<あらすじ>時は幕末、処は大坂。 日本中から学徒が集まる商都で先進医術を学ぶ医家の青年・松崎冬馬。類まれなる探求心を持ち、剣とメス、二つの刃を振るう青雲の志の向かう先は――。『JIN―仁―』の巨匠が描く、新たなる幕末医療ドラマ開幕!
<書店員のおすすめコメント>「己の命を投げだしても人の命を救おうとするような医者… あれを侠医という…」(コミックス第3巻より)。激動の時代、大いなる志のもと歩みを止めることのない主人公・冬馬の姿に心を打たれます。堂々たる体躯に無双の武芸、秀でた医術と命をかけて人を救おうとする気高い志──すべてを兼ね備えたスーパーヒーローのような冬馬ですが、苦しむ人々を救うため常に全力を尽くしながらも、時として望んだとおりの結果になるわけではなく、その落差が「病」と対峙し続ける医師のリアリティを色濃く浮かび上がらせます。さらに描かれるのは、医師の視点から見た幕末の動乱。迫りくる大きな時代のうねりに、冬馬はいかに立ち向かっていくのか。次第にスケールアップしていく物語から目が離せません。
<あらすじ>剣道家の両親の下に誕生した夏木六三四(むさし)は、生まれながらの剣道小僧。六三四という名前は、現代の剣豪になれと、両親から願いをこめて命名されたもの。岩手山に見守られる街・盛岡を舞台に日々、剣道に明け暮れる。その中で出会う仲間・ライバルたち…。アニメ化もされ、一大ブームを巻き起こした、剣道マンガ史上最大のヒット作。
<書店員のおすすめコメント>剣道少年の六三四の成長を描く感動の物語! 見てください、六三四の幼年期のその健気なこと…! まずここで泣きます。ちょっと生意気な少年時代、そして挫折を経て、また大きくなっていく六三四の姿を追っていると、もう他人とは思えなくて、親戚のおじさんのような気持ちで応援しながら読んでしまう自分がいたり…。たびたびの修練でメキメキと強くなっていく様子も読んでいて爽快ですが、なんといっても丁寧に描かれる六三四の成長ぶりに「六三四、ますます男前になったなあ」と、また泣きます。読者が年をとると感想が変わってきますね! 年齢問わず圧倒されるのが試合のシーンの緊迫感。これは当初から、まさに試合が命がけのものとして描かれていて、作中で実際に父・栄一郎がその命を落とすシーンを私たちが目にしているからだと思います。誰よりも強かった父。もういなくなってしまった父。その背を追い続ける六三四の姿に、心が打たれまくる作品です。
<あらすじ>幼い頃から、世界一高い山・エベレストに登ることだけを目標に生きてきたロニー・ゴードン。「国(サガル)の母(マタ)なる女神」。現地語でそう呼ばれる厳寒のエベレストは、今日も冷酷で神々しい姿で目の前にそびえ立つ…。厳しくて険しくて、しかし限りなく美しい山々に魅せられた、鉄の体と心をもった岳人(クライマー)たち。ときには自らの命までも犠牲にして闘いに挑んだ彼らの壮絶な姿を描く!
<書店員のおすすめコメント>人知の及ばぬ極限の世界。それでも彼らが山へ挑み続ける理由は──。山に魅了され、心を奪われた者たちのエピソード集。あまりに壮絶なクライマーたちの生き様に言葉を失います。なぜここまでして山へ向かうのか。そのひとつの答えを教えてくれるエピソードがありますが……やはり、想像を絶する世界に生きてるのだなと思わずにいられません。
<あらすじ>モトクロスを愛する少年・一文字慧(いちもんじけい)15歳。中学生ながらたびたび草レースに優勝し、レース度胸は満点。ひょんなことから暴走族のケンカに巻き込まれ、暴走族のヘッド・森田とレース勝負をすることになってしまい…。だれよりも速く、だれよりもカッコよく、ただひたすらゴールへ! 全開モトクロス一直線!
<書店員のおすすめコメント>モトクロスのレースに命をかける少年・一文字慧。負けん気の強い彼がライバルたちとの死闘を繰り広げていきます。勝利に向かってどこまでも真っ直ぐな姿に、心を震わされること間違いなしです! スピード感あふれた描写は、読んでいてヒヤヒヤするほど圧倒的。スリルもあわせてお楽しみください!
<あらすじ>明治初期、北海道の大地で繰りひろげられる、巨大なヒグマと武士の血をひく若き狩人・真之助との息づまる死闘! 剣を手にすれば鬼神のように強かった父を殺した、巨大なヒグマに復しゅうを誓った真之助は、10年の歳月をかけてヒグマを追い詰めていく! 「獣剣伝説」他、ヒマラヤに墜落してひとり生き残った少年を描いた「神の娘」を収録。
<書店員のおすすめコメント>熊、北海道、アイヌ……とくれば『銀牙』や『ゴールデンカムイ』を思い出してしまいますね! あの世界観が好きな方にオススメの一冊です。この作品は北海道の雄大な自然を舞台にひたすらシリアスに描かれ、人と熊、命と命がぶつかり合う姿には、神々しさも漂っています。
<あらすじ>スポーツ医学の権威で、かつてボクシング界の名マネージャーだったアレックス・ゴードンは、己が富士の病に冒されていることを知り、残された時間で“世界を狙えるボクサー”を探し求めていた。日系二世の高校生・ガイに天性の才能を見出したゴードンは、彼にプロになることを勧める──夢を追い求め続ける老人と、その夢をかなえてくれる若者。二人の男の出会いが、ニューヨークの街に新たな伝説を誕生させる。
<書店員のおすすめコメント>ぐいぐい読んでしまう作品! ムダに夢を持とうとしないハードボイルドな主人公・ガイのキャラは、厨二心をすべて奪っていきそうなかっこよさ。その体は筋骨隆々のヘビー級。どマッチョな男が主役として描かれるのは珍しいですね。見どころは、村上もとか先生って実はこういったアクションがいちばん得意なのでは、と思うほどド迫力の拳闘シーン。パンチの重さがガツンと伝わってきます!
<あらすじ>押小路男爵家の長男・龍は、武道専門学校校長・内藤の教えに感銘を受け、武道専門学校「武専」に入学することになった。その登校初日の朝、乱暴者たちとケンカをしている龍を見ている男がいた。「部専」で顔合わせを済ませた龍の前に、そのときの男が現われ…。次第に戦争へと傾斜していく昭和初期の京都を舞台に、ひたすら剣の道を極めんとする男・龍の破天荒な生き方を描く!!
<書店員のおすすめコメント>史実をところどころに織り交ぜて編み上げた歴史大河巨編。異国、家系、武術、戦争、方言、芸者、ドクン!……村上作品のすべての要素が詰め込まれた、著者の最長連載作品です。戦争の足音が忍び寄る昭和初期、一人の男がやがてアジア全土を舞台にした国家レベルの争いに巻き込まれていきます。龍の波乱に満ちた生涯を描いたドラマを、じっくりご堪能ください!
<あらすじ>「麻薬密売の金で…首相の座を買わせてたまるか!」──日本人の暴力団幹部と、タイ人の少女がバンコクで惨殺された。犯罪制圧特科のワッサン大佐は捜査を始めるが、突然タイ国首相から直々に電話がかかってきた。その上、車を爆破され……!? この事件は危険過ぎる!
<書店員のおすすめコメント>『水に犬』? 意味が分かると震えます。不思議なタイトルを冠したその内容は、小気味よいテンポで展開するサスペンス! 不正渦巻くタイの当局に在籍する、清濁あわせ呑む警察官・ワッサンは、どんな過酷な状況に追い込まれても「マイ・ペンライ(問題ない)」のペースを保つ粋な男。あまり大々的に書けないアレコレに、ダンディーに向き合っていきます。なお、作中のアクセントになっている食事シーンは破壊力が抜群で、汗だくになってタイ料理が食べたくなること必至です。色んな魅力が詰まった一冊!
<あらすじ>1925年、大日本帝国陸軍大尉・都築慎太郎・29歳、花の都・巴里に赴任す――。花街に生まれ育った慎太郎は、男らしくなりたいと願い続けてきた。念願叶って士官学校を卒業し、異国の地で軍人として気高く生きようとする。舞踏会で一緒に踊った令嬢ソフィに恋をした慎太郎は、射撃対決で負った傷も癒えぬまま、真夜中に彼女の家に忍び込むが…。きらびやかな街で繰り広げられる、浪漫と情熱にあふれた物語!!
<書店員のおすすめコメント>パリを舞台に描かれる、愛と生と死の物語。大げさな演劇の脚本のようなセリフやストーリーからは、作中の一節に出てくるように、それでも人は感動する、分かっていても感動したい生き物なんだと、作者の手のひらで踊らされているような気持ちになります。これまた読むたびに印象が変わる、奥深さ。酸いも甘いも知り尽くした大人の方に、“あえて”読んでいただきたい作品です!
<あらすじ>南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。
<書店員のおすすめコメント>現代から幕末へタイムスリップしてしまった外科医・南方仁を待つものは!? 大江戸人情時代劇と思いきや、実はエンタメ性が強い作品で、じっくり読み込みたいというよりも、次へ次へとページをめくる手が止まらなくなる系の作品です! 自分が歴史を変えてしまうかもしれない、歴史を変えたら未来はどうなる?という迷いや葛藤がありつつも、目の前に患者がいればそれを救うことが最優先であることに何の躊躇もない南方仁。彼の前には次々と事件が。現代の薬品はなく、知識のみで当時の疫病に立ち向かう仁の行動は、果たして功を奏するのか!? そして最後はどうなるの?? と非常にスリリングです! あと、余談ながら、仁の住まいは東京の湯島に設定されていて、近辺の御茶ノ水などにゆかりのある方なら「あっ」と思う景色がたくさん登場します! あわせてお楽しみください!
<あらすじ>漫画家・上田としこ。1917年(大正六)生まれ、2008年(平成二〇)没。日本にまだ誰も「女」の漫画家がいなかった時代。上田としこという素っ頓狂な少女は漫画家を目指す。昭和初期、当時少女雑誌で人気を博した挿絵画家・松本かつぢへ弟子入り。絵の勉強のため、スイス人画家コンラッド・メイリの教室にも通うようになったとしこだったが、絵を描けば描くほど、絵がわからなくなるのだった。そして時代は戦争に傾斜していき……?
<書店員のおすすめコメント>少女まんがの黎明期に、『フイチンさん』などを世に送りだした女性漫画家の第一人者である上田としこ先生の生涯を描きます。「漫画家」としてのみならず、女性が当たり前に働ける世の中を切り拓いた方だと思います。ここで描かれるエネルギッシュな上田としこ先生の姿に、勇気がもらえる人も多いはず!