
都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議な女がいた。露子姫の前にも姿をみせたという。その話を晴明が耳にした翌日、蜘蛛の巣に妙なものがひっかかったと僧が訪ねてきた。早速、博雅と寺に赴き、蝶のようなそれを放すと……。はたして女の正体とは? 天皇の命で博雅が童と笛比べをする「笛吹き童子」、鼠の化生を助けた事を口にしてしまい逆に命を狙われるようになった男を救う「不言中納言(いわずのちゅうなごん)」ほか、全9篇を収録。宿命のライバルである蘆屋道満との対決にも要注目。晴明の呪、博雅の笛が京の怪事件を解き明かす大人気シリーズ!
久々の『陰陽師』
陰陽師 安倍晴明と相方 源博雅のふたりによる9つの怪奇譚。
今回は呪による掛け合いや菅原道真の怨霊話ようなものはなく、どれもアッサリとしているのだけども、その実、儚くしんみりと、女...
このとき読める陰陽師シリーズはこれが最後になります。とても楽しい時間を過ごすことができました。清明と博雅のやりとりにいつもほっこりさせてもらいました。生涯でここまで思い合うことができる友と出会うこと...
妖のモノ達が人の側に居た時代、妖し事件を晴明と博雅が解決してゆく短編集。
何が好きって、二人が縁側(?)でほろほろと酒を交わしている描写がなにより好き。
同じ日本でありながら、現代とは全く違う時が流れ...