SFといえばこれでしょう!そんな5つのテーマを設定し、テーマ内での国や時代による違いを、SF漫画家・大石まさる氏によるイメージイラストと一言解説とともにご紹介致します!20世紀VS21世紀、あなたの好みはどちらの作品? 半世紀以上にわたるSF作品の変容を、ここでまとめてチェック!
大石まさる
近未来の地球と宇宙に暮らす人々を描いた《水惑星創世記》シリーズなど、SF作品を数多く発表する漫画家。現在「月刊ヤングキングアワーズGH」(少年画報社)にて『タイニードライブ』連載中。
大石まさる先生の作品はこちら!
https://ebookjapan.yahoo.co.jp/lists/authors/31541/
時間
クリックでタイトルなしイラストの表示
夏への扉〔新版〕
どん底から這い上がるには、猫とユーモアがあればいい――
人の温かみに溢れた不朽の名作
僕の猫、ピートは冬になると必ず、暖かい夏への扉を探しはじめる。それは恋人に裏切られ、大切な発明まで騙し取られた僕もまた同じだった。そんな中、〈冷凍睡眠保険〉の文字に惹かれ……
夏がくれば思い出す「夏への扉」
私の中で、SF=猫のイメージはこれがあるから。猫の表紙で有名ですね。
かくいう私も年に一回くらい読み返す。ダニイとリッキイ、猫のピートにまた会えるから。
しみじみ好き。
やみなべの陰謀
まったく異なる世界たちは、ある一点に収束する――
不条理にも見える世界、その全ての秘密はアロハシャツだけが知っている!
大学生が初対面の少女と宿命の恋に落ちる現在、武士と幼なじみとの恋が悲劇的な結末を迎えた過去、そして大阪府知事によるお笑いファシズム体制下、レジスタンスが知事暗殺計画を遂行する未来──すべての中心には、アロハ姿の大男と千両箱の存在があった!
会話がむちゃくちゃ面白い!
それでバンバン話が進んで行くからズンズン読める。
話もぐるっとちゃんと繋がって気持ちいい♪
カートゥーン調で描いてみました。
タイム・シップ〔新版〕
かつて80万年後の世界を描いてみせた物語『タイム・マシン』――
その100年後に出版された正式な続編!
最初の時間旅行で、敵種族に攫われてしまった未来人・ウィーナを救うために、時間航行家は再び西暦80万年の未来へ向かう。だが、彼がたどり着いたのは以前とは異なる時間線の未来であった!
まずはパスティーシュ風に始まる。
誰のパスティーシュか?H・G・ウェルズの「タイム・マシン」だ!
時間航行者は再び冒険へ、違う未来、戦争、星間移動、軌道都市、藩種、そして円環を閉じるのは…!
盛りだくさん!ゆっくり読みたかった(笑)
日常
クリックでタイトルなしイラストの表示
スラップスティック
縮むが増える中国人!!謎の疫病!ディストピアまっしぐらな世界の終末に立ち向かうべく作られたのは、一万人の大家族!?
ある日突然地球の重力が強くなり、更に緑死病なる奇病まで発生して世界は大混乱!アメリカ合衆国もいまや群雄割拠の状態で--愚かしくもけなげな人間たちが演ずるドタバタ喜劇!
プロローグを読み始めて「おや?真面目だな意外と…」だって「タイタンの妖女」のヴォネガットでしょ?
大丈夫でした。本編はやっぱりふざけてるのやら本音なのやらのヴォネガットでした(笑)悲しくてちょっとブラック。ハイホー!
あなたのための物語
死にゆく<人間>と死なない<AI>は、何を語るか
天才科学者であるサマンサは、自らが作り上げた仮想人格《wannabe》に小説を執筆させる。余命半年を宣告されたサマンサに《wannabe》は、彼女への物語を語りはじめる。
うわ~これを絵に?マジか?どう描こう?と延々悩みました。
人物を固定するのだけは避けなきゃ!だって「あなたの…」は読者の私にも掛かってくる言葉だし…。
抽象画が一番いいと思うんだけど、描けないし(笑)
それでこう…ね。
消えた少年たち(上)
息子に出来た、「見えない」友達――
その謎の正体がわかるとき、家族が向き合うのは絶望か、希望か
一家の引っ越しと共に、七歳の長男は沈みがちになり、空想の友だちとばかり遊ぶようになった。しかも、それに合わせて家の中では奇怪な出来事が次々に起こりはじめる……家族の愛と親子の絆を描く感動作
新しい仕事場や学校内、隣人との関係が上手くいかない。そして何かが起こっている。
なんて言うか、読み進めていくと段々不安になってくるなあ…
そしてラストは…!!
上巻だけだと意味不明なので(笑)上下巻で読みましょう。
AI・ロボット
クリックでタイトルなしイラストの表示
ニューロマンサー
虚構現実から成る電脳空間を疾走する――
サイバーパンクはここから始まった
ハイテクと汚濁の都・千葉シティ、その電脳空間を自由に駆ける能力を奪われたケイスは空虚な日々を送る。だが能力再生を引き換えにした依頼に、彼は電脳の暗黒面へと引きこまれていく……
荒廃、電脳、コードうねうね、クスリ、身体改造、身体拡張、ハッキング、他人へのダイブ、スペースコロニー、つまりサイバーパンク!(笑)
未来の21世紀はハルマゲドンと核戦争さえ起きなきゃ、こうなるんじゃね?と思ってました、ややマジで(笑)
現21世紀もかなり数値化されて、ネット上でしか知らない人とかザラにいるけど…なんかパンク感がないよね、スマートで。コードも消えたし…
大石は千葉県民です(笑)
グラン・ヴァカンス 廃園の天使I
体を持たないAIたちを襲う、圧倒的な「暴力」――
仮想リゾートの一区画“夏の区界”。ゲストである人間が消え、AIたちだけが永遠の夏を過ごしていたそこは、突如現れた“蜘蛛”の大群によって破壊される。AIたちの絶望の一夜が始まる――
ついお酒など飲んじゃって機嫌良く家に帰ると、暗闇で猫がエサをじっと待ちつづけてて、ゾッとする感じを思い出しました。ちょっと違うかな(笑)
長い長い夏が壊れていくのは、つらく不安で、でもどこか官能的でした、
ねじまき少女(上)
遺伝子組換生物が氾濫する中、生み出された「ねじまき少女」――
生体アンドロイドが生きる世界をめぐる群像劇!
石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した世界。ある時見つけた不思議な果物ンガウの調査を始めた工場経営者・アンダースンと少女型アンドロイドのエミコが出会う時、世界の命運が変わる……
「ンガウ」が食べたくなりますなあ。
調べたら「ランブータン」という果実がそれらしい。味はライチに似てるとも…食べたくなりますなあ!
そんな訳でンガウとねじまき少女エミコを描いてみました。
異星へ
クリックでタイトルなしイラストの表示
火星年代記
火星から見れば地球も異星。二つの星の上にうごめく人々の、ディスコミュニケーションを描いた短編集
人類が火星へと寄せ波のように押し寄せればやがて地球人の村ができ、町ができ、哀れな火星人たちはその廃墟からしだいに姿を消していった……SF文学史上に燦然と輝く永遠の記念碑。
短編を繋いで物語を紡いでいく方法、憧れるなあ。
前半は、若干ブラックだけどコメディな部分が楽しい。
ようやく火星に辿り着いた地球人に対し、火星人ツツツ夫人の「棒でぶちますからね!」が最高に可笑しかった!そこを絵に描いてみました。
「詩」が重要な役割を果たしていて、特に「ロケットの夏」「月は今でも明るいが」が妙に気持ちに残る。
天冥の標 I メニー・メニー・シープ(上)
「人間」から謎の知性体まで、星を越え時代を越え展開される物語へと引きずりこまれる最初の扉
入植300周年を迎える植民星メニー・メニー・シープでは、臨時総督によって植民地全域に弾圧が加えられつつあった。そんな中、医師カドムは街に蔓延する謎の疫病対策の緊急要請を受ける……
「植民惑星メニーメニーシープに入植して300年。不満軋轢色々あれど、なんとかやって来た。昨日までは…
しかしついに押し詰まって、ここに激動の時代を迎える!」
なんて書くとスゲー重くて固そうなんだけど、常に人物を中心に物語は進むし、みんな魅力的!悪漢達すら人間的で、昆虫兵にすら共感する!スゲエ、一気に読んだ。
全10巻とか上下巻とかで今まで手に取らなかったけど、これは読まなきゃ。イサリのその後が気になるし!
火星の人〔新版〕上
映画も来春公開予定!
遭難宇宙飛行士による農業や科学の力を駆使した火星サバイバル日記!
有人探査機が火星を離脱する寸前、不運な事故からクルーの1人・マークは砂嵐の中へと突き落とされた――が、彼は生きていた。不毛の惑星に一人残された中、マークは生き抜こうと奮闘する!
大傑作でしょコレは!
ウソっぽい所が全然無い。あっても俺には解らない。都合良く助けられたりしない。その手があったか!そうだそれもあったか。閉鎖系では水も酸素も形を変えるだけという、ミニミニ地球を作り出す!
主人公がノーテンキで明るい性格なのにも救われる。
略語や専門用語も出て来るけど無視して大丈夫、とにかく火星にある物を使って生き伸びるお話しだから。SFは苦手って人でもサバイバル小説として読める。
沈黙のフライバイ
全ての人類が夢見た「ファーストコンタクト」。
いかにしてそこにたどり着くかを丁寧に描いた短編集
宇宙より発見された謎の有意信号、JAXAはその信号から異星人が地球に向かっていることを確信する――静かなるファーストコンタクトがもたらす壮大なビジョンを描く表題作ほか全5篇収録。
冬、熱い珈琲をポットに詰め、夜空に星を探した日を思い出す。巻頭の「沈黙のフライバイ」はそんなお話しでした。
SFだからといって、無茶なトンデモ科学を使わないでもこれだけ面白くなるんだ!目からウロコが100枚ほど剥がれ落ちましたよ、ええ!
特に、「沈黙のフライバイ」と「大風呂敷と蜘蛛の糸」は今の技術でもなんとかなるんじゃないか?と思わせる所がスゲエ!
全編、技術者こそが主役な所も好き。
スペースオペラ
クリックでタイトルなしイラストの表示
宇宙英雄ローダン・シリーズ 電子書籍版(上)スターダスト計画
連載期間半世紀以上!
長きに渡り宇宙規模で人類を、地球を守り続けた男の物語!!
有人月宇宙船スターダストに乗り組んだローダン少佐はじめ四人の宇宙軍将校は、突如襲ってきた妨害電波によって月面に不時着する。彼らはそこで、人知を超えた異星の宇宙船を発見する……
えーとこんな始まりだったっけ?というのが素直な感想です(笑)
10代の頃途中まで読んでたはずなんだけど、すっかり忘れてました。本屋に行くとローダンの棚がずらっとあったなあ。
ローダン曰く「こちらは宇宙征服をはじめたばかりだ」
うん、なんかスゲエ、時代を感じる!
この第一巻目ですでにアルコン人トーラとの恋愛フラグが立ってますね、出会いは最悪だったという(笑)
絵はスターダストのよったりとトーラを描いてみました。
連帯惑星ピザンの危機
星間距離すらものともせずに宇宙開発の尖兵として突き進む荒くれもの、惑星改造だって請け負うクラッシャーたちの物語、その全てのはじまり――
恒星間航行を可能にした人類は広大な銀河連合を作りあげた。その尖兵となったのが宇宙のなんでも屋・クラッシャー達だった!その中でも腕利きのジョウは、反乱の起こった惑星ピザンへ向かう!
若い!映画版のジョウは19歳だったが、それ以前のお話しなので、17~18歳のジョウだぜ!
今回再読してみたら、やっぱり面白かった!続きも読もう!ダーティペアも読もう!宇宙が熱いぜ!
オホン。さて、ジョウをどう描こう?
ナマイキで不安定な時期だけど根性は座ってて、不良と言えば不良だけど狂犬ではなく、未完の大器を感じさせる、純情でウブな感じ?………無理だよ~(笑)
結局どうしても安彦良和さんの影響は拭えなかった、だってジョウじゃ無くなっちゃうしなあ。
老人と宇宙
地球を守るために――宇宙空間で対話不可能な未知の異星人との戦いを負うのは、老人たちだった!
ジョン・ペリーは75歳の誕生日に亡き妻の墓参りをすると、75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍に入隊した!人類を守るために姿形も考え方もまったく異質なエイリアンたちと熾烈な戦争を続けている、老人ばかりを入隊させる宇宙軍でのジョンの波瀾万丈の冒険を描く!
アメリカだなあ~って感じの小説(笑)
老人が若い肉体を手に入れてまずやる事は…「決まってるでしょ?相手構わずヤリまくって乱痴気騒ぎでしょ!」
うん…そうかもね(笑)
途中、老人の精神を持つ意味が薄れて来るけど、ゴースト部隊が出て来てから俄然役に立って来る。ラストに未来を見て終わるのが好き。
宇宙軍士官学校―前哨―(1)
地球は異星人の恩恵によって大きく進歩する。その進歩は銀河文明の尖兵となる事と引き換えだった――そして若者たちは、銀河の戦場へ赴く!
地球統一へと歩み始めた地球人だが、銀河文明の一員となるためには、子供たちを戦士として提供することが必要だった!まずは教官となる人材が選別され、特別士官候補生として集められるが……
この巻ではまだ主人公達は士官候補生で、学校の中のパワーゲームでいかに勝ち残る(生き残る)かのお話。
異星人<代理人>がもたらした回転力を反重力に変える「フローターコイル」が面白そう。
熱でタービン回して持ち上げる本末転倒気球とか、手回しハンドルで地球の重力をカットして、土管で月までひとっ飛び(ドラ○もん)とか(笑)
「ロボ」かわいい!耳は勝手に付けました(笑)