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『オトコ心とワンコ飯』完結記念! 神形ばかを先生インタビュー

後輩ワンコ×不器用な先輩のお腹も心も温まるハッピーラブ『オトコ心とワンコ飯』がついに完結。作者の神形ばかを先生にお話を伺いました。

オトコ心とワンコ飯 著者:神形ばかを

――自己紹介をお願いします。

神形ばかをです。「かんなりばかを」と読みます。変なペンネームですが、その由来には「神々しいバカでありたい」という意味がこもっている、とかそういうのは全くありません。漫画家になって4年ぐらいです。

――描き始めたきっかけ、デビューのきっかけを教えてください。

漫画を描き始めた最初のとっかかりは、高校生の頃です。憧れだった世界史の美人先生の目を引きたいという思いから、板書用ノートに項羽と劉邦の物語を勝手に連載し始めたことが始まりです。
その後大学時代、進路に悩んで漫画家養成講座「MANZEMI」に入門し、漫画の書き方を改めて勉強し直し、漫画家になりたいと思うようになりました。ありがたいことに、その縁が更に縁を繋いでくださったことで現担当編集さんに作品を見ていただくことが叶い、その後『バラ風呂ぶろまんす』でデビューしました。本当に、出会った方々のお陰で今までなんとかやってきてます。

――本作執筆のきっかけを教えてください。

腐女子友達との飲み会で、互いに妄想を語りあっているときに構想が固まったことがきっかけです。一平と拓海よりも先に、「ワンコ飯」というワードが決まりました。
その後、前作『花と骨』を執筆し終えた頃、担当編集さんに「今度はパッと明るい作品を書いてみたいっす」と相談しながら進めていった、という流れです。

――完結した今の心境を教えてください。

実は正直なところ、完結したなぁ!という感慨深さはあまりないんです。私の中で拓海と一平は、LINEしたら遊べる友達ぐらいの距離感なので、今は「また遊ぼーぜー」って手を振りながら終電に乗ったような心境です。

――完結した今、キャラクターたちに声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか。

「君たち、ぼちぼち、腹一杯食べることより食事のバランスも考えた方がいいぞ。」
とかですかね。

――描いていて楽しかったシーンなどあれば教えていただきたいです!

一番楽しかったのは、大家さんが出てくるシーンです。こういう質問、二人の恋愛シーンとかお答えするのが筋なんでしょうけど、思いっきり脇役の話ですみません。
大家さんは、図々しくて太々しいかと思いきや、意外と情に厚い人なんですよね。馥郁たるはどこかノスタルジーを感じる昭和の香りで、私にとっては子供の時分にお裾分けをくれていた「近所のおばあ」のような安心感をくれる人です。一体どんな人生を送ってきたのでしょうかね。彼女が登場するシーンは、いつもノリノリで描いていました。

――本作を一言で表すとすればどんな言葉ですか。

素直さは宝。

――作品のアイデアを思いつくときはどんな時ですか。

私の場合アイデアというのは、ポスティングのチラシみたいなものなんです。頼んでもないのに勝手に色々と湧いてくるといいますか。大概は役に立たないものなのですが、たまにその中に光輝いて見えるものがあるので、それを選定して使っています。後からあのチラシどこやったっけ?と部屋中ひっくり返したり、見つからなくて探しにいくようなこともしばしばありますが。

――作品を作る時に、最初に始めることは何ですか。

コーヒーを淹れてタバコを吸いながら、A4のコピー用紙に頭の中に浮かぶものを絶え間なく書き連ねます。

――キャラクターを描くときに気を付けていることなどありますか。

彼らの「本音と建前」でしょうか。絵を描くときは、表情には特に気をつけています。

――キャラクターを描くときにどこの部分から描きますか。

下書きはシルエットから描きますが、ペン入れは必ず目から描きます。

――休日、気分転換にすることはなんですか。

気の置けない友達と飲み屋で酒と会話に浸ることが最高の気分転換です。

――今ハマっていること(もしくはモノ)を教えてください。

最近、押し入れから数年来に引っ張り出したギターを弾きならすことにハマっています。いつか友達の結婚式の余興なんかで、中島みゆきさんの「糸」を弾き語りして拍手喝采される日を夢見ていていますが、今のところ誰からもお声はかかってません。

――好きな漫画・作品はありますか。

いやはや、好きな漫画・作品は多すぎるので、この手の質問はすごく頭を抱えてしまいますね〜。
BLジャンルだと、朝田ねむい先生の『Dear, MY GOD』、はらだ先生の『やじるし』、 英数字先生の『めんどくさいけど愛してる』は特に大好きで、強く影響を受けました。
漫画家になりたいと願う原点になった作品は、岡崎京子先生の『リバーズ・エッジ』です。

――今後書いてみたいジャンル、カップリングなど教えてください。

ジャンルなら、青春系のお話や、人情話。
カップリングは、ケンカップル、バディ、主従なんか書けると楽しいだろうなと思います。 
でもまぁ、「それ面白そう」という感覚があれば何でも書きたくなるので、ジャンルやカップリングにはそれほど拘りがありません。

――他のBL作家さんに聞いてみたいことなどありますか。

私、エッチなシーンを描いているといつも、途中で恥ずかしくなってしまって全然筆を進められなくなってしまうのです。どうすれば集中できるんでしょうか。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします!

『オトコ心とワンコ飯』をお読みくださいまして、ありがとうございます。
この作品を書きながらも日々の暮らしをしていると、しばしば思うことがありました。漫画と料理って似ているんですよね。料理は食べる時間はほんの短い時間ですが、美味いものを作りあげようと思ったら、そこには何倍もの手間と時間がどうしてもかかるんです。それは漫画も同じでしてね。たった6話のお話を描くにあたってでさえ、時にはなかなかしんどい思いをした時もありました。

だけど、今こうして皆さんお一人お一人が作品を読んでくださり、その短い時間で心が満たされたなら。「美味い」って気持ちが震えたならば、苦労も疲労も忘れてしまえます。作り手にとってはこれほど報われ、幸せなことはありません。皆さんのお陰で私、また次も作れます。だから、その時をどうぞ楽しみにしててくださいね。ほんとうに、どうもありがとうございます。

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