ギャンブラーの苦しみと喜びに満ちた日常を描く『ぎゃんぷりん』。経験者は思わず頷いてしまう、あるあるに満ちたこの作品はどのようにして生み出されたのか?押切蓮介先生に伺った!
押切パチ好きの男が集まった【一転突破ギャンブラーズ】というラインのグループがあって、そこの仲間うちで時々連れパチしたり麻雀したりして遊んでいるのです。
ひょんな時にポーカーをやってみたいという僕の我がままから、双葉社のK谷君を紹介され、ポーカーを体験しました。
そのままK谷君を一転突破ギャンブラーズに招き入れたところ、彼はかなりのギャンブル狂で僕たちをひっぱってくれたのです。
…で、漫画の編集者でもあるから漫画家の僕に「なんかやろう」となるわけじゃないですか。
じゃ、今の僕たちみたいなグループを漫画にしようと、更に女人化すれば。みたいな感じで生まれました。
押切現在一転突破ギャンブラーズには10人ほどのクズが存在します。上にも書いたように性格、行動、モデルは僕たちオヤジたちです。
10人全員を女人化しても面白かったのかもしれませんが作画が大変なので四人に絞りました。
名前はタマコ以外、ピーンとくる会社の名前からとらせていただきました。
押切8年前くらいだと思います。遅咲きだと言われました。
押切早朝、とあるパチ屋で、会員じゃないと店の前では並んでは駄目だと言われ、ゴミ捨て場の前で待たされたことがあります。
この店のシステムに怒り狂い、「絶対にこの日一番勝ってやる¥と心に決め、勝負したらまさにその通りこの日で一番勝ちました。
負けですか?負けた記憶は片っ端からなくしてしまうんです…。
押切はらわたが煮えくり返ります。昨日許せていた事も許せなくなります。
自分の内に居る悪魔が外に出ようとしてきます。これは本当に恐ろしいです。
それと何もかも嫌になります。そして究極の自己嫌悪…負けた時の傷は凄まじいです。
解決策は忘れるしかありません。熟練者になると次の日には記憶から消去されるように身体が出来てきます。便利でしょう?
押切まあ、一番簡単な遊びだと思います。ただ手首をひねってボタンを押したりするだけですから…。
競馬や麻雀は色々な作戦を練るから楽しいのですが、「何もしない」って遊びも実は楽しかったりするんです。
押切いや確実に戻ります。っていうかあの後競馬後もパチンコに行ってるでしょう。僕たちがそうですから。
「卒業」?馬鹿言っちゃいけませんて…政府が何とかしない限り彼女たちは邁進し続けるでしょう。
押切担当のK谷君が居るからまだまだかけることはありますよ。彼が居ればネタに困ることはありません。
色々な習性を見る事がありました。人間って怖いなあって…。それを漫画でチクチク表現出来たら楽しいでしょうね。
押切この漫画を読んでギャンブルをやるようでは人生うまくいきません。やはりやるよりやらないほうがいい遊びだと断言しておきます。
もっともっと自分や身近の人に活かせるお金の使い方があるのです。自分自身のためにもやらないほうが身のためです。
…ただ、適度に遊ぶってならいいんじゃないですか?(笑)
あとはもう自分との勝負・・その時点で後戻りが出来ないギャンブラーと化しますから。
押切蓮介(おしきり・れんすけ)
漫画家。1998年に『マサシ!! うしろだ!!』でデビュー以降、『でろでろ』『ゆうやみ特攻隊』『ミスミソウ』『焔の眼』他、数多くの作品を発表。現在、『ぎゃんぷりん』を「漫画アクション」、『ハイスコアガール』を「月刊ビッグガンガン」、『狭い世界のアイデンティティー』を「月刊モーニングtwo」、『妖怪マッサージ』(原作)を「ヤングチャンピオン烈」にて連載中
©押切蓮介/双葉社