『恋、泡沫、思ヒソメシカ』完結記念! 榮屋シュロ先生インタビュー
不器用リーマン×世話好きカフェ店主のじれ恋。『君、シヲレルコト勿レ』スピンオフ作品がついに完結。作者の榮屋シュロ先生にお話を伺いました。
――自己紹介をお願いします。
榮屋シュロです。よく「シェロ」と間違われますが棕櫚の葉のシュロでございます。
――描き始めたきっかけ、デビューのきっかけを教えてください。
ゲーム周りの絵の仕事をずっとしておりまして、漫画に関しては公私共に経験値がとても浅いです。
きっかけは友人に編集さんを紹介して頂いたからなんですが、自分の画風でゼロからの物作りが出来るなら是非、というような感じでした。
――本作執筆のきっかけを教えてください。
前作『君、シヲレルコト勿レ』のスピンオフとして始まった本作『恋、泡沫、思ヒソメシカ』ですが、前作で九重さんが登場した時からもう「いつかこの子を主人公で描けたらいいな」と思っていました。
しっかりキャラ立ちしてたから……。
榮屋シュロ「恋、泡沫、思ヒソメシカ」1巻より
――完結した今の心境を教えてください。
酸いも甘いも知り尽くしてた彼を、幸せにできてよかったなあ……。
「君シヲ」も「恋ソメ」も、出てくる人達皆に幸せになってほしいですね。
――完結した今、キャラクターたちに声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか。
不器用なりにお互い頑張ろうな。
榮屋シュロ「恋、泡沫、思ヒソメシカ」1巻より
――描いていて楽しかったシーンなどあれば教えていただきたいです!
私が眼鏡好きなのもあって、樫さんのオフモードは描いていてとても楽しかったです! 九重さんのオフモードも眼鏡なので、ほんの少しですが出せてよかったなと。
キャラのルックスが途中で変わるのが結構好きなので、九重さんのヒゲまで剃り落とす始末でございます。
あとは料理を美味しそうに描くことを心掛けていて、描くの楽しいは楽しいんですが……、
下描きに「美味しそうな料理」と雑な指定を自分で書いていて、締切前は己を呪っていました。
――本作を一言で表すとすればどんな言葉ですか。
前作に引き続きの私の中のテーマなのですが「優しい物語」です。
読者様が疲れて家に帰ってきて、ふと読んだときに少しでも癒されるようなお話にしたいと思って両作とも描いていました。
こんな世界になったらいいな、きっとなるから……と思いながら。
榮屋シュロ「恋、泡沫、思ヒソメシカ」1巻より
――作品のアイデアを思いつくときはどんな時ですか。
締切やらスケジュールやらが決まった時です……というと情緒も何もなさすぎますが、中間地点やゴールを決めないと脳内が途端にダメ人間になる榮屋です。
特に1枚絵と違って漫画はストーリー部分をじっくり練り上げなければいけないので、自分が描きたそうなもの、現実的に見て今の自分の技術や環境で描けそうなもの、そこから需要も考えながら地道に土台を積み上げていく……みたいな感じでネタ出しをしてる気がします。
1枚絵の時は己の欲望に任せてパッション!!!で描きあげることが多いですが、漫画は想像していたよりずっと持久走でした……。
あと夢に出てきた不思議なモチーフとかはネタ帳に突っ込んであるので、そこから使えそうなものを使っ……たことはないけど……。(いつか使いたいです)
――作品を作る時に、最初に始めることは何ですか。
主軸になるキャラのラフを描き、己の性癖を詰め込んでいきます。
あとは全体を通して「これだ」と思うような描きたいシーンを想像したりして、自分のテンションを上げつつ、脳内を仕事モードにシフトしていく感じです。
――キャラクターを描くときに気を付けていることなどありますか。
「君シヲ」と「恋ソメ」に関しては、綺麗な線で描きあげようと思っていました。あと1人に設定を盛りすぎないこと。
線に関しては私がゲーム畑の人間だったので、どうしても1本の綺麗な線で描きがちという癖もあるんですが……(ゲームスチルとか、線がぶれることなく1本で綺麗に描く仕事なので)
描画的に気をつけていきたいことは山のように沢山あります! ほんと山のようです。今後も気をつけます。
次はもう少し味のある線にしたいなと思いつつ……。
――キャラクターを描くときにどこの部分から描きますか。
背景のパースにもよりますが、顔の輪郭線が多いです。
――休日、気分転換にすることはなんですか。
「ファイナルファンタジー14」です(クソデカボイスで言わせてください)。
基本ゲームや土いじり、勉強も兼ねて漫画を読み漁る、時間のあるときにする料理などがストレス発散になっているような気がします。
あとは香りのいいものが好きなので、アロマのブレンドだったり。そろそろハリオのハーブウォーターメーカーがほしいところ。
――今ハマっていること(もしくはモノ)を教えてください。
筋トレと有酸素運動をSwitchのゲームでやっています。ハマってるというかハマらざるを得ないぐらい筋力と体力落ちたなと思って……つらい。
『ジャストダンス』楽しいです、おすすめ。
――好きな漫画・作品はありますか(BL、非BLかかわらず)
まとまらないぐらい沢山ありすぎて……。
最近は小山宙哉先生の『宇宙兄弟』、たらちねジョン先生の『海が走るエンドロール』、磯谷友紀先生の『ながたんと青と -いちかの料理帖-』、
眉月じゅん先生の『九龍ジェネリックロマンス』、タヤマ碧先生の『ガールクラッシュ』を夢中で読んでいます。
――今後書いてみたいジャンル、カップリングなど教えてください。
ざっくりですが、ブロマンスものやアクションものを描きたいですね。
――他のBL作家さんに聞いてみたいことなどありますか。
BL作家さんから見たおすすめのBL作品!
挙げられた端から端まで全て読みたいです。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします!
読者様がいるからこそ私が漫画を描き続けられるわけで、本当に感謝しかありません。
読んでくださって本当にありがとうございます!
ファンレターをくださる方もいらっしゃって、一通一通しっかり拝読しております、冗談抜きで宝です。
最近しんどい現実が続きますが、そんなときこそエンタメや芸術の本領発揮だ……そう思って筆を走らせています。
私の作った作品達が、一瞬でも良い意味での現実逃避となって、ほっこりした気持ちになって、少しでも癒しを与えられることが出来れば 描き手冥利に尽きるというものです。
そう出来るよう精一杯頑張って描いて参りますので、今後も何卒宜しくお願いいたします!