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編:カーグラフィック編集部
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。イタリア人はスポーツカーを作る天才だ。アバルトがその最たる例と言えるだろう。イタリアにモータリゼーションをもたらしたフィアット600。そのちっぽけなボディのリアに水冷4気筒エンジンを積んだ大衆車の素性の良さを見事見抜き、宝石のように美しいコンパクトで魅力的なアルミボディを被せたのだ。むろんエンジンは高度にチューンされ、ヨーロッパ中のサーキットで無数の勝利を挙げた。フィアット600のボディを流用したベルリーナも高い戦闘力を誇り、若いレーシングドライバーやエンスージアストを熱狂させた。創始者のカルロ・アバルトはメカニズムに明るいだけでなく、高い審美眼をも併せ持った傑物だった。だからこそ速く、美しいマシーンが次々と生み出されたのである。CG classic vol.09は、その黄金期たる1950年代後半から60年代にかけてのアバルトにスポットライトをあてる。“ダブルバブル”“レコルドモンツァ”“ビアルベロ”そしてトゥリズモ・コンペティツィオーネの頭文字である“TC”等、初期のアバルトを象徴する耳慣れた響きを持った小排気量スポーツとベルリーナの魅力を楽しんでいただきたい。もちろんアバルトが無限の可能性を見出した素材であるフィアット600とヌオーヴァ500にも試乗。フィアットを、つまり間接的にアバルトを、そしてイタリア自動車界を支えた名設計者、ダンテ・ジアコーザのストーリーも読み応えたっぷり。1960年にフランスはモンレリーでアバルトに惚れ込み、その足でアバルト本社に向かいカルロ・アバルトに直談判、日本への輸入権を獲得した山田輪盛館3代目社長、大関重雄さんのインタビューも興味深い。メルセデス190SL、アルピーヌA310、BMW 2002 tii & ターボ、シトロエンSM、ロータスMk.6、コスモ・スポーツ等、ロードインプレッションもバラエティに富んでいる。
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