<あらすじ>弁護士・桜木による落ちこぼれ高校の再建計画、その内容は東大合格者100人!!しかし、経営破綻状態にある龍山学園では、入学者も集まらず、学力も小学校レベルの生徒たちばかりだった。桜木は適当な生徒を捕まえ、彼女を来年東大に送り込むと宣言する。桜木が教える最も効率的な学習方法とは…!?小学校レベルの学力からの東大入試の秘訣が詰まった常識破りの大ヒット作!!「教えてやる!東大は簡単だ!」
<書店員のおすすめコメント>大学全入時代と言われて久しい昨今ですが、東京大学には未だ根強い「東大信仰」とでも呼ぶべき神格化がなされている。2019年現在ですらしぶとく残るそれに2003年にケンカを売ったのが本作『ドラゴン桜』。
とても正攻法とは言い難い徹底的にシステマチックな東大受験ピンポイント対策を描き、それでいて“特進クラス”の2人、学力ゼロからスタートした問題児の水野と矢島は東大受験へ辿り着くまでにちゃっかり人間的にも成長する――そんな矛盾したような構図によって、「教育」のあり方を問うように固定観念をぶち壊していきます。
こうして語られるは高校を出たらやがて二十歳を過ぎ大人になっていく子供たちへ向けた、一般企業や家業のやりくりで苦労してきた三田先生ならではの実体験からくる説得力に満ちたメッセージ。あるいは、無為にティーンエイジを過ぎ去らせてしまった自分たち大人への悔恨を込めたメッセージ……?
<あらすじ>お金って何だ?創立130年の超進学校・道塾学園に、トップで合格した財前孝史。入学式翌日に、財前に明かされた学園の秘密。各学年成績トップ6人のみが参加する「投資部」が存在するのだ。彼らの使命は3000億を運用し、8%以上の利回りを生み出すこと。それゆえ日本最高水準の教育設備を誇る道塾学園は学費が無料だった!「この世で一番エキサイティングなゲーム人間の血が最も沸き返る究極の勝負……それは金、投資だよ」
<書店員のおすすめコメント>もしかしたら例のパロディ漫画のほうが有名だった時期もあったかもしれない本作ですが、2018年夏に実在企業・著名人も多数登場する本格ビジネスドラマとしてテレビで放送されて一気に認知が広まったことと思います。10年ほど前に世間を揺るがした「リーマンショック」でその怖さが強烈に印象付けられたのも記憶に新しい「株式市場」の世界。でも、実はちゃんと仕組みを理解すれば中学生にだって(そう、中学生にだってぜんぜん理解できるのです!)自分の通う学校の運営資金にもなる程の巨額の利益を出せるというのが本作のテーマ。主人公ら中学生にもわかる解説を試みた結果、画期的なほど「経済の歴史」がよくわかる学習まんがの様相さえ呈しています。
これから投資を始める人も、「難しそう…」と食わず嫌いの人も、かつて痛い目を見た人も、現役バリバリの業界マンにも……誰にも役立つ“気付き”の書!
<あらすじ>戦艦「大和」を阻止せよ!!! 日本の未来を1人の数学の天才が変える!? 時は1933年。日本海軍の中枢・海軍省の会議室で、次世代の旗艦を決める新型戦艦建造計画会議が開かれ、2つの陣営が設計採用を争う事に。これからの海戦を見据え、高速の小型戦艦を打ち出す“航空主兵主義”派に対し、海軍内で権力を握る“大艦巨砲主義”派の計画は、世界でも類を見ない超巨大戦艦の建造だった――!!
<書店員のおすすめコメント>2019年2月現在連載中&実写映画化予定で話題の本作『アルキメデスの大戦』は、全く新しい角度から第二次世界大戦時の大日本帝国を描く歴史秘話。新しい角度とはやはりお得意の“カネ”、ビジネス的側面から切り込んでいくのですが、なんと舞台は戦時中。物語の主軸に据わっているのはかの巨大戦艦「大和」なのです!
史上最大の大戦艦として建造されながら、時代が既にそれを脅威としなくなっていたために無念の最期を遂げるしかなかった悲運の船。では、なぜ大日本帝国は造ることをやめなかったのか? 誰も止めなかったのか? そんなはずがありません。戦争の未来を見通し、日本の行く末を憂いていた者たちもまた居たはずです。それでも歴史上、大和型戦艦2隻は確かに存在した……そこにまつわる真実が今、三田紀房の手で紐解かれます。
<あらすじ>1千万円で甲子園を買え!『ドラゴン桜』の作者が描く、完璧に新しい高校野球ストーリー!――創立100年目での甲子園初出場を目指し地区大会決勝に挑む、埼玉の名門・県立樫野(かしの)高校。3年生の不動のエース・中村(なかむら)に圧し掛かる、とてつもなく大きな重圧。2年生のショート・七嶋(ななしま)は、中村に、かける言葉がない。涙も涸れる甲子園ロードが、今スタートする!
<書店員のおすすめコメント>2018年にも秋田県の金足農業高等学校がエース吉田を中心とした奇跡的な連戦連勝で決勝戦まで勝ち上がり話題となったように、実は甲子園とは出るだけで、勝ち上がるほど、「遠征費」が莫大にかかってしまうもの! 私立の野球有名校ならまだしも公立校ともなればなおさら予算との戦いは深刻。
そんな厳しい環境で、急に大金が舞い込んできたら…? 謎のパトロンとの出会いは偶然か必然か、一人の高校球児のある種のスイッチを入れてしまいます。それは例えば、県予選を突破できないチームが甲子園に出場する方法「21世紀枠」を“狙って”勝ち取るために、グラウンドの内外で品行方正な立ち振る舞いを徹底するという“戦略的”野球を実践するような……。
神聖視される高校野球界に汚い“カネ”の話を持ち込み、あまつさえ高校球児らしい“さわやかさ”をも欺瞞であると語るタブー、三田先生以上に上手く描ける人はいないでしょう。
<あらすじ>ビッグマネーをつかみ取れ!!ボクシングの元世界チャンプ・花岡拳が、ビジネスの世界で再び頂(てっぺん)を目指す…!!ニッポンの経営者必読、超話題の経営奥義伝授コミック!!ボクシングの元世界王者、花岡拳(本名:健)。引退後は、タレント活動の傍ら居酒屋を経営していたが、毎月赤字続きで頭を抱えていた。そんなある日、テレビ番組にゲスト出演したケンは、ビジネスで大成功をおさめた塚原為ノ介と出会い、自宅に招かれる。「どうすれば商売で成功できるか」と尋ねるケンに対し、塚原の答えは…。
<書店員のおすすめコメント>2005年~2009年に連載の『マネーの拳』は、現実にもよくありがちな「引退したプロスポーツ選手が飲食店を経営して閑古鳥」パターンをなぞっていた元プロボクサー・花岡健が巨額の投資を受けて事業を成功に導く物語。ボクシングを長く続けると、パンチで揺さぶられ続けた脳の機能が低下してしまう……というのはよく聞く話ですが、花岡健は意外にも(?)頭のよく回る人物。ボクサー時代の戦績も世界王者を4度防衛するほど優秀で、商売にも大事な「引き際」をよく心得ているんです。
ところで、タイトルから思い出したわけではないのですが、10年以上前に「マネーの虎」という投資チャレンジ番組が人気を博し、最近でも「あの社長たちの現在」みたいな形で再度盛り上がったことがありました。2019年は『マネーの拳』連載終了からちょうど10年になりますが…「『マネーの拳』花岡健の現在!」みたいなの、やりませんかね?
<あらすじ>「ドラゴン桜」でおなじみの三田紀房が描き上げた、高校野球を舞台に型破りな野球部監督が活躍する熱血スポーツコミック!桐野高校野球部監督・黒木竜次(くろき・りゅうじ)、通称クロカン。低迷していた桐野高校野球部を、県内の強豪に育て上げたクロカンだったが、その評判は悪く、後援会からは監督更迭の声も上がっていた。そんな中、クロカンはエース投手・正宮(まさみや)をショートにし、控えの石光(いしみつ)をピッチャーにするのだが……!?「これからたっぷり見せてやるぜ。“クロカン野球”ってやつを……」――。
<書店員のおすすめコメント>『ドラゴン桜』の大ヒット以降、教育やおカネに関わる作品を多く手掛けるようになった三田紀房。しかし意外にも氏の得意分野は“野球漫画”であると言います。
今でこそ「監督漫画」がスポーツ漫画の中の一ジャンルとして一定の勢力を獲得していますが、『ドラゴン桜』以前の三田作品である『クロカン』が連載されたのは90年代。当時としては監督を主役に据えた作品はかなり珍しく、そのうえこの黒木という男はスポーツ漫画の共通テーマとも言える「チームワーク」を初っ端から切り捨てる! 決して恵まれているとは言えない環境で、それでも常に常識に囚われずに手持ちの材料をフル活用して貪欲に勝利を追い求めるスタイルは一定の支持を受け、氏にとって最初の長期連載ヒット作となりました!
<あらすじ>それは僅か1/207――県大会参加校207校(平成12年)、強豪居並ぶ全国一の激戦区・神奈川。甲子園の土を踏めるのは僅かに1校……。余りに報われぬこの難関に球児たちはなぜ挑むのか?その答えがここにある!!!!スポーツ名門校ではなく、有名進学校でもない、ごく普通の公立高校・県立鎌倉西(かまくらにし)高校。なんてことない野球部のなんてことない選手たちが、いま甲子園を目指し、動き出した……!
<書店員のおすすめコメント>『クロカン』と重なる時期に連載された、こちらもタイトル通り野球漫画。氏の野球漫画のレパートリーの豊富さには舌を巻くばかりです。こちらは『クロカン』とはまた別の方向で泥臭いテイストを打ち出しており、どちらかというと王道路線に近いものとなっています。
決して才能や体格に恵まれたわけではない少し上手いぐらいの投手・四ノ宮に、1年生の夏に偶然回ってきた先発登板の機会。9回裏2死2ストライクまで上手くいっていたのに、最後の1ストライクだけが取れずトラウマになった……そんなどん底のスタートから、少しずつ練習やチームの結束を積み重ねて甲子園への夢を目指す。今でこそ「イップス」を扱う漫画も多くなりましたが、本作の当時としては先進的だったのではないかと思います。後の作品に見られるような派手さこそ抑えめなものの、力強さを感じる王道野球漫画です。
<あらすじ>2020年の教育改革を前に、あの男が帰ってくる! 日本の大学受験を変えた、伝説の東大合格請負漫画『ドラゴン桜』、待望の続編!
<書店員のおすすめコメント>2020年を最後にセンター試験が廃止され、大学受験の現場が大きく変わります。そんな時代に名指導者・桜木建二が帰ってきた!
本作では著者としてクレジットされているのは三田紀房先生のみですが、実はネーム以降の作画作業はすべて「デザイン会社に外注」して作られています。原作と作画の分業でもなく、アシスタントを使うわけでもない、全く新しい制作スタイル。外注だからといって全く別人の絵柄になるわけでもなく、独特のテイストと決めゴマの迫力は健在!
もともと三田紀房の魅力は圧倒的説得力で大胆に展開される力強い台詞回しにこそあります。その構想を練ることに集中したとき、新制度を間近に控える受験戦争の場にどのような新戦略が描かれるのか…!? 『ドラゴン桜』当時の読者も少なからず年頃の子供を持つ時代に、新たな風を吹かせる一作となることでしょう。