<あらすじ>夕梨(ユーリ)はごく普通の中学生。楽しいデートの最中にいきなり水たまりのなかに引きずり込まれてしまう。目が覚めたところは、古代ヒッタイト帝国。皇妃の謀計のために、時空を超えていけにえとして連れてこられたのだ。皇妃に命を狙われるユーリは、危ないところを皇子・カイルに助けられ、側室としてカイルの宮にかくまわれる。なんとかして、日本に戻りたいユーリだが…!?
<書店員のおすすめコメント>1995年から2002年にかけて連載。累計発行部数は、2,000万部を突破した少女向けまんがの不朽の名作。2018年には宝塚歌劇宙組によって実写舞台化され、さらには16年ぶりに新作の読み切りが「Sho-Comi」に掲載され話題に。
紀元前14世紀のヒッタイト帝国に現代から突然タイムスリップしてしまい、正義感の強さから「戦いの女神イシュタル」として覇権争いに巻き込まれる主人公。
「登場するほぼすべての男性キャラが主人公を好きになる」という、少女まんが独特のお約束はあるものの、主人公が女性キャラからも愛され、信頼される描写が読者の支持を得たのではないでしょうか。そして男性キャラの醸し出すエロさ、男らしさにも注目です。
<あらすじ>16世紀初頭、北の寒村・ルテニアからさらわれた少女・アレクサンドラ。遠く海を越え、奴隷として売られることになった少女が出逢ったのは、ギリシャの商人を名乗るマテウスという青年。マテウスに買われ、彼の屋敷に連れていかれたアレクサンドラ。そして、彼女が彼によって教育を施されて向かった先は大帝国・オスマントルコの中枢、イスタンブル。「ヒュッレム」という名を与えられた彼女が「献上」されたのは、オスマントルコ皇帝・スレイマン1世だった――。
<書店員のおすすめコメント>「このマンガがすごい!2012」オンナ編20位にランクインした2019年現在連載中の本作。
『天は赤い河のほとり』と同様に舞台は「トルコ」ですが、時代は16世紀初頭のオスマン帝国時代。今回は、海外ドラマ等でも頻繁に舞台となる「ハレム(後宮)」で生きる女性が主人公です。実在した皇帝・スレイマン1世と主人公ヒュッレム。小説に登場することが多かった彼女ですが、当時の文化や服飾品など、まんがだからこそ楽しめる要素が満点。「“トルコ”と言えば、篠原千絵」を確立した連載中の注目作品です。
<あらすじ>流風と流水は一卵性の双子。同じ男性に恋をするが、選ばれたのは流風のほうだった。そんな時、陸上部のハイキングで、古墳のガスを吸った部員が全員死亡するという事件が起こる。奇跡的に助かった二人だが、それ以来流水の行動がおかしくなり…!!長編ルナティック・ミステリー!!
<書店員のおすすめコメント>1987年から連載。ホラー要素が強めの傾向にあるため、篠原千絵先生=ホラーまんが家のイメージをもってしまったほど、怖かった思い出があります。篠原先生にとって、サスペンスやホラー作品はとくに好きなジャンルではなかったとのことですが、「ホラーが描けるんだったら40枚あげる。本誌に載せるよ」といわれ、ヒッチコックの映画を見まくったり、小説だとウィリアム・アイリュッシュあたりを読みまくったりして勉強したとのこと。
双子×特殊能力×SF というヒット要素満載で、続きが気になるストーリー展開が、ページをめくる指を加速させます。
<あらすじ>生まれたときから左腕に不思議なあざを持つ少女・倫子。そのあざが濃くなりはじめてから、彼女のまわりで次々と起こる怪事件!瞳の色が紫に変わるとき、倫子は恐ろしいものに変身する!戦慄の長編サスペンス・ロマン!
<書店員のおすすめコメント>1984年に連載開始された篠原千絵先生の初の長期連載作品。「3年たって漫画家として自立できなかったら、別の仕事を探そう」と思っていたなか連載が決まったとのこと。当初単行本1冊分という予定でスタートしたが、読者の反応が良く、結果としては単行本12巻まで伸びた。1996年には雛形あきこ、 加藤晴彦、浜﨑あゆみらで実写ドラマ化された。
繊細かつ華麗な画が、「豹」になってしまう変身人間という存在を、美しくも哀しく描かれているのが印象的な作品。
<あらすじ>2006年5月に映画化された、篠原千絵が描く長編ホラー!! 修学旅行中のバス転落事故でたった一人生き残った二階堂六花。彼女が助かった理由、それは単なる幸運ではなかった―。体調が回復した彼女を信じられない出来事が次々と襲う!! 水の中から現れたもう一人のリッカとの出会いが六花の新たな運命の扉を開くが!?
<書店員のおすすめコメント>『天は赤い河のほとり』連載終了後に、2004年から連載された「水」をテーマにしたミステリー。2006年には前田亜季主演で映画化。北川景子が新人時代に出演するなど、豪華なメンバーで実写化されている。
「水」というとナキア皇后というイメージがありますが、今回は 水のなかで息ができる=人ならざる者 の登場によって、また違った「水」の恐怖が描かれています。
<あらすじ>翠川陵子は霊能力を持った高校生の女の子。彼女が飼っていた白猫・ポウが死に、ポウに不思議な男性がのりうつった。生きたまま精神とからだが離れたので、からだを捜してくれというのだ。次々と霊に襲われ、危ないところをポウに助けられた陵子は、霊から守ってもらうかわりに彼のからだを捜すことを約束するが…!?
<書店員のおすすめコメント>よみがえった愛猫の正体は記憶も肉体も喪失した美青年。猫好きの篠原先生だからこそ描くことができる猫と美青年の美しさに注目です。
ホラー×ミステリーのなかに絶妙なラブコメ要素があり、ただ単に読者を怖がらせたり、気持ち悪がらせたりという内容ではなく、登場キャラの迷いと想いの心情描写が篠原流。
<あらすじ>夏の合宿を終え、家に戻った真沙美。しかし、母と弟の姿は消えていて、家の中はなにかがいつもとちがっていた。そして、あやしい影だけが真沙美をつけねらい…!?「訪問者は真夜中に…」他2編を収録した、篠原千絵のサスペンス傑作集!!
<書店員のおすすめコメント>篠原先生の作品の中でも、小学生の頃初めて手に取って購入したのがこの『訪問者は真夜中に』でした。合宿を終えて家に帰ってきたら、なにかが違っている…主人公が当たり前に過ごしていた生活がある日を境に変わってしまうのですが、ガラッと変わる訳ではなくじわじわと異変に気付いていく…という得体の知れない恐怖がとてもリアルで衝撃的です。こちらに収録されている3作品は、ホラーやミステリーがテーマとなっていますが、すべてに共通して言えることはただ怖いという要素だけでは決してないということ。親子愛や恋愛など物語の裏側にそれぞれ秘められている相手を想う気持ちや、切ない感情までもが丁寧に描かれているため、読み終えた後には安堵感が広がると同時に大人になった今でも読んでいてキュンとしてしまう作品です。ホラーやサスペンスが好きな方には勿論のこと、ちょっと苦手かも…と思っている方にも安心して手にとって頂きたい傑作集です。
<あらすじ>教師である上村に乱暴されそうになった遼子は、抵抗したはずみで上村を殺してしまう。罪を隠そうとするが、そこに目撃者が現れて…!?「目撃者にさようなら」他4編を収録した、篠原千絵のサスペンス傑作集!!
<書店員のおすすめコメント>こちらは、短編作品が5作品収録されており、その中で表題にもなっている『目撃者にさようなら』が特に印象的な作品です。教師に乱暴されそうになった主人公が抵抗したはずみで相手を殺してしまい、その事実を隠そうとするも、そこに目撃者が現れて…というスリリングなストーリー。罪を犯し、その罪を隠すために新たな罪を重ねていくーーという、一見負のループに陥ってしまいがちな展開を想像してしまいますが、簡単にそうはいかないのが篠原作品の大きな魅力の一つだと思います。ハラハラドキドキしてしまう展開に目が離せません。ぜひ、衝撃的なこの物語の結末をあなたの目でしっかりと見届けて下さい!!