『ミステリと言う勿れ』注目ポイントのひとつが、さり気なく紡がれる珠玉の言葉たち。
自身の思い込みを覆されたり、心を解き安心感を与えてくれたり、感情を揺さぶる名セリフがたくさん登場します。ここでは、ebookjapan書店員の独断と偏見による、特に心を掴んだシーンをご紹介します!
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「子供なんだから、何をやらされているかなんてわからない」と、親戚の子供を軽んじる言動に対して、整が真剣に相手を諭す場面。自分に置き換えてみる、という聞き手側の理解への導線も秀逸で、思わず読む手が止まりました。
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誰かと比較して自分の限界を決めて諦めてしまうことって、ありますよね。この言葉に出会って、頑張っていた過去の自分を褒めてあげたいと思えました。今後、何かに挑戦して躓きそうになった時も思い出したいセリフです。
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“何かになりたい”という夢や目標がない人にとっても、岐路に立った時、この考え方はひとつの指針になると思いました。視野が広く多角的に物事を考えられる整だからこそ生まれるセリフですね。
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自分は何のために生きているのかと自問する犯人に対して、「意味はない」と、整がズバっと切るところから始まるワンシーン。自分の存在は他者のためにある――と繋がります。セリフ冒頭の一刀両断に驚いたぶん、その後のセリフに重みが出て深く深く刺さりました。
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バスジャック事件で整が出会った青年。愛珠の死の真相を執念深く追求する。
「絵をやりたいけど、才能がなかったら…」と悩む少女とガロのワンシーン。変え難い事実を軽やかかつ前向きに捉え、納得するとともに、一歩を踏み出す勇気をくれる言葉です。
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整が入院先で出会った人物。『自省録』をもとにした暗号を操る。
整からの贈り物をきっかけに、身の回りにある絵画が目に留まるようになったライカ。物理的なことはもちろん、人の考え方など目には見えないことにも当てはまる、深い言葉だなと思いました。
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とある事件で出会った、同じ大学に通う朗らかな青年。整は“苦手な相手”と思っていたけれど、日常のなかでふと彼を思い出し――。人付き合いが不得手な整にそっと気づきを与える、ライカの優しさが伝わるセリフです。
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心理学准教授。幼少の頃から整を知っており、現在はゼミで整を指導している。
自身の心境の変化に戸惑う整に対する天達先生からのエールです。変化することを恥ずかしがらず柔らかく受け止め、自分を知り、形作っていく。それは年齢を重ねても続いていくことだと思いました。天達先生の生徒になりたい…。
©田村由美/小学館
とある事件の容疑者として捕らえられ、刑事から「どれだけ虚言を尽くしても真実は一つ」と詰められた際に整が冷静に反論するシーン。会社でもプライベートでも、誰かと対話するとき、つい自身の感情だけに囚われないよう、このセリフを思い出しています。
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