
「ずっと、好きでした」 泣いて、隠して、あきらめて。それでも女の子になりたかった――。『罪の声』の著者がたどりついた「本当に人を愛する」ということ。感動の傑作長編。******* 「えっ、真壁君、ほんまにするの?」 「目つむれ」 「へっ? あかん、あかん」 後ずさった翔太郎の肩を真壁君が両手でがっしりとつかんだ。「深呼吸しろ」 言われるがままに大きく息を吸って、長く吐いた。その間、お互い顔を見られなかった。(本文p111―112より) ******* 小学四年の春、同じクラスになった真壁君の顔を見たとき、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、ずっと女の子になりたかった――。終章、二十四年後の春に明かされる優しく美しい秘密とは。生きてゆくことの切なさに共感せずにはいられない感動の青春恋愛小説。
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2025/3/31 23:59 まで有効
塩田武士さんの作品は今回が初読み。
医学用語でいうところの性同一性障害を扱っており「体は男性だけれど心が女性」の翔太郎の成長する過程を描いた物語。
小学校4年生で自分の性に対する違和感をはっきりと認...
「氷の仮面」塩田武士 著
0.著書より
「純白のウエディングドレスのように、
人間の心が一色に染まることはほとんどない。」
「女になるのが、わたしの人生の前半なら、
後半は人として何を残すのか...