイツらよりはマシかなって癒されて。今は絶版で、電子書店を見たらあったので全巻読み直したんですけど、当時読んだとき以上にトンデモなかったです(笑)。

川島さんのおすすめ作品

ザ・ファブル The second contact 著者:南勝久
パッパカパー 原作:史村翔 漫画:水野トビオ

取材・文/渡辺水央

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