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雲田はるこ

2008年、『窓辺の君』(東京漫画社)でデビュー。2010年、短篇集『野ばら』が「このBLがやばい!2011」にて3位にランクインするなど、躍進を続けている。その後一般誌に活動の幅を広げ、代表作『昭和元禄落語心中』は第38回講談社漫画賞一般部門受賞作、同文化庁メディア芸術祭マンガ部門受賞作、第21回手塚治虫文化賞新生賞に選ばれるなど、数々の賞を受賞している。2016年にアニメ化された、三浦しをん『舟を編む』ではキャラクター原案を務めるなど、個性的で優しい絵柄の雲田はるこ作品は、多くの読者の心に安らぎを与えている。

全7作品 「雲田はるこ」といえばこれ!
書店員おすすめの1冊

またたび荘へようこそ♥ポルノ小説家兼大家×リーマン見守りBL
BLいとしの猫っ毛(1~5巻+番外編)
表紙『いとしの猫っ毛』 - 漫画
BLいとしの猫っ毛(1~5巻+番外編)
【掲載誌・レーベル】シトロンコミックス
メガネ
天然
ほのぼの
あまあま
同居

<あらすじ>幼なじみで恋人のみいくんのもとへ上京してきた天然どさんこボーイの恵ちゃん。みいくんが管理人をする『またたび荘』が愛の巣になると思っていたのに個性的な住人たちに囲まれてなかなかラブな空気になれず。真の恋人になるには乗り越えなくちゃいけないハードルがあるのだが…。ほのぼのカップル「みいくん」と「恵ちゃん」のねこ系癒されボーイズラブ。

<書店員のおすすめコメント>幼なじみで恋人のみいくんと暮らすため、小樽から上京した生粋の天然どさんこボーイの恵ちゃん(24年間、道外に出たことナシ)。みいくんが大家をする〈またたび荘〉で待っていたのは、落語の長屋暮らしさながらの大らかで人情味ある住人たち…とみいくん(ポルノ小説家)。東京で甘~い蜜月を送る目論見は外れたけれど、一つ屋根の下、しっかり着実に愛を育む2人の日常が丁寧に描かれたこの猫っ毛シリーズ。作者の雲田さん曰く「見守り系ボーイズラブ」の通り、他の住人らと一緒になって見守り萌えが大爆発の本編ですが、2人の高校時代、みいくんが東京に来るきっかけとなった事件を描いた『小樽編』もぜひおすすめします!

(ジェリー・ビーン/30代/女)

『いとしの猫っ毛』コマ
大人気ゲイビBL◎15年熟成の元ヤクザ×元ポルノスター
BL新宿ラッキーホール(1~2巻)
表紙『新宿ラッキーホール(1~2巻)』 - 漫画
BL新宿ラッキーホール(1~2巻)
【掲載誌・レーベル】on BLUE comics
ヤクザ
調教
俺様
美人
やんちゃ

<あらすじ>数日もすると苦味(くみ)は、逃げようともしなくなった。ゲイビデオに売られるため、仕込みヤクザ・サクマと同居し同性とのセックスを覚えさせられた桧山苦味。やがてポルノスターとなった苦味はサクマをヤクザ生活から抜け出させたいと思うようになるが──?大人のままならない十数年間を描いた連作ラブストーリー!

<書店員のおすすめコメント>かつてのポルノスター苦味(くみ)と元ヤクザのサクマ、ゲイビ業界で生きる2人を中心とした男たちの群像劇、とアダルティ成分多めな仕上がりとなっております♥軽やかでセクシーな現代の苦味さん、ゲイビデオに売られるため同性とのセックスを仕込まれ時代の若き苦味さん。どちらもたまらんのです!暴力とセックスが全編通してちりばめられていますがそこは群像劇の名手の雲田さん。読み終わった後に深きカタルシスの味わいがありました。2013年このBLがやばい!で4位にランクインし、コミック発売から5年を経て続編もスタートした本作。まずはこちらで2人の馴れ初めからたどってみてはいかがでしょうか。

(ジェリー・ビーン/30代/女)

『新宿ラッキーホール(1~2巻)』コマ
落語家のリアルを繊細な人間描写で描く、噺家人情物語。
一般作昭和元禄落語心中(全10巻)
表紙『昭和元禄落語心中』 - 漫画
一般作昭和元禄落語心中(全10巻)
第38回(2014年度)講談社漫画賞一般部門受賞、同文化庁メディア芸術祭マンガ部門受賞、第21回(2016年度)手塚治虫文化賞新生賞受賞
【掲載誌・レーベル】ITAN
伝統芸能
師弟
ほのぼの
落語

<あらすじ>満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎(よたろう)。娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。昭和最後の大名人・八雲(やくも)がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!?昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!

<書店員のおすすめコメント>昭和後期元ヤクザで出所した男が、落語の大名人に弟子入り。師匠は弟子をとらず、頑なな人だったがそれには理由が。師匠と死んだ兄弟子との強い絆。師匠と兄弟子の絆が熱い! 師匠はお年を召していますが、色気が凄い!こんな色気のある老人キャラいたかしら?実質師匠がヒロインなんだと思います。 読むと落語がききたくなり、笑点くらいしか落語との接点がありませんでしたが、この作品の影響で寄席に行くようになりました。

(S.S/30代/女)

『昭和元禄落語心中』コマ
若いころの師匠と兄弟子
大学生×大学助手、ドエス美少年×変態教師…etc◇BL短篇集
BL窓辺の君
先生と生徒
せつない
ほのぼの
誘い受け
スーツ

<あらすじ>美しい君に恋をした。「俺、せんせーに興味あって」見ているだけで楽しくて、私の恋はそれで充分だった…はずなのに。「してやるから、もう喋るな」30代半ば、ゲイであることを卑下している内向的な大学助手が明るくおバカで遊び慣れた大学生に片思い。ずっと憧れだった彼が突然目の前に現れ、外見と中身のギャップに愕然とした上に想像もつかなかった交流がはじまってしまった。

<書店員のおすすめコメント>内向的な大学助手の柴田、研究室から美しい竹宮を眺めるだけの恋だったはずが竹宮が彼の元を訪ねてくることで思わぬ方向に進むことになる…。表題作『窓辺の君』を含む計7編からなるBL短篇集で、初コミックと思えぬムフフな場面の体のラインのエロたまらんさ…。表紙は少女マンガのような絵柄ですが、ドエス美少年の倫太郎が変態教師の弱みを握り奴隷とする『悪童セブンティーン』、ドエス写真家が現在の恋人を連れ、失踪したかつての恋人の元を訪れる『あなたには言えない‐can't tell you-』などドエス出現率も高く、ドエスを愛でたい方にもお届けしたい一冊です!

(ジェリー・ビーン/30代/女)

洋食屋の男前年下店主×四十路バツイチ…etc◇BL短篇集
BL野ばら
表紙『野ばら』 - 漫画
BL野ばら
「このBLがやばい!2011」3位
【掲載誌・レーベル】東京漫画社(BL)
年の差
ほのぼの
子持ち
オヤジ
ヘタレ

<あらすじ>両親を亡くし、若くして洋食カジワラの店主を務める梶原武は、そこに勤める離婚寸前の子持ち・神田惣一郎が気になって仕方がない。ある日武は神田不在中に離婚届を渡しに店を訪れた妻の冬子により、神田が元々ゲイであることを知る。今までの自分への態度や反応から、神田が自分のことを好きなのではと思い当たるのだが…小さくても華やかに、棘が刺されば痛いけど、それでも愛しい野ばらのような二人の人生がここにあります。

<書店員のおすすめコメント>2011年このBLがやばい!にて3位にランクインした本作。両親を亡くし、若くして洋食カジワラの店主となった武と、そこに勤める神田(四十路のバツイチ子持ちのゲイ)。ある日、武は神田が元々ゲイであることを知る。今までの自分への態度や反応から、神田が自分のことを好きなのではと思い当たるのだが…。表題作『野ばら』他、ニューハーフのみみくん×女性恐怖症バーテンの薫くん(バリネコ)『みみクンシリーズ』、旅する黒髪メガネのトキオ×共に旅するロン毛の金髪美青年バード『鳥の国のララバイ』と、どのお話も素敵で幸せな読後感でした。ぜひお話の続きを妄想したくなること請け合いです♥

(ジェリー・ビーン/30代/女)

永遠に生きる吸血鬼×転生を繰り返す恋人…etc◇BL短篇集
BLばらの森にいた頃
表紙『ばらの森にいた頃』 - 漫画
BLばらの森にいた頃
【掲載誌・レーベル】on BLUE comics
吸血鬼
ほのぼの
あまあま
ヤンキー
俳優

<あらすじ>雲田はるこBL短篇集!食用ばら農家を営む吸血鬼の正宗は、人間の恋人・陽と暮らしている。数百年前に恋人を亡くした不死の吸血鬼・正宗は長い時をずっと孤独に生きてきた。猫や虫や、植物に生まれ変わる恋人を見つけ出しても言葉は交わせぬまま、時は過ぎた。そして、はじめて人間の姿で転生したのが陽だった――。他、海外スター×おじさん俳優・ライバル同士のヤンキー×ヤンキー・ノンケ先輩×魔性の美脚後輩など、雲田はるこの魅力がたっぷり詰まった計4本を収録!

<書店員のおすすめコメント>食用ばら農家を営む吸血鬼(バンパネラ)の正宗とかつての恋人の生まれ変わりの陽。初めて人間に転生し、2人は数百年ぶりの蜜月の真っ最中。「僕も早く吸血鬼にしてほしい」と切望する陽だったが、正宗はかたくなに拒む…。あとがきにも書かれていますが表題作『ばらの森にいた頃』は名作『ポーの一族』へオマージュを捧げた物語。永遠に生きる運命を背負った吸血鬼と死を超越した愛を見事に描かれています。また、ヤンキー同士のボコり愛『ヨシキとタクミ』、若き海外スター×枯れたおじさん俳優『モンテカルロの雨』、ノンケ(足フェチ)×魔性の美脚『Be here to love me』と多彩な萌えが詰まっています!

(ジェリー・ビーン/30代/女)

『ばらの森にいた頃』コマ
漫画になってより深まる人間模様やキャラクターの魅力
一般作舟を編む(全2巻)
表紙『舟を編む』 - 漫画
一般作舟を編む(全2巻)
【掲載誌・レーベル】ITAN
ほのぼの
仕事
コミカライズ

<あらすじ>玄武書房・第一営業部に勤める馬締光也は、言葉に対する鋭い感覚を買われ、辞書編集部に迎え入れられる。新しい辞書『大渡海』の完成を目指し、言葉という絆でつながった人々とともに、馬締は辞書の世界へ没頭してゆく――。本屋大賞受賞の大ベストセラー小説、待望のコミカライズ!

<書店員のおすすめコメント>三浦しをん先生の原作小説は、2012年本屋大賞を受賞し、アニメ化に映画化までされた人気作。雲田はるこ先生は小説連載時の挿絵に始まり、アニメ化の際はキャラクターデザイン、そしてコミカライズと担当されていて、漫画を読んでいると原作との長い付き合いを感じるな…としみじみ思いました。コミカライズというとストーリーをさらーっと流すイメージが強いのですが、これは深い。辞書編集部で織り成される個性的な面々の人間模様。マイペースで不器用なのに意外と我が強いとか、ライバルっぽい関係だけどお互いうらやましいところもあるとか、そういう深みのあるキャラクターや人間模様が、雲田はるこ先生が漫画にすることによってより魅力的に浮かび上がっているなと感じます。原作未読の方はもちろん、原作ファンやアニメ・映画を見たよ~という方にもオススメしたい作品です。

(ルンバ/20代/女)

『舟を編む』コマ
「しま」の意味だけでここまで考える人はなかなか…

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