
耳の中に棲む私の最初の友だちは 涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。あたたかく、ときに禍々しく、静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品 世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」 「骨壺のカルテット」 補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。亡くなった父の骨壺と共に、私は親しかった耳鼻科の院長先生のもとを訪ねる。「耳たぶに触れる」 収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。「今日は小鳥の日」 小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。嘴と爪は本物を用います。残念ながら、もう一つも残っておりませんが。「踊りましょうよ」 補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。「選鉱場とラッパ」 少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。お祭りの最終日、問題が発生する。
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2025/4/30 23:59 まで有効
小川洋子さんのちょっぴり不思議だけどなにかあたたかいものを感じることが多くこの作品もその例のひとつだった。
心にじんわり沁みる感覚がある。私自身もこうしてみたいなと思ったり、私もなんか似たところあるな...
パラレルワールドのような、
ファンタジーとリアルの狭間、みたいな短編集。
人間の複雑さやグロテスクな部分を
ここまで品良く仕立てることができるのは小川さんだけなのでは?
これは芸術だ、、とひしひし...