
小説を読むとは、どのような行為なのか。現代の小説は私たちに何を語りかけるのか。本書では、金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子という5人の作家が1970年代から2010年代にかけて描き出した7つの小説に着目する。これらの小説を、アイデンティティのあり方を多様に読み替え/書き換えていくクィア批評と、動物やケアなどをめぐる批評理論を縦横に組み合わせて読み解き、小説に内在する多様性や小説固有の強度を浮かび上がらせる。既存の社会秩序や異性愛主義的な社会構造を揺さぶり、読者の主体性やジェンダー/セクシュアリティをめぐるアイデンティティをも変容させていく「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。現代の小説をふたたび読み返したくなる、「クィアする」文学論。
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2025/3/31 23:59 まで有効
すごくて一気に読んでしまった。
私は先輩の手ほどきを受けてフェミニズムとかクィアに興味を持ち始めて、その先輩に少しでも追いつきたくて、彼女が読んでいる本を出来る限り読むようにしているのだが、毎回選書...
「はじめに」に「読解の方法は単一的な枠組みに寄りかかることなく、それぞれの小説テクストに見合ったさまざまな批評理論や思想を選び取り、小説の解釈の可能性を最大限に広げてみたい。」とある通り、柔軟で開かれ...
シスヘテロ男性から性犯罪に遭った性的マイノリティ当事者として、この本には憤りを覚える。
1章、性暴力を愛だとか性被害者(しかも子ども)が性暴力を望んでいるだとか、...なぜこんなおぞましい、汚らわしい...