
忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。映画化決定(主演・太賀、衛藤美彩)、本屋大賞受賞作家の瑞々しいデビュー作。行助は美味しいたいやき屋を一人で経営するこよみと出会い、親しくなる。ある朝、こよみは交通事故の巻き添えとなり、三ヵ月後、意識を取り戻すと新しい記憶を留めておけなくなっていた。忘れても忘れても、二人の世界は少しずつ重なりゆく。文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しデビュー作。*文庫版には「日をつなぐ」(角川文庫『コイノカオリ』収録)も併録しました。解説・辻原登※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
「私は光をにぎっている」「四月の永い夢」を観て好きになった中川龍太郎映画最新作の原作ということで「静かな雨」を読んでみた。
職を失った「行助」が、屋台でたいやきを売っている「こよみさん」に出会うとこ...
『静かな雨』
やたらと美味しい鯛焼き屋のこよみさんと出会った主人公。
そのこよみさんは突然の事故で事故前の記憶しか留めておけない。
毎日事故前までリセットされる記憶。
たまたま『博士の愛した数式』を...
思いがけず仕事を失い、駅のそばのパチンコ屋の裏の駐車場にたい焼き屋を見つけた行助。
焼きたてのたい焼きは驚くほどおいしくて、店の奥にいたまっすぐな感じの女の子、「こよみさん」に一目惚れをする。
軽やか...