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小山田いく
東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こし、病院をクビとなる。妻にも逃げられ、彼女の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に両親がに亡くなって以来、一人立ちするまでの間、育ててくれた故郷の信州の伯父夫婦の家で動物診療所をはじめることになるが…。 ある日、諷子の夢の中に子猫が現れた。しきりに鳴くぼんやりとした影。諷子は手を差しのべるのだが子猫の影は砂の様に崩れ落ちてしまう。そんな夢を繰り返し見た諷子はやがてその影はかつて諷子が名前をつけたがすぐに死んでしまったあの子猫ではないかと思う様になった。そんなある夜、目を醒ました諷子はその鳴き声が夢の中ではなく自分の部屋の床下から聞こえてくる事に気付いた。朝になって床下にもぐった諷子が見たもの、それはあの子猫に瓜二つな、しかも同じ病を患った子猫。諷子はその子猫を死んでしまった子猫の生まれ変わりだと信じて世話をしようとするが…。その他、一成が往診の帰りに出会った寒々とした風景を描き続ける少女。ひたすらに一人で絵を描き続ける少女の胸に去来する思いは…「冬色の川」、ある日、桜の咲く小学校跡で四人の年配の男たちに出会った一成。年に一度そこで集まるというその男たちには時代に翻弄され、幼い日にその場所に残してきた切ない想いがあった…「夜桜」、生まれた時からいつも少女と一緒にいた猫。少女のその猫に対する思いと最期の時を描いた「サブのいた日々」、など。田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第4巻! 小山田いく先生の当時の単行本コメント『野良猫を数匹世話しはじめてから、うちにごはんがあるというウワサが、猫の間に広まったのか、いろんな猫が姿を見せるようになりました。それを見るとあらためて、猫の毛色の種類の多さに驚かされます。今度、写真付きの猫のリストを作ろうかと思っています。』
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