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著者:大江千里
「僕がアメリカに来て一番よかったなと思うのは、ジャズの基本であるリズムに生で触れられることだ。クリスはジャズというよりももっとR&Bタイプを目指している。彼ら黒人の書く曲には全てブルースの感覚がある。元は教会から派生しているこの情熱と心の叫びがそのまま音符になったような音楽は、アフロアメリカン独特のものだ。ふと自分には何があるだろうと思って考えたら、「盆踊り」であることに気がついた。日本人である僕は1、2、3、4という1小節のアクセントを1と3で捉える。彼らは2と4で感じるわけだ」――本文より47歳でNYの音楽大学に留学してから4年。大江千里はニュースクールの講堂にいた。そこは神戸のライブハウス、チキンジョージに似ていた。卒業に必須な「音楽ビジネス」カテゴリーで、【インターン】か【ステージプレゼンス】のどちらかをとらなければならない。千里は【ステージプレゼンス】を選ぶ。先生はダイアナ・ロスのツアーに長く参加したラタニャ。千里は誰を追いかけているの?――その答えを探すためにここに来たのかもしれない。【読了時間約22分】大江千里・おおえせんり■1960年9月6日大阪生まれ。1983年デビュー。2008年、ジャズピアニストを目指し愛犬ぴを連れてNYの音楽大学へ留学。ジャズアルバム『boysmatureslow』『SpookyHotel』をリリース。東京ジャズ、ブルーノート出演のほか、現在は米国内を中心に積極的なライブ活動を展開中。日本家屋体験エッセイ『僕の家』全4冊、NYジャズ留学の前半を綴った「9thNote」シリーズ全12冊は電子単行本『9thNoteComplete』としても配信中。2015年2月14日には3rdアルバム発売決定!
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