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「SF入門者にオススメのまんが」コラム執筆、瀬名秀明氏のプロフィール
瀬名秀明(せな・ひであき)
1968年1月17日生まれ、静岡県出身。東北大学大学院修了。
在学中に執筆した『パラサイト・イヴ』(新潮文庫刊)で第2回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。
1997年に発表した『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞を受賞。
2016年10月21日に最新刊『この青い空で君をつつもう』(双葉社刊行)発売。
瀬名秀明氏の選ぶ
SF入門者にオススメのまんが①
小学生のときに読んで、強烈に心に刻みつけられた短編集です! 手塚先生の名作は数多くありますが、お薦めはと聞かれたらいつも真っ先に挙げるのがこれ。
夜思い出して眠れなくなったほど恐かった「巴の面」や「溶けた男」、構成の見事さに唸って物語の面白さを知った「八角形の館」や「いけにえ」、笑いが同居した「三人の侵略者」や「墜落機」……。全17編、ひとつとして凡作はありません。かつて江戸川乱歩が「奇妙な味」と呼び、後に藤子・F・不二雄先生が「S(すこし)F(ふしぎ)」と呼んだ短編物語の魅力が、まさにここに詰まっています。手塚先生への入門編として最適なだけでなく、まんがの、短編の、SFの、何よりも物語を読むということへの入口として、本当に魅力的な作品集なのです。
これを読んだら「もっとまんがを読みたい! 物語を読みたい!」とわくわくしてくることは間違いありません!
瀬名秀明氏の選ぶ
SF入門者にオススメのまんが②
ぜひ『ミルクがねじを回す時』(旧題『腹話術』)と2冊いっしょにお買い求めください。この2冊は高橋葉介最初期の短編集で、10代のときに読んでそのあまりに強烈な個性と面白さに魂を抜かれました。抜かれたままいまだに返してもらえていません。一瞬にして虜になりました。作家の瑞々しく天才的な感性が、すべてのページから迸り出ています。
『ミルク』はどちらかというと鮮烈なイメージのショーケース。『仮面少年』はさらに物語性を掘り下げた読み応えのある短編が多くなっています。独特のユーモアの「我楽多街奇譚」3編は何度読んでも味がありますね。ラストの「荒野」は、『ミルク』のラスト作品「笛」とともに、もはや私にとって生まれる前から持っていたかのような心の故郷、原風景です。
「荒野」の灼熱と乾きも、「笛」の耳に聞こえないはずの四分音符の音色も、読めばあなたの夢となり、その夢こそあなたのまこととなるのです。
瀬名秀明氏の選ぶ
SF入門者にオススメのまんが③
最初にいっておきます。この作品は、未完です! それがこの物語の凄さなのです!
永井豪先生初の超能力SF長編。最初はギャグ調で始まりますが、東西の有名な超能力SF小説や研究に詳しく言及して、自分も本格的なSFを描くのだという当時の作者の意気込みがびんびんと伝わってきます。
早くも物語は不穏な空気で覆われ、衝撃の展開が訪れます。「たすけて~…朱紗く~ん」「おかあさ~ん」の悲鳴はいまも耳から離れられません。『凄ノ王』のタイトルに違わず本当に凄まじい絶望的なシーンで、そりゃあ超能力も爆発しようというもの。ごく普通の高校生が、人には制御できないほどの超能力を持ったらいったいどうなるのか。この答えようのない問いに対し、永井先生は何度も真正面からぶつかってゆきます。
“日本の神話を復活させたかった”“(神々の物語なのだから)ストーリーを最大限にスケールアップできたところで、未完のまま終わらせたかった”と、後に永井先生は連載の目論見を明かしていますが、当時の読者が未完を許さず、出版社を跨いで続編『凄ノ王伝説』が描かれました。eBook版はさらに加筆修正、再編集を行い、須佐之男命の巨大な神話を読者に垣間見させて、やはり未完のまま終わります。
二段階の未完の余韻が、強く胸に残ります。神話の、SFの宿命を目の当たりにするかのようです。
瀬名秀明氏の選ぶ
SF入門者にオススメのまんが④
雑誌掲載時から毎回わくわくして読んでいました! 当時は24時間テレビ枠内でスペシャルアニメ化されており、いまなお読んで面白い、隠れた名作といえると思います。
原作担当は『百億の昼と千億の夜』の作者、宇宙の抒情詩人・光瀬龍。本作は光瀬先生と竹宮惠子先生のよいところが見事に融合し相乗効果を上げた奇跡の一作でしょう。アラビア風の魅惑の異世界に謎の隕石が落下し、そこから放たれたロボット群が水面下でじわじわと王朝の幸せを蝕んでゆく前半は、まさに物語の王道展開で惹き込まれずにいられません。生まれた王子が双子で、離ればなれの運命を辿る貴種流離譚も王道ながら、その双子が運命の再会を果たすあたり、光瀬節が炸裂します。その流れるようなストーリーを紡ぎ上げてゆく竹宮先生の絵が本当に美しい!
本来なら十数巻にも及ぶ大河巨編となるべきところ、後半の壮大な攻防戦が圧縮されて全3冊と短くまとまったのは惜しまれますが、それでもラスト近くの、剣の鞘を投げ棄てて世界へと戦いを挑んでゆくイルの後ろ姿は、『百億の昼と千億の夜』の登場人物“あしゅらおう”を想起させる屈指の名シーン! ラストの余韻も素晴らしいです。
瀬名秀明氏の選ぶ
SF入門者にオススメのまんが⑤
私は自分でもロボット/AI(人工知能)を題材によく本を書くので、その分野の物語には多く接しているつもりですが、すみません、今回断言させてください。古今東西すべての小説・映画・まんがの中で、いちばん最高のAI物語は、他のどれでもなくまさにこの『VERSION』です!
息苦しく思えるかもしれない濃密な第一部を読み終えた後、舞台が広大なオーストラリアの大地へと移ってからのサスペンスに富んだ躍動感はどうでしょう! ペンタッチはどこまでも流麗で、ワープロやコンピュータを使った作画は驚くことにいまなお色褪せず、漆黒の墨ベタ部分さえ黒曜石の如く輝き、無限のドラマが塗り込められているかのようです。最高の作画で最高の哲学ドラマが展開するのです。
「ゲノムとのアクセスだ!」と叫ぶ台詞には初読時あまりのかっこよさに痺れました。バイオAIチップ「我素」を巡る闘いは、“私”とは何か、命とは何かという問題そのものを視覚化してゆきます。自我として私たち人間に寄生する情報ネットワーク総体の“私”と、悠久の時空間の流れによって進化を続け命のバトンを受け渡してきた身体としての私たち。それらの二項対立を超えて「思考の果て」にある答とは?
この究極の問いに対し観念論に陥らず絵で決着をつけた著者の筆力には、いまもぞくぞくと震えが走ってやみません。本物の感動にぜひ出会ってください。正真正銘の大傑作です!