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ビッグコミック 1990年代

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1990年代

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1990年
官僚政治の腐敗に鋭いメスを入れる.!
表紙『メドゥーサ』 - 漫画
かわぐちかいじ
1990年
酒場「蜃気樓」には、時空を超えた真実がある
表紙『蜃気樓綺譚』 - 漫画
松本零士

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1991年
豪華タッグがテレビニュースの表と裏を鋭く描写
『ラストニュース』コマ
表紙『ラストニュース』 - 漫画
原作:猪瀬直樹 作画:弘兼憲史
1991年
松本零士がめぐる幻想の旅
表紙『夢奥の細道』 - 漫画
松本零士
1991年(「少年ビッグコミック」)
山岳コミックの金字塔
表紙『岳人列伝』 - 漫画
村上もとか
バブル崩壊とマイ・ファースト・ビッグ
1991年には、5年続いたバブル景気が終わった。土地や株といった資産が軒並み上昇して、高級マンションや高級車が飛ぶように売れた時代から一転、景気が後退すると、企業は交際費、交通費、広告宣伝費の3Kを削減するなどの対策を打ち出し、サラリーマンの懐具合も厳しくなった。マンガも少年誌は好調を維持していたが、青年コミック誌の売上は落ち始めた。『ビッグコミック』も創刊以来読者の中心だった団塊の世代が、子どもの進学や住宅ローンなどの家計負担に苦しむようになったこともあり、部数的には苦戦が続くようになった。そんな中、1999年には店舗数を拡大していたコンビニ・チェーンと協力して、新しい単行本シリーズ「マイ・ファースト・ビッグ」がスタートする。1冊300円。仕事帰りのサラリーマンが弁当と一緒に買ってお釣りが出る値段設定だった。新たな販売チャンネルを開拓した結果、5年後には254億円の市場規模に成長した。(中野晴行)

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1992年
ノスタルジックでファンタジーな自然讃歌
表紙『川歌』 - 漫画
青柳裕介

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1992年
戦国時代の中国。「守ること」に命をかける墨者の死闘!
『墨攻』コマ
表紙『墨攻』 - 漫画
森秀樹 原作:酒見賢一 シナリオ協力:久保田千太郎

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1992年
料亭「福之家」が舞台の政界浮世話
表紙『福ちゃん』 - 漫画
作:やまさき十三 画:北見けんいち

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1993年
「生きる」ことの意味を問う、絶賛を呼んだ感動作
『どんぐりの家』コマ
表紙『どんぐりの家』 - 漫画
山本おさむ
1993年
社会のあり方を問いかける感動作
表紙『どんぐりの家 それから』 - 漫画
山本おさむ

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1993年
天才ダンサーの血を引くショウの運命は
表紙『ショウ!』 - 漫画
くじらいいく子
1993年
柴門ふみ×糸井重里の豪華タッグで贈る青春ラブストーリー!
表紙『ビリーブ・ユー』 - 漫画
画:柴門ふみ 作:糸井重里

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1993年
抱腹絶倒の新・サラリーマン道指南
表紙『C級さらりーまん講座』 - 漫画
山科けいすけ
1994年
石ノ森章太郎の人気作品『HOTEL』江戸版!
表紙『HATAGO[旅籠]』 - 漫画
石ノ森章太郎
1994年
酒場「ぱろぱろ」は疲れた人の心の憩い
表紙『ぱろぱろ』 - 漫画
国友やすゆき
1994年
巨匠・青柳裕介の珠玉の読み切り集
表紙『男の船出』 - 漫画
青柳裕介
1994年
35歳の男たちと女たち、その愛の結末は──
『Age,35』コマ
表紙『Age,35』 - 漫画
柴門ふみ

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1994年
野球好きスカウト部長奮戦記!
表紙『サッチモ』 - 漫画
画:北見けんいち 作:やまさき十三

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1994年
板前を目指す勇魚の痛快青春ドラマ
表紙『バチワレ!いさ』 - 漫画
青柳裕介
作家陣にも新しい風が
90年代には、その後の『ビッグコミック』の顔となる戦後生まれのマンガ家たちが次々にお目見えして、新しい風が吹き始めた。谷口ジローは93年に『ひとびとシリーズ「けやきのき」』を連載。94年には、故郷の鳥取を舞台にした『父の暦』、95年には『神の犬 ブランカ』、そして、98年にはフランスでも高く評価された『遥かな町へ』を発表した。また、87年に『第二演出部ディレクター ザ・ガマ』でビッグに登場したかわぐちかいじは、90年から『メドゥーサ』、95年から『YELLOW』、98年からは『イーグル』とヒットを連発する。さらに、山本おさむは、ろう学校を舞台に聴覚障害と知的障害など重複障害を持つ子どもたちが懸命に生きていく姿を描く『どんぐりの家』を1993年から連載。それまでの『ビッグコミック』にはなかったテーマが話題になった。ギャグでは1993年に山科けいすけの『C級さらりーまん講座』が登場するなどした。(中野晴行)
1995年
20年ぶりに再開を果たした男と女。道ならぬ恋の行方は?
表紙『コキーユ』 - 漫画
山本おさむ
1995年
太平洋戦争末期の沖縄の真実を描く
表紙『砂の剣』 - 漫画
比嘉 慂
1995年
“消えた国”から帰ってきた母の記
表紙『母の曠野』 - 漫画
作画:石川サブロウ 原案:江沢 光 脚本:久保田千太郎

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1995年
動乱期の日本を駆け抜けた若者たち
表紙『YELLOW』 - 漫画
画:かわぐちかいじ 作:宮崎信二

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1996年
戦乱の世が舞台の壮大なロマン!
表紙『ムカデ戦旗』 - 漫画
1996年
団地にうずまく夫婦の秘密。戦慄のサスペンス・オムニバス。
表紙『幸福の丘ニュータウン』 - 漫画
細野不二彦
1996年
謎のハッカー「無力の王」が大企業や政治家の悪行をただす!
表紙『無力の王』 - 漫画
能條純一
1996年
SFの旗手・岡崎二郎が贈るにゃんにゃんワールド!
表紙『Neko2』 - 漫画
岡崎二郎
1997年
卓球を通して社長は進むべき道を示す!
表紙『卓球社長』 - 漫画
島本和彦

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1997年
元まぐろ漁師が水産訓練校の教師の道へ
表紙『北斗七星』 - 漫画
青柳裕介

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1997年
アメリカ大統領選の内幕を描く衝撃作
『イーグル』コマ
表紙『イーグル』 - 漫画
かわぐちかいじ

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1998年
会社のトラブルを極秘裏に処理!!
表紙『イリーガル』 - 漫画
作画:木村直巳 原作:工藤かずや

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1998年
新人渉外マンが大阪の町を駆け回る
表紙『まいど!南大阪信用金庫』 - 漫画
作:平井りゅうじ 画:北見けんいち

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1998年
徳川期の京都を舞台に描かれる本格時代劇サスペンス
表紙『公家侍秘録』 - 漫画
高瀬理恵
ビッグ5のひとり石ノ森章太郎が逝去
誌面が刷新されていく中で悲しい出来事もあった。98年1月28日、創刊時に「ビッグ5」のひとりだった石ノ森章太郎がリンパ腫による心不全で亡くなったのだ。享年60。89年に亡くなった手塚治虫や96年に亡くなった藤子・F・不二雄と奇しくも同じ年齢で亡くなったため、「売れっ子マンガ家の寿命は60歳」という俗説も流れた。『ビッグコミック』では、創刊号から捕物帳ミステリーの傑作として名高い『佐武と市捕物控』を連載。その後も『さんだらぼっち』『八百八町裏表 化粧師』といった時代物や安楽椅子ミステリー『草壁署迷宮課おみやさん』などを発表して、連載陣の中心的な役割を果たし続けていた。絶筆になったのは1984年から連載がはじまった、ホテルマンたちのプロフェショナルとしての仕事ぶりを描いた『HOTEL』。石ノ森は亡くなる直前まで原稿執筆に取り組んでいて、最終話が掲載されたのは98年3月25日号だった。(中野晴行)
1999年
貧しくて悲しい宿命を背負いながらも必死に生きる市井の人々
表紙『オーロラの街』 - 漫画
山本おさむ

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1999年
鶴姫の半生を描くスーパー伝奇時代劇
表紙『海鶴』 - 漫画
1999年
鯨漁に生きる男たち女たちの苛烈な生き様
表紙『鯨組』 - 漫画
青柳裕介

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1999年
彼の行くところ、今日もOLたちの悲鳴がこだまする!
表紙『五月原課長のつぶやき』 - 漫画

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1999年
幼き命を守るため、雑兵三人組が戦乱の世を駆ける!
表紙『戦国子守唄』 - 漫画

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1999年
身を盾にして要人警護に当たる覚悟の底にあるものとは?
『SPセキュリティポリス』コマ
表紙『SPセキュリティポリス』 - 漫画
国友やすゆき

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1999年
サルがアメリカの地で凄腕ゴルファーたちと激闘を繰り広げる!
表紙『サル』 - 漫画
藤子不二雄(A)

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1999年
新東京空港の新人受付と人間模様
表紙『ビッグウイング』 - 漫画
作:矢島正雄 画:引野真二
1999年
ダメゴルファーが奇跡を起こす! 世界一笑えるゴルフコミック
『黄金のラフ ~草太のスタンス~』コマ
表紙『黄金のラフ ~草太のスタンス~』 - 漫画
なかいま強

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1999年
バーの銀子ママは齢ン百年の銀ギツネ
表紙『銀のしっぽ』 - 漫画

コラム寄稿:中野晴行(なかの・はるゆき)

1954年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。
7年間の銀行員生活の後、フリーの編集者・ライターとなる。
1997年より、個人事務所を大阪から東京に移す。
『マンガ産業論』で日本出版学会賞奨励賞、日本児童文学学会奨励賞を、『謎のマンガ家・酒井七馬伝』で第37回日本漫画家協会賞特別賞を受賞。
近著に『まんが王国の興亡 ―なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか―』がある。(自身初の電子書籍)

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