『刷ったもんだ!』元ヤン、印刷・デザイン会社に新卒入社!? 仕事もプライベートも全力投球なお仕事コメディマンガ
染谷みのる『刷ったもんだ!』第1巻書影
月刊誌「モーニング・ツー」にて好評連載中の『刷ったもんだ!』。本作は自身も元印刷会社勤務の経歴を持つ、染谷みのる先生によるドタバタお仕事コメディマンガとなっています。
物語の舞台は東京都内のとある中小企業である印刷会社。ここに新入社員として入社した、元ヤンという異色の経歴を持つ主人公・真白悠。彼女と仲間たちによる、賑やかなお仕事コメディ作品です!
あらすじ
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
主人公・真白悠が新卒社員として入社したのは、都内の印刷会社である虹色印刷。
彼女が所属する企画デザイン課は、主に印刷物のデザインやデータ作成を始めとし、様々な仕事を請け負う「スーパーごった煮部署」でもありました。
会社で手がけているのはマンガ・雑誌などの一般商業印刷物を始め、学校の卒業アルバムやアニメ作品の公式グッズ、そして同人誌の印刷などなど。
非常に多彩な印刷物に囲まれて、真白は今日も元気に働いています。
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
元ヤンという経歴を隠しながらも、その表情や言動から隠しきれない過去のオーラが時折垣間見えてしまう彼女。
らしくないという自覚はありつつも、それでもこのデザインという仕事は彼女が学生の頃から、ずっと憧れてきた仕事でもありました。
個性豊かな先輩や同僚に囲まれ業界の人間として少しずつ様々な知識を学び、印刷の魅力や面白さにどんどん虜になっていく真白。彼女は今日も周囲の仕事仲間たちと、全力でお仕事に邁進しています!
仕事もプライベートも全力投球! 令和の時代らしい主人公に
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
これまで世の中には、様々な面白いお仕事マンガが発表されています。
しかしこの『刷ったもんだ!』の主人公である真白悠も、数々の作品に負けないインパクトや魅力を持つキャラクターですね。
まずは彼女の気になるポイントがたくさん眠っている、ひた隠しにしたい元ヤンという過去。
あわせてなぜ真白は、元居た世界とはずいぶん離れた印刷・デザインの世界へと興味を持ったのか。それもまた今後の展開で明かされるであろう、気になるエピソードのひとつです。
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
さらに彼女のことを語る上で欠かせないのが、金森先生というマンガ家の大ファンであるという点。
仕事とは別の顔を持ち、SNSで同志と日々語り合う彼女。多くの人が身に覚えがある毎日を送る彼女は、非常に令和の時代らしい共感ポイント満載の主人公であるとも言えるでしょう。
昔から大好きだった仕事にも、今大好きなプライベートにも全力投球の彼女。
そんな真白のエネルギッシュな日々を垣間見ることで、思わずこちらも元気になるようなマンガでもありますね。
紙の本がぐっと面白くなる!?印刷・デザインの専門知識や隠された魅力がたくさん
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
さらにお仕事マンガの大きな魅力のひとつでもあるのが、一般の人はなかなか知ることのないその業界ならではの様々な知識や魅力!
本作では実際に業界に勤めていた染谷先生によって、印刷会社の知られざる一面や専門的な知識、大きな魅力など、たくさんのポイントがあちこちに散りばめられています。
電子書籍やデータのデジタル化が進み、それに従って減少していく紙の印刷物。
ですが本作では電子書籍ではなかなか味わえない、印刷に関するデータ作成のノウハウや出力インク、紙の話など。マニアックなネタも満載なのが、本作の面白いポイントのひとつでもあるでしょう。
染谷みのる『刷ったもんだ!』より
そのため実際に同じ印刷・デザイン業界に勤める人々や、あるいは同人誌制作や自費出版など、クリエィティブ活動を趣味として行っている人に読者が多い様子。
「印刷や紙、デザインの魅力や面白さをより知ることができる!」と話題の作品でもあるんだとか。
数は減っているとは言え、それでも私たちがまだまだ日頃目にする機会の多い出版物。
私たちが手にしている雑誌や小説、マンガなどの本に隠されたユニークな魅力や面白さとは。電子書籍だけでなく実際の紙でも手にしたくなるような、そんな作品ともなっています!
執筆:ネゴト /曽我美なつめ